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第1章 「俺と兄貴の日常。壊れだす関係。」
「俺の気持ち。」
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兄さんを初めて抱いたあの日から、俺の中にある隠れた感情が溢れだし...俺は、抱かれる立場から抱く立場になっていた。
抱いた後に冷静さを取り戻した俺は、やっぱりこの関係はおかしいと思い、何とかして愛音の部屋から足を遠ざけようとそれからの日々は色々と努力をしていたのだが....俺がダメだ、この関係をやめなければと思うほど愛音への異常な感情は一層酷く高ぶりをみせ、結局....俺は毎日のように愛音を手酷く抱くようになっていた。
俺はこの意味の分からない感情に、何とか理由付けをして自身を正当化しようと必死だった...だから、俺は愛音を抱くときはいつも思春期の気まぐれと思い愛音のことを抱くようにしていた。
でも本当はこの感情の意味にも薄々気が付いていた...この感情は、愛音に欲情している証拠だと。
本来であれば、愛音にこの気持ちを伝えるほうが賢明なのだろう...だが俺は、昔から負けず嫌いであった。
だから...この気持ちを自分から愛音に伝えることは負けることと同じだと思い、愛音を毎回毎回手酷く抱いては俺が常に優勢であると知らしめていたんだ。
今思えば、どうしようもないほどくだらないことだって思うけど....この時の俺は、愛音にこんな感情を抱いてしまうことが死にたいくらい恥ずかしくて、そして自分でも理解出来ないほど複雑なものであると感じていたんだ。
毎回手酷く自分のことを犯す俺に、愛音はこの時一体どういう感情を抱いていたのかは全く分からない。
今その時の愛音の気持ちを理解したいかって言われたら、即答で理解したくないと答えるだろう...当たり前だ。
この時の俺は、愛音の純粋な気持ちを自身のくだらない感情で弄んでいたんだから....当然、俺が喜ぶようなことをアイツは思っていなかっただろうし。
逆に、この時の気持ちを愛音に伝えたいかって言われたら、きっと口が裂けても言えない。
俺が何故こんなにも自分を卑下するのかというと...あれは、いつものように愛音を抱いていたときだ。
何度も何度も俺の不器用な愛情を自分のナカに受け取った愛音は、ベッドで酷く乱れた姿のまま、ペットボトルに入っている水を飲みながらボーッとしている俺に、嬉しそうな表情を向けると...
「拓三、大好き...大好きだよ。拓三...これからも俺を抱いてね。ううん、俺だけを。」
とこう掠れた声で呟いたのだった。
愛音の突然の発言に、俺は口に含もうとしていた水を床にポタポタと垂らすと大きく目を見開いて、ベッドから体を少し起こし、俺の方を艶っぽい表情で見つめている愛音を見つめた。
は????
コイツ...今なんて言った???
大好きだよ....これからも俺を抱いてね....って、聞き間違いでなければこう言ったんだよな...。
くそっ、何でだよ。
なんでそんな思考になるんだよ、コイツは俺に毎回毎回手酷く抱かれていることを理解しているのか????
普通、あんな酷い抱き方をすれば俺のことを嫌いになるはずだろ???
