兄貴による俺のための指導法

日向 ずい

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第1章 「俺と兄貴の日常。壊れだす関係。」

「兄さんを愛せる自信がない。」

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 俺は、目の前で顔を真っ赤にする愛音にどうしたものかと思考を巡らせていた。

 それもそのはず愛音は、いつもの様に俺に激しく抱かれた後、ベッドに寝転ぶ俺の上に馬乗りになると

 「拓三??......今日のエッチも最高だったよ。拓三は、エッチが上手だね。...ご褒美に俺がフェラしてやろうか??」

 と不敵な笑みを、自身の下敷きになった俺に向けこう囁くと、俺の露になっている下半身に勢いよく手を掛けようとしたため、俺は慌てて愛音の腕を掴むとそのまま自身の方にぐっと引き寄せ、バランスを崩した愛音の唇に深い口づけをしたのだった。

 危ねぇ...愛音に危うく主導権を握られるところだった...。

 愛音...悪いが、お前のやることなら何でもお見通しなんだよ。(笑)

 俺の思考とは裏腹に、愛音は俺の口内から唾液を吸うと、ゴクッと音を立てて飲み込み、一際嬉しそうな表情を浮かべると

 「拓三の体液を飲むくらい...俺は拓三のことが大好きだよ。...だから拓三。俺と...その......セフレをやめないか???」

 と言って、呆気にとられている俺と目が合った途端、俺の顔からわざとらしく視線を外したのだった。

 そんな愛音の言葉の意図がよく分からず、気が付けば俺は愛音にこう聞き返していた。

 「...??...お前は俺が好きなんだろ???なのにどうして急にセフレをやめるなんて言うんだ??...俺とのエッチも大好きなんだろ??それの何が不満なんだよ...??」

 俺は愛音の平然とした態度に無性にイラついてしまい、愛音の心情も理解せず乱暴にこう言い放ったのだ。

 すると愛音は、俺のイラついた様子に突然悲しそうな表情を浮かべると、ベッドの上に座っていた俺のことを再び押し倒し、俺の有無も聞かずにいきなり濃厚なキスを交わしてきたのだった。

 突然のことに、バタバタと暴れる俺のことを強い力でベッドに押さえつけた愛音は、いとも簡単に俺の自由を奪った。

 っ...しまった!!

 つい油断して...こいつ力強すぎ...。

 無理だ...どれだけ抵抗してもビクともしない。

 前はこんなこと無かったはずなのに...何故...。

 こう考えながら、バタバタと抵抗を示していた俺との深いキスを終えると、愛音は潤んだ瞳で下敷きになった俺を見据え

 「...拓三。エッチ......とびきり激しいやつ...させて??拓三の酷く喘ぐ姿見たくなったから。ねぇ、気持ちよくしたげるからさせて??」

 とどこか悲しげな表情を浮かべつつ、いきなり俺のモノへと手を伸ばしてきたのだ。

 俺は急に与えられた強い刺激に

 「...っ!!!...ちょっ、愛音っ!!!なんなんだよ急に!!!一体どうしたって言うんだよ!!?」

 と言い、必死に抵抗しようとしたが流石兄貴......先程と同じく弟である俺よりも遙かに力が強いためか、到底敵わなかった。

 そんな俺の反応に愛音は、終始何かを思い詰めている表情を浮かべながら

 「......お願いだから...最後までヤラせて...。ねぇ、拓三...お願いだよ...。」

 とどことなく震えた声色で言い、俺の体を優しく抱きしめてきた。

 俺は兄貴のいつもと違う様子にそれ以上何も言えなくなり、そのまま兄貴に流されることとなった。

 主導権......いいや、俺には最初から権利なんてなかった...。

 兄貴は今まで、俺に手加減してくれていたんだ。

 ...もういいや、諦めた。

 今日は兄貴の自由にさせよう。

 俺は色んな感情の中で、ふとひと言こう呟いた。

 「...兄貴??」

  普段は絶対に言わないが、愛音の明らかにおかしな様子に、無意識のうちに俺は愛音の事を兄貴という昔の愛称で呼んでいた。

 俺の何気ないこの呟きに愛音は

 「...そんな呼び方...やめてよ...。俺は...お前に...拓三に名前で...。...拓三、俺もう我慢できない。挿れさせて。」

 と苦しそうな声で呟くと、俺に有無を言わさず、俺のナカに熱くなった自身のモノを勢いよく挿れてきたのだった。

 俺はあまりの痛さに思わず

  「うっ...いたっ!!...おい、愛音!??...焦んなよ...マジで、裂けるから...。ほんとっ...マジ...大マジだから...。って、聞いてんのかよ!!!...っ、あっ!!!...っあいな...おまえ、馬鹿っ!!!!んなに、激しく動いたら......あっ、...でっ...デルッ...んぁ、...あっ!!!」

 と呻き声をあげ、それでも言うことを聞かない愛音のエロい腰使いに、俺は羞恥も忘れてスグに達してしまった...。

 はぁ...はぁ...と必死で息を整えている俺を愛おしそうにギュッと抱きしめると、俺と繋がった状態のまま愛音は

 「...たーくみ。大好きだ。...好きすぎて、辛い...死にたくなるほど...。いつもいつも、お前を壊してやりたくて堪らない。お前にされるのも好きだけど、今日は特別......だから今日は壊れるまで...させて??」

 と口にすると、俺が「えっ。」というのが早いか、愛音は再び激しく俺の上で動き始めたのだった。

 それはそれは、俺の弱いところを執拗に攻め続け...俺はあっという間に10回ほど、達してしまった。

 色んな羞恥に耐えきれず、顔を真っ赤に染める俺を愛おしそうに見つめると愛音は、そんな俺と何度も深い口付けを交わし、そして俺はまた愛音の休みのない強すぎる愛を受け取り続けたのだった。

 愛音...一体どうしたっていうんだよ。

 俺がなにか悪いことを口にしたって言うのか???

 俺の何がそんなに気に食わなかったんだよ、愛音の...お前のそういうはっきり言わないところが、俺の気持ちを余計に苛立たせる。

 そんなことを考えながら、何度も何度も繰り返し襲ってくる快楽に耐えきれず、甘い声をあげながら愛音の猟奇的な表情を最後に俺はついに気を失ったのだった。

 この時の愛音の気持ちに気づいてあげていれば、俺はこんなに悲しまなくて良かったのかもしれない...。

 しかしそれは、今になって分かることなのだが...。 
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