秋良のシェアハウス。(ワケあり)

日向 ずい

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水樹ルート (主に水樹目線。)

俺の...過去。

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 次の日、俺は、早く秋良さんをこの家から追い出すために...わざと彼の嫌がりそうなことをした。
 まず寝起きに「...秋良にーちゃん!!起きて!!!朝だよ!!」
と言って秋良さんの耳元で思い切り叫んでやった。
 そうしたら秋良さんは、びっくりして目を開け
「...わっ!?...はぁ...びっくりした...う~ん、もう少し寝たい...。」
と言ってすぐに目を閉じてしまった...だから、俺は再度声をかけて起こしてやった...。更に、絶対に寝ている相手にやったら怒る...ダイブもしてやった...(笑)これで奴も、流石に嫌気がさしてこの家から出ていくだろう...。
「...秋良にーちゃん!!学校!!今日からなんじゃないの??(汗)」
と言って秋良さんのお腹に飛び乗った俺に秋良さんは
「...うっ!?...ちょっと、水樹くん...今の即死レベルだよ...。」
と言って眉間に皺を寄せると渋々起きた...。よし!我ながら、ナイス作戦だったかも...少しは、手応えあり!(笑)
 そうして、ご飯を食べて俺は、皆よりも早く学校に行かないといけないため、さっさと家を出て、学校に向かった。
 あっ、そう言えば...あの家族写真...学校に持ってきちゃったな...ただでさえ胸糞悪いものを...寄りにもよって鞄に入れて学校に持っていくとは...くそっ...なんか腹たってきた...。
 俺は、学校に向かいながら、イライラしていたが、学校に着くといつものように...絡んでくるクラスメイトに愛想笑いを振りまいていた...もういい加減...疲れた...(汗)

 家に帰って、今日こそ秋良さんのもっと決定的な弱みみたいなものを探してやろうと思い、秋良さんの部屋に乗り込み「...今日も一緒に寝よう!!(笑)」と声をかけた。すると、秋良さんは、何処までお人好しなのか、了承してくれた。
 そうして、俺は、秋良さんの隣に寝っ転がり秋良さんが寝息を立てたのを、見計らうと、秋良さんの私物を昨日と同じように物色し始めた。
 だが、2回目は、やっぱり上手くいかないものだな...見つかっちまった...龍にーちゃんに...。
 少し開いていたドアの隙間から龍にーちゃんが、たまたま部屋の前を通る時に、ちらっと俺が荷物を物色する姿が見えたみたいで、勢いよく部屋のドアを開けて俺の胸ぐらを掴むと、秋良さんが寝ていることもお構い無しに怒鳴り散らしてきた...。...多分、昨日の写真の件...バレてたんだと思う...。
「...おい...虎太郎...。お前...何してんだよ!!?(怒)」
と言って俺を今までとは違う形相で睨みつけてきた。
 流石に不味いと思い、俺は龍にーちゃんをじっと見つめると
「...あっ...その...龍にーちゃん...僕...その...(汗)」
と言って動揺しているふりをした...。
 すると、秋良さんが目を覚ましたみたいで...龍にーちゃんが、俺に殴りかかろうとしていた瞬間に俺は
「...ごっ...ごめんなさい...(汗)龍にーちゃん...その...僕...(汗)」
と言って涙目で龍にーちゃんを見上げた。(もちろん、嘘泣きだけどね...(笑)だって...殴れたら痛いじゃん...)
 そんな俺をじっと睨みつけると龍にーちゃんは
「ごめんで、済まされるわけがないだろ...!?信じていた相手から裏切られる辛さを知らないからお前は、そんな事が出来るんだ...バシッ!」
 俺は、龍にーちゃんに殴られるはずだった...なのに...何なんだよ...こいつ...何で俺なんか...庇うんだよ...。
 俺の目の前にいたのは、龍にーちゃんに頬を平手打ちされた秋良さんだった...。
...これ...真面目にめんどーなやつだ...うーん、とにかく泣いとこ...。こう思った俺は、目に涙を浮かべ泣き真似をしだした。こうすれば...大抵上手くいく。(笑)
 龍にーちゃんは、血相を変えて秋良さんに謝っていたが秋良さんは
「...大丈夫ですよ。」
と言って龍にーちゃんから目線を外すと、俺の方を見て
「...水樹くんも...そんなつもりじゃなかったんだよね...もうしないって約束して写真返してくれれば、それでいいからさ...!(笑)」
と言って俺の頭を撫でてきやがった...。流石に...気持ち悪い...。というか何でそんな簡単に人を許せちゃうんだよ...マジで...意味わからん...。だが、俺は、芝居を続け
「...う...うん...ごめんなさい...、秋良にーちゃん......はい...これ...秋良にーちゃんの...宝物...。」
と言って仕方ないから写真を猫パジャマから取り出して返してやった。
 すると秋良さんは、目を丸くして
「...え...部屋に置いてあるとかじゃなくて...持ち歩いていたの...!?(汗)」
と言ってツッコミを入れてきた...はっ?どーでもいーだろ、そんな事...。そんな事よりも、俺は、この部屋を早く立ち去りたいと思っていたこともあって、いつも学校でしか使わない天使スマイスで秋良さんを見つめると
「...えへへ...だって...秋良にーちゃんの...宝物...なんでしょ??(笑)」
と言ってニッコリと微笑み足早に部屋から出た...。(流石に...自分でも...今のは、気持ち悪いと思った...(汗))
 ...外に出て俺は、自室に戻った...1人になった部屋の中で「...何なんだよ...あいつ...マジで...何で...何で、宝物を盗んだ俺を...何で、龍にーちゃんに殴られそうになった時の俺を...庇ったりしたんだよ...俺は...俺は、人間なんて分からない...ニコッと笑っていれば皆...騙されて...近づいてきて...人間なんて単純な生き物だと思っていたのに...思ってたのに...あいつ...秋良さんのせいで...分からなくなった...ほんとに...何なんだよ...(怒)」
俺は、暗い部屋の中で、ドアの前に座ると膝を抱えて1人こう呟いていた...。
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