なのになんで....そんな艶っぽい、男を誘うようなエロい目で俺の事を見つめるんだよ...。
そうか......コイツ、俺のことを油断させて密かに主導権を取り返すつもりだな。
くそっ、そういうことだったのかよ....ははっ、なんだ...不安になって損した。
悪いが....愛音、お前の考えは全てバレてるんだよ、その手に易々と乗ってたまるかよ。
俺は愛音が与えてきた自身のキャパでは理解出来ない膨大な情報を何とか処理するため、都合のよい解釈方法を必死に考えていた。
愛音に言われた通り...俺は何か面倒な事にぶち当たると、すぐに周りのせいにする癖がある。
...この時も良く考えればそうだった。
俺は...愛音が勇気をだして伝えてくれた気持ちに酷く戸惑い、上手く脳内で処理できなかった挙げ句...それを愛音のせいにした。
だから俺は、照れくさそうな表情で自身を見つめる愛音に対して咄嗟に
「は???ははっ、笑えない冗談言うなよ。それにしても、兄さんのオナホ...最高だな。これからも俺の性欲処理に使わせてくれよ。......勘違いすんな...。お前に欲情してるんじゃない。お前を...美苗に見立てて、気持ちよくなってるんだよ。じゃ...後処理よろしくな。」
と冷たく言い放つと、ほぼ俺の液でベタベタになった愛音をベッドの上に放ったらかしにすると、そのままそそくさと部屋を出ていった。
部屋を出る前に、ちらっと目にした愛音の顔は...酷く歪んでいるようだった。
そう...その視線は...あの時、友達に向けられた表情と全く同じものだった。
裏切られた...なんで???と言っているようなそんな悲痛なものだ...。
その表情を思い出すと...何故だか、胸の奥がギュッと酷く締め付けられる感覚に陥ったが...この時はそれ以上に俺の心臓がうるさく音を立てていたため、この重大なヒントに気がつくことが出来なかったのだった。
そうして俺はいつしか...自分のことをさらに正当化させるため、この日を境に俺のことを好きだ愛していると事あるごとに口にしてくれる愛音に対して、時に暴力を振るい罵声を浴びせ...とにかく常に愛音の上に立てるように、日に日に厳しく接するようになっていた。
だが、そんな俺の与える拳でついた酷いアザや俺の酷い暴言によりついた心の傷を愛音は愛おしそうに見つめ...そして、俺が酷く接すればするほど愛音は嬉しそうにそれを余すことなく受け取った。
どうやら...この時から俺の愛音に対する思いは、日を増すごとに歪なかたちに変化していたようだ。
現に....愛音に対して何をやっても言っても...もう何も感じなくなっていた。
そう....この時の俺はどうしようもないくらい愛音に狂っていたようだが....まぁ愛の形は人それぞれっていうだろ???
俺の愛音に対して持っていた愛の形はこれだったんだ...こう考えれば、なんらおかしなものではないだろう???(笑)
俺はこうして、完全に狂いきった自分のことを正当化するのであった...あの頃と同じように。
抱いた後に冷静さを取り戻した俺は、やっぱりこの関係はおかしいと思い、何とかして愛音の部屋から足を遠ざけようとそれからの日々は色々と努力をしていたのだが....俺がダメだ、この関係をやめなければと思うほど愛音への異常な感情は一層酷く高ぶりをみせ、結局....俺は毎日のように愛音を手酷く抱くようになっていた。
俺はこの意味の分からない感情に、何とか理由付けをして自身を正当化しようと必死だった...だから、俺は愛音を抱くときはいつも思春期の気まぐれと思い愛音のことを抱くようにしていた。
でも本当はこの感情の意味にも薄々気が付いていた...この感情は、愛音に欲情している証拠だと。
本来であれば、愛音にこの気持ちを伝えるほうが賢明なのだろう...だが俺は、昔から負けず嫌いであった。
だから...この気持ちを自分から愛音に伝えることは負けることと同じだと思い、愛音を毎回毎回手酷く抱いては俺が常に優勢であると知らしめていたんだ。
今思えば、どうしようもないほどくだらないことだって思うけど....この時の俺は、愛音にこんな感情を抱いてしまうことが死にたいくらい恥ずかしくて、そして自分でも理解出来ないほど複雑なものであると感じていたんだ。
毎回手酷く自分のことを犯す俺に、愛音はこの時一体どういう感情を抱いていたのかは全く分からない。
今その時の愛音の気持ちを理解したいかって言われたら、即答で理解したくないと答えるだろう...当たり前だ。
この時の俺は、愛音の純粋な気持ちを自身のくだらない感情で弄んでいたんだから....当然、俺が喜ぶようなことをアイツは思っていなかっただろうし。
逆に、この時の気持ちを愛音に伝えたいかって言われたら、きっと口が裂けても言えない。
俺が何故こんなにも自分を卑下するのかというと...あれは、いつものように愛音を抱いていたときだ。
何度も何度も俺の不器用な愛情を自分のナカに受け取った愛音は、ベッドで酷く乱れた姿のまま、ペットボトルに入っている水を飲みながらボーッとしている俺に、嬉しそうな表情を向けると...
