ダメな私と吸血鬼

日向 ずい

文字の大きさ
上 下
61 / 62
第10章 「お別れのその後...」

別に...嬉しくなんかねぇ〜からな...。

しおりを挟む
 エピーヌから、魔石でニーソンが帰ってきたとの連絡を受け、ラグルは、両界警察の仕事をそうそうに済ませ、家に帰ってきた。
「おい!!ニーソンが帰ってきたって本当か!???(汗)」
こう言って、勢いよく家のドアを開けたラグルにエピーヌとニーソンは、ソファに座りラグルの方を見て、目を丸くしていた。
「あっ、噂をすれば...ラグルじゃない!(笑)おかえりなさい...。(笑)」
と言ってニヤニヤするエピーヌに訝しげな顔をしたラグルだったが、ニーソンの姿を目に留めると
「...ニーソン...。...お前なぁ、帰ってくるのが遅いんだ!!!お前が居なかった期間ずーっと...エピーヌが、毎日カレーしか作らないから飽き飽きしていたんだ!!『...えっ、ちょっと...何よ!!!料理が出来ないラグルよりは、ましよ!!!この間だって...ハンバーグ作ろうとして、チョコレートを砕いてハンバーグの中に包もうとして...ふぐっ!??...ひょっと!??...えをはあしあさいほ(手を離しなさいよ)!????(汗)』...へぇ、エピーヌのくせに言うようになったな~。なぁ、俺が...なんだって???(笑)」
と言ってエピーヌは、ラグルの極秘情報をニーソンに喋ろうとしたので、慌ててラグルは、エピーヌの口を背後から手で覆い、エピーヌに喋らせないように...脅し出した。
 そんなふたりの様子を見ていたニーソンは、声を上げて笑っていた。
 そうして、何とか二人の喧嘩が終わり、みんなでソファに座り、他愛もない話をしている時...ニーソンはラグルの方を向き、おもむろに話し出した。
「...ラグル。さっきの返事...今更って感じもするけど...ただいま。俺が...帰ってきた理由...いきなりだけど、話させてほしいんだ。実は、あの事件のあと、天界の私の主様がね...罪の償いとして...地上で人間と同じように死ぬまで生きて...死というものと、しっかり向き合ってこいって...いうような命令がでてね...。(笑)...それで、帰ってき『お~、まぁ...なんだ...おかえり。(笑)...その...俺とエピーヌだけだと寂しいし...?...だから、やっぱりお前がいないとな...。(照)』」
と言ったラグルの顔は、ほのかに赤く染まっていた。
 そんなラグルにニーソンは、ソファを立ち上がり、ラグルの目の前に行くと、ラグルをぎゅっと抱きしめ
「...こんな俺だけど...これからも、よろしくね...。」
と言って、抱きしめる手に力を込めると...ラグルが叫びだした。
「お前な...俺は、そういう趣味じゃねぇ~って!!...いーかげん、その寂しがり屋なところなんとかしろよ!!(怒)」
と言ってニーソンの腕を必死に解こうと、悪戦苦闘しているラグルたちの様子を見て、エピーヌは、頬を赤く染めていた。
「...きゃー!!なになに!!!この胸のキュンキュンくるのは...!!!一体...この感情は何なのかしら!!!(笑)」
と言ってニヤニヤしているエピーヌを見たラグルは、はっ!!とした顔をしてニーソンを投げ飛ばした。
 見事に床に背中から倒れたニーソンは、頭を打ったため、自らの頭を擦りながら立ち上がると、ラグル見つめ
「...ったー!!ラグル!!痛いじゃないか!!!何も、投げ飛ばすことないだろ!!ちょっとしたジョークなのに...。」
と言って不満そうな顔をするニーソンにラグルは
「はぁ!??あれのどこがジョークなんだよ!!!笑えねぇーよ!!!!エピーヌも、今見たことは...忘れろ!!でないと、お前の好きなキャットショコラのクッキーも買ってきてやらねぇーからな...!!!」
と言って、エピーヌを見つめるラグルにニーソンは
「えー!ラグル??それは、可愛そうだよ...。大丈夫だよ!!エピーヌ!!俺が、買ってあげるから!!だから、今度一緒にお買い物に『...あー!!!わーったよ!!!買ってくればいいんだろ!!!買ってきてやるから、俺だけ仲間はずれにすんなって...!!(照)』...はははっ、単純。(笑)」
 そんな言い合う二人の様子を、静かに見つめていたエピーヌは、心の中で
「ふふふっ!!キャットショコラのクッキーも好きだけど...。私は、このふたりの笑顔が甘酸っぱくて...とても好きよ!!!(笑)そんなこと、恥ずかしすぎて口にできないけど...。(笑)そうだわ!!!今度は、みんなでキャットショコラにお買い物に行こうっと!!」
と考えて、独りクスリと微笑むのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

なりゆきで、君の体を調教中

星野しずく
恋愛
教師を目指す真が、ひょんなことからメイド喫茶で働く現役女子高生の優菜の特異体質を治す羽目に。毎夜行われるマッサージに悶える優菜と、自分の理性と戦う真面目な真の葛藤の日々が続く。やがて二人の心境には、徐々に変化が訪れ…。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

魔界王立幼稚園ひまわり組

まりの
ファンタジー
幼稚園の先生になるという夢を叶えたばかりのココナ。だけどある日突然、魔界にトリップしちゃった!? そのうえ魔王様から頼まれたのは、息子である王子のお世話係。まだ3歳の王子は、とってもワガママでやりたい放題。そこでココナは、魔界で幼稚園をはじめることにした。いろんな子たちと一緒に過ごせば、すくすく優しく育ってくれるはず。そうして集まった子供たちは……狼少女、夢魔、吸血鬼、スケルトン! 魔族のちびっこたちはかわいいけれど、一筋縄ではいかなくて――? 新米先生が大奮闘! ほのぼの魔界ファンタジー!!

錬金素材採取用幼女

楢山コウ
ファンタジー
うさ耳ロリがあんなことやこんなことされて愛液を採取され続ける話です。 助からないです。おうち帰れません。ご注意。全部で3万字~4万字くらいになるかと思います。【男性向け、R18小説です】

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

悪役令嬢日記

瀬織董李
ファンタジー
何番煎じかわからない悪役令嬢モノ。 夜会で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢がとった行動は……。 なろうからの転載。

処理中です...