兄貴による俺のための指導法

日向 ずい

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第5章「愛のカタチは様々だけど、既にピースは決まっている。」

「拓三の愛のその先は...。」

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 「愛音...愛音愛音愛音...!!!!っ、好きだよ。大好きだ。どれだけ愛音のコトを頭で...妄想の中で犯し続けていたと思っているんだ??...愛音のコトを俺で壊して、俺の味を覚えさせて...永遠に俺のコトを忘れないようにしてあげるから。...ほら、脚もっと開けよ。っ、...はぁ...はぁ、っ!!!愛音...マジ...サイコっ...!!!」

 私は拓三に激しく自身のナカを突かれながら、コイツに悔しいほど翻弄されていた。

 認めたくないけど、これまで拓三の体や手に触れられていなかった分....自分では抑えが利かないほど、無意識に拓三のコトを求め始めていた。

 それどころか、私は恐らくこの状況に興奮さえ覚えていた...。

 こんな自分...恥ずかしくて、自我を抑えられなくて...本当は今すぐに消えてしまいたいと思っているのに、脚は無意識に開き、色っぽい拓三の全てを飲み込もうとしていた。

 そんな、いうことをきかない体に対して、私の脳内では、始めから激しい拓三の攻めに、ものの数分で耐えきれなくなり、それと同時にすっかり崩壊した自我に支配され....今までにあげたことのないような酷くオトコを誘う甘さを含んだ吐息を漏らして、色っぽく笑う拓三に快楽を求め始めたのだ。

 「...っ、あっ!!!...ばっ、馬鹿っ!!!ダメだって...そこは反則っ...ヤッ...ヤダァ...。あっ!!はっ...はぁ、はぁ...いっ、イヤッ...ングッ...もっ...もう、たっ耐えられない......っ!!!!あぁあん...!!!!んんっ!!」

 「....っ!!!!」

 私の甘い声に、既に沸騰していた興奮がさらに掻き立てられたのか、拓三は先程よりもより一層執着的に、私が嫌がるところを激しく突いてきた。

 私はそんな拓三の動きに堪らず

 「っ...ヤッ...ヤダッ...それ、ヤダァッ!!!拓三...タクミっ、やめてよっ!!そんなの...すぐイッちゃっ...イクっ...イッちゃっうよっ...ンンッ...イグゥッ.....!!!(泣)」

 と涙ながらに呟くと、拓三は苦しそうに声をあげる私の反応を、じっくりと楽しむように

 「クスッ、もうイッちゃっうの???(笑)チュッ、可愛っ...あいな...愛してるよ。愛音は、ほんとに可愛いなぁ。それに、前よりも甘い声をこれでもかというほどに漏らして...そんなにオレの体が恋しかったの???(笑)そんな可愛い子にはご褒美あげる...ほら、もっともっと気持ちよくしたげるから、今を忘れるぐらい存分に感じろよ??」

 と囁くと、ギュッと目を閉じている私の胸に首筋に...次々とキスマークを付け始めた。

 本当はいけないって...ここで止めないとダメだって分かっているのに...そんな余裕なんてさらさらない。

 拓三の与えるキスが...刺激が...全てが気持ちよくて...抗えない。

 ごめんね拓三...こんなダメな兄で、本当にごめんね。

 なるべく感じないようにするから...拓三の味を覚えないようにするから。

...だから、今だけは...どうか淫らに酷く歪むこの時間を味わわせて。

 絶対に......忘れるから、忘れてみせるから。

 私は、相変わらず甘い声をあげながら、ただひたすらに強く目を瞑り、私の上で強い愛を与えてくれる拓三に、心の中で何度も何度も謝罪の言葉を唱えると、不意に過去の拓三の姿を思い出し、どこか懐かしさを感じていたが、気がついた時には完全に意識を失っていた。

 終始目を瞑っていたから、拓三の表情はそんなにはっきりとは分からなかったわ...。

 だけど...気を失う直後に一瞬だけ開いた瞳から見えた拓三の表情は、思っているものとは違ったの...。

 私が目にした拓三の瞳は...真っ直ぐに私を見つめていたけど、心做しか寂しそうな...何かを必死で覚えておこうとしているように見えたの。

 何故か私は、その瞬間の拓三の表情を忘れることが出来なかったわ...拓三がその時何を考えているのか、全くわからなかったの...正直、怖かったわ...。

 私がこう考え気を失った後、拓三は私の身体を飽きるまで手酷く...だけどどこか優しく抱くと、目から突然大粒の涙を流し始め、ベタベタの体を綺麗にするためシャワーを浴びにベッドから起き上がると、お風呂場へと足を進めたのだった。

 拓三は大きなため息を吐くと、普段より幾分か熱いシャワーを頭から豪快にかぶり、たけど時間をかけてゆっくりと体を流すと、綺麗になった体を軽く拭いたバスタオルを腰に巻き、そして近くに置いてあった煙草に火をつけ、数回白い煙を暗い部屋に揺らめかした。

 そして、その足で気持ちよさそうに...だけどぐったりと眠りについている愛音の元へ戻ると、自身が着ていた服をきっちり気直し、まだ半分も吸っていないタバコの火を備え付けの灰皿で乱暴にすり潰すと、すやすや眠る愛音に近づき、そしてチュッと軽くおでこにキスを落とすと、足早に部屋を出ていったのだ。

 そうして拓三は、受付でお金を払うと乱暴にある場所へと足を進めた。

 「...??...えっと、どうかされましたか??何か落し物でも......っ!??あの、大丈夫ですか!???」

 「あっ、いえ...その...少し聞いていただきたいことが...。」

 「...??......。...はい、かしこまりました。では、とりあえず...どうぞこちらへ。」

 俺は、愛音と激しく身体を重ねた後、震える足で警察署を訪れていた。

 突然入ってきた上に、両足がガタガタ震えている俺の様子に、不信感を抱いたのだろう。

 受付にいた警察官が、訝しげな顔をして俺の元に近づいてきた。

 警察署なんて生まれて初めてきたんだ...。

 緊張するのは当然だろ...???

 俺は、自身の状況に震える足と声を必死で落ち着かせながら、警察官に話がしたいという意思を伝えると、始めは半信半疑な警察官も、流石にただ事ではないと思ったのか、俺は近くにあった簡易ソファに座るよう促された。

 言われたとおり、俺は結構ハードなソファへと腰をおろすと、調書を執るためペンと真っ白い紙をバインダーに挟み、俺の隣にサッと腰をかけた警察官にこう話し始めた。

 「聞いてください...俺は、人を殺しました。」

 俺は、自身のこの言葉と同時に、もう後には引けないと...独り腹を括ったのだ。

 全ては...愛音に相応しいオトコになるために......その為なら、どんな壁でも超えてみせる。

 それが、俺の出来る精一杯の愛情表現だから。

 
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