「拓三、大好き...大好きだよ。拓三...これからも俺を抱いてね。ううん、俺だけを。」
とこう掠れた声で呟いたのだった。
愛音の突然の発言に、俺は口に含もうとしていた水を床にポタポタと垂らすと大きく目を見開いて、ベッドから体を少し起こし、俺の方を艶っぽい表情で見つめている愛音を見つめた。
は????
コイツ...今なんて言った???
大好きだよ....これからも俺を抱いてね....って、聞き間違いでなければこう言ったんだよな...。
くそっ、何でだよ。
なんでそんな思考になるんだよ、コイツは俺に毎回毎回手酷く抱かれていることを理解しているのか????
普通、あんな酷い抱き方をすれば俺のことを嫌いになるはずだろ???
なのになんで....そんな艶っぽい、男を誘うようなエロい目で俺の事を見つめるんだよ...。
そうか......コイツ、俺のことを油断させて密かに主導権を取り返すつもりだな。
くそっ、そういうことだったのかよ....ははっ、なんだ...不安になって損した。
悪いが....愛音、お前の考えは全てバレてるんだよ、その手に易々と乗ってたまるかよ。
俺は愛音が与えてきた自身のキャパでは理解出来ない膨大な情報を何とか処理するため、都合のよい解釈方法を必死に考えていた。
愛音に言われた通り...俺は何か面倒な事にぶち当たると、すぐに周りのせいにする癖がある。
...この時も良く考えればそうだった。
俺は...愛音が勇気をだして伝えてくれた気持ちに酷く戸惑い、上手く脳内で処理できなかった挙げ句...それを愛音のせいにした。
だから俺は、照れくさそうな表情で自身を見つめる愛音に対して咄嗟に
「は???ははっ、笑えない冗談言うなよ。それにしても、兄さんのオナホ...最高だな。これからも俺の性欲処理に使わせてくれよ。......勘違いすんな...。お前に欲情してるんじゃない。お前を...美苗に見立てて、気持ちよくなってるんだよ。じゃ...後処理よろしくな。」
と冷たく言い放つと、ほぼ俺の液でベタベタになった愛音をベッドの上に放ったらかしにすると、そのままそそくさと部屋を出ていった。
部屋を出る前に、ちらっと目にした愛音の顔は...酷く歪んでいるようだった。
そう...その視線は...あの時、友達に向けられた表情と全く同じものだった。
裏切られた...なんで???と言っているようなそんな悲痛なものだ...。
その表情を思い出すと...何故だか、胸の奥がギュッと酷く締め付けられる感覚に陥ったが...この時はそれ以上に俺の心臓がうるさく音を立てていたため、この重大なヒントに気がつくことが出来なかったのだった。
そうして俺はいつしか...自分のことをさらに正当化させるため、この日を境に俺のことを好きだ愛していると事あるごとに口にしてくれる愛音に対して、時に暴力を振るい罵声を浴びせ...とにかく常に愛音の上に立てるように、日に日に厳しく接するようになっていた。
だが、そんな俺の与える拳でついた酷いアザや俺の酷い暴言によりついた心の傷を愛音は愛おしそうに見つめ...そして、俺が酷く接すればするほど愛音は嬉しそうにそれを余すことなく受け取った。
どうやら...この時から俺の愛音に対する思いは、日を増すごとに歪なかたちに変化していたようだ。
現に....愛音に対して何をやっても言っても...もう何も感じなくなっていた。
そう....この時の俺はどうしようもないくらい愛音に狂っていたようだが....まぁ愛の形は人それぞれっていうだろ???
俺の愛音に対して持っていた愛の形はこれだったんだ...こう考えれば、なんらおかしなものではないだろう???(笑)
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