秋良のシェアハウス。(ワケあり)

日向 ずい

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水樹ルート (主に水樹目線。)

俺の日常...

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 俺は、いつものように学校に登校すると背後からいつものヤツらの声がした。
「水樹!おはよう!!今日もキマってんな!」
と言って来たこのうるさい男は...俺のクラスメートで俺の苦手なタイプのひとりだ...。だが俺は、そいつに向き直るとニコッと笑い
「おっ!!おはよう!!だろ~(笑)」
と言ってあたかも自然な感じで振舞った。いつもと同じ感じ...もう慣れた。
 キーンコーンカーンコーン...と予鈴がなり、俺はこの苦手なクラスメイトと他愛もない話をしながら、教室へと向かった。
 授業中の俺は、当たり前だがぐっすり熟睡している...。理由は...まぁ、そのうち分かるだろう。

 そんなこんなでお昼休憩の時間になり、俺はこの苦手な教室の空気から逃げるように屋上に向かうため席をたった瞬間...
「ねぇ~、虎(とら)ちゃん!一緒にお昼食べない??」
と言って俺の腕を掴んできたのは...通称トップ3と言われるクラスの目立つ女子達...正直言うと朝絡んできた奴らよりも俺は、苦手だ...。だから俺は、内心これでもかという程に嫌な顔をして...『はっ??いや、無理に決まってんじゃん...というか俺一人でご飯食べたかったんだけど...はぁ...。』と言っていたが、女子達に向き直るとニコッと笑い
「え~!!いいの??僕と食べてくれるんだ~、ありがと♡」
と言った。
 流石に水樹の天使スマイルを向けられた女子達は、たまらず
「キャー!!!!虎ちゃん、可愛すぎ!!!写メ写メ!!」
と言って写真を撮る始末...俺は、心の中でブチ切れていたが、表面は、ニッコリと写真に応えていた。
 俺は、午後の授業を受ける気がなくなったため、仮病を使い学校を早退した。

 家に帰るとキッチンからエプロン姿の加来さんが、玄関に向かって歩いてきた。
「おかえり、虎太郎。...また、学校をサボったの...??」
 こう言って俺に呆れた顔を向けている加来さんに俺は
「ただいま!加来さん!!...えっと、その...ちょっと体調が悪くて...。(笑)」
と言って自分の足元に目線を落とした。すると加来さんは、ため息をつき
「...はぁ、虎太郎...学校で何があったか知らないけど、あんまり休みすぎたら卒業出来ないよ...??(汗)」
と言った。
 俺は、加来さんに目線を戻すとニコッと笑って
「...わっ、分かってるって!!(笑)次からは、ちゃんと学校行くから!!」
と言い二階にある俺の部屋(荷物置き場)に鞄を置きに上がった。

 何もやることがなく暇なためリビングでテレビを観ていると...ピンポーンッとインターフォンがなり、加来さんが『あっ!きたきた!!』と言ってインターフォンで何かを話した後、玄関に向かっていった。開けられた玄関からは、何やら男の人の声がする。俺は、気になり玄関の方に視線を向けた。
 すると、そこにいたのは、俺と大して歳の変わらない男の人が一人...俺は、『...なんか新しい人が来るとか...昨日の夕飯の時に加来さんが言ってたような気がする...。めんどくさい...まぁ、一応どんな奴か様子見でもするか...。』と心で考えた後、リビングに入ってきた男の人に真正面から思い切り抱きつきに行った。

 男の人は、とてもびっくりしているようだったが、そんなことはお構い無し。俺は、目の前の男の人に向かって
「おおおー!新しいお兄ちゃんだー!!!うん、抱き心地もサイコー!!男臭くもない!よし、合格!!!(笑)」
と言ってギュッとした。抱きついている時に思ったが、ほんとに学校にいる奴らみたいに男臭くなく、香水臭くもなく...ほのかに甘い香りがした。だが、所詮そんな事だ...。なんて心で考えて男の人に
「...ねぇ、お兄ちゃん名前は??僕の名前は、水樹 虎太郎(みずき こたろう)!よろしくね!!(笑)」
と言っていつもの笑顔を振りまいた。
 すると目の前の男の人もニコッと笑って
「...あっ...えっと、俺は、神代 秋良って言うんだ!...えっと...水樹くんだね...よろしく。」
と言ってきた。
 ...俺は、その時こいつは俺と同じタイプの人間だと直感で思った...このままでは、俺の築き上げてきた居場所が奪われる...そう思った俺は、新しく入ってきた秋良というやつを排除しようと心に決めたのだった。
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