秋良のシェアハウス。(ワケあり)

日向 ずい

文字の大きさ
上 下
15 / 44
阿久津ルート(主に秋良目線。)

悪夢の作戦...

しおりを挟む
 作戦会議をした1週間後の夜、俺と水樹くんは、リビングで遊んでいた...。正確には、じゃれあいと題した...イチャつきなのだが...。
 俺は、心配になってきて俺のことを抱きしめる水樹くんに
「...ねぇ、水樹くん...こんなので本当に上手くいくのかな...??」
と言った。そんな俺に対して水樹くんは、
「...何...今更...やめるとか言わないでよ...??」
と言って俺の首を抱きしめた腕で絞めてきた...俺が苦しさのあまり声を上げると...ガチャッと玄関の開く音がした。その途端水樹くんが、耳元で
「...あとは、作戦通りに...じゃれあいだけど...いかにも、イケないことしてる風を装って...!」
と言ってきたから、俺は大きくうなづいた。

 玄関からリビングで何やら声が聞こえるのが、気になったのか俺らが居るリビングに顔を出した龍が、じゃれ合う俺たちを見て
「お前ら...何してんの...??」
と言った。そんな龍の目は、笑ってはいなかった...むしろ怒っているようだった...。
 そんな龍に水樹くんは、
「ん??あ~、知らなかったよね...龍にー...僕と秋良は...付き合うことになったんだ~!!」
 と言って俺を見つめてきた。そんな水樹くんに俺は、頬を赤らめ
「...ちょっ...虎太郎...まだ、言ってないんだから...そんな...大声で言うなよな...。(照)」
と言った。(よし!我ながら、なかなかうまいこと言えたぞ!!)と内心思って龍を見つめた。
 すると龍は、呆気に取られた顔をして
「...えっ...秋良...おまえ...そ...そんな...。」
 明らかに動揺している龍にさらに追い打ちをかけるように水樹くんは
「...龍にー...。僕と秋良は...今いいところだったんだから...。はぁ、ねぇ、秋良...秋良の部屋で続きしよ??」
と言って俺に手を差し出した水樹くんの手を取って自室に向かおうとした時
「...いいわけねぇ~だろが~!!(怒)...てめぇ、虎太郎...今すぐ俺の秋良から離れろ!!(怒)秋良は、俺のものだ!!てめぇが、気安く触れていいものじゃねぇーんだぞ!!!(怒)」
 こう言って水樹くんの胸ぐらに飛びかかった龍に水樹くんは、火に油を注ぐことを言った。
「...ふ~ん、でも僕...秋良から、別れたって聞いて...その日...秋良が可愛くて仕方なかったから、秋良の部屋で秋良と...シちゃったんだよね...??(笑)」
と言った水樹くんに次の瞬間鬼のような形相をした龍が、殴りかかった。
 俺は、流石にまずいと思い...咄嗟に龍の腕を掴んで
「...ちょ...龍...もうやめて...ごめん...全部嘘なんだ...俺...龍が、俺と別れてから元気ないって...水樹くんに聞いて...それで、水樹くんに協力してもらって...。」
と言った瞬間、龍の手が止まりじっとただ俺の目を見つめて
「...えっ...秋良...それ...って...『...あー、もう...さっさと気づけばいいのにさ...だから、僕と秋良にーは、恋人同士のフリしてたってだけ...だから、シちゃったってのも嘘...。...そういうことだから、いい加減この胸ぐら掴んでる手を離してくれないかな...苦しいんだけど...。』。」
と言った水樹くんに龍は、慌てて手を離すと
「...いや、その...ごめん...虎太郎...俺てっきり...『そんなこと言うんだったら始めっから、手放さなきゃよかったのに...龍にーも僕によく言ってるけど、宝物は、絶対に手放したらいけないって...それ...そっくりそのまま龍にーに返すね...。(笑)』。」
と言った水樹くんに龍は、ただ一言...「...ありがとう...。」と言って頭を下げた。
 そして、頭をあげた龍が俺をいきなり抱きしめてきた。そして、そのまま静かに話し出した。
「...秋良...俺...心臓が止まりそうだった...おまえが...虎太郎と付き合ったって聞いて...俺...やっぱりおまえじゃないと駄目みたい...。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

人外シェアハウス

いつかの天使
BL
日本とは似ても似つかない人と人以外の種族が共存する世界。全てがご都合主義であり、なんでもやり放題な世界。そんな世界にある、どこか訳アリの人外たちが集まるシェアハウスの話。 ようこそ、管理人さん。これからはあなたがここの管理人です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

ハルとアキ

花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』 双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。 しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!? 「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。 だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。 〝俺〟を愛してーー どうか気づいて。お願い、気づかないで」 ---------------------------------------- 【目次】 ・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉 ・各キャラクターの今後について ・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉 ・リクエスト編 ・番外編 ・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉 ・番外編 ---------------------------------------- *表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) * ※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。 ※心理描写を大切に書いてます。 ※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪

心からの愛してる

マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。 全寮制男子校 嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります ※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

処理中です...