ダメな私と吸血鬼

第8章 「人間界と魔界の繋がりについて」

奴らの正体

 エピーヌが、ヌーヴの後を追って辿り着いたのは...魔界と人間界の境界だった。
 ヌーヴは、周りをキョロキョロと見渡し息をつくと、呪文と自らに魔法をかけ、境界を越えようとした。その瞬間
「...ヌーヴ様！！待ってください！！私も共にまいります！！」
と言って目の前に現れたのは...
「えっ！？？アネスティー？？？なんで？？？？？」
と言って声を上げてしまい、慌てて自分の口を塞いだ。
 エピーヌの目の前の二人は、キョロキョロと周りを警戒しているようだったが...やがて、話を始めた。
「アネスティー、何故私のことが分かったの？？？このこと、誰かに言うつもり？？？」
と言ってヌーヴは、アネスティーに冷たい目線を投げかけた。
「いいえ、とんでもありません！！むしろ、私はあなた様を尊敬しております！！！反魔間派のあなたに...！！！！」
と言ってアネスティーは、キラキラさせた目をヌーヴに向けている。
ヌーヴは、アネスティーに
「...ええ、そうよ！私は、反魔間派の人間...正確には、人間に化けた...魔界の使いだけどね...。で、あなたは、何が目的なの？？？」
「私の目的は、あの屋敷の崩壊...散々人を殺めたあの方達を皆殺しにすることです...。（笑）」
「...それ、気に入ったわ。分かった...手を組みましょう？？」
と言って会話をしている二人の前にエピーヌは、勢いよく出ていっていた。
 「そんなの...待ってよ！！！ヌーヴ姉様は、優しくて...両親にも大切に...『エピーヌ...あなたは、最後まで私をいらつかせる...。いい加減そのうるさい口を塞いだらどうなの？？と言うよりもさっきからつけてきていること...バレバレよ...。（笑）』。」
と言ってエピーヌは、ヌーヴに突き飛ばされて尻もちをついた。
「...エピーヌ様...なぜこちらに？？？...というよりも、ダメじゃないですか...こんなところに来たら...。」
と言って地面に座り込んでいるエピーヌに近づくとニッコリと笑ってエピーヌの頬に触れた。
「...アネスティー...なんであなた...。だって、いつも笑顔で...『ははっ！！あんなの演技に決まってるじゃないですか...。（笑）誰が...あんなクソッたれの元で、のこのこ言うこと聞いていると？？いい加減...あの人たちのやることに、吐き気がしていたんですよね...。（笑）だから、消したいな～って思ってヌーヴ様の事を、じっと観察させていただいていたってわけです。（笑）』...手を離して...アネスティー。」
と言って必死の抵抗も虚しくアネスティーに、捕えられてしまったエピーヌに、気味の悪い笑みを向けたアネスティーは
「...エピーヌ様...大変申し訳ないのですが...秘密を知ってしまった貴方には、消えてもらいます...。」
そういったアネスティーは、エピーヌの首を絞め始めた。
「いや～、わりーけど...こいつ...俺の大切な家族だからさ...手をどけてもらってもいいかな？？？（笑）」
 声が聞こえたかと思ったら、物陰から、ひとつの影が現れた。