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第3章 「私と二人の男。」
貴様と俺の仕事事情。
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ニーソンは、ラグルから預かったエピーヌを、二階の誰も使っていない空き部屋のベッドに寝かせると、一階のソファに座っているラグルに、コーヒーを入れるためキッチンで作業していた。
コーヒーをセットしたカップにお湯を注ぎながらニーソンは、おもむろに話し出した。
「...で、最近仕事の方はどうなんだ??」
と聞かれたラグルは、うーんと唸り声を上げ
「...うーん、そうだな...とりあえず、罪人処分は、ぼちぼちといったところだな...。だが、魔界に人間が紛れこんでくるおかしな事件については、全くと言っていいほど進展がない...。困ったものだ......。(汗)」
と言ってニーソンが出したコーヒーを飲みながら困った顔をしていた。
ニーソンは、自分の分のコーヒーを手にラグルの正面にあるソファに腰を掛けて
「...ははっ。そうか...、それは大変だな...。」
と言い、コーヒーをひとくち口にした。
そんなニーソンにラグルは
「...それで、お前は、どうなんだ??魔石の仕事...。なんでお前は、こんなに狭くてしんどい人間界にずっと居るんだよ...??」
と言って聞き返した。
ニーソンは、困った顔をしていたが、やがて話し出した。
「...え、それは...うーん、なんでだろうねぇ~??強いて言うなら...好奇心かな??ほら、人間ってさ!たったの70年から80年という寿命の中で、何するのかな~って思ったら...生まれて5年間は、遊んで...その後15年ぐらい勉強をして、それから40年ぐらいは、ずーーーーっと仕事してやっと終わったと思ったら、残りの20年間で自分の身が終わるのを、ただ待っている......だけ...。そんな規則的でつまらなそうって魔界にいた時は、思っていたんだけど、実際に人間界で人間の生活風景とかよく観察してみると、短い一日の間に、沢山の人と他愛もない話をして盛り上がっている人たちの...沢山の笑顔を見つけたんだ。魔界には、あんなキラキラした笑顔している奴らなんて...いないと思って...そう考えた瞬間、もっと人間について知りたい!と思うようになり...気が付いたら、人間界に居座っていたって感じかな...???(笑)」
と言って、ラグルに笑いかけた。
そんなニーソンにラグルは
「ふーん、そうか...。お前も、相当変わり者だな...。(笑)」
と言ってコーヒーに口をつけた。
ニーソンは、ラグルの様子にたまらず笑うと
「ははっ!!君には、負けるけれどね...。さぁ、俺は明日も仕事だから...先に休ませてもらうよ...おやすみ。」
そう言って空になった自分のマグカップを台所に持っていくと、自室のある二階に上がっていった。
独りになったラグルは、大きくため息をつくと
「はぁー、ニーソン。貴様も、俺と同じく何かを隠していることは分かっているが...今はまだ、聞くときではないよな...。」
と言ってソファに倒れ込むとすぐに寝息をたてだした。
コーヒーをセットしたカップにお湯を注ぎながらニーソンは、おもむろに話し出した。
「...で、最近仕事の方はどうなんだ??」
と聞かれたラグルは、うーんと唸り声を上げ
「...うーん、そうだな...とりあえず、罪人処分は、ぼちぼちといったところだな...。だが、魔界に人間が紛れこんでくるおかしな事件については、全くと言っていいほど進展がない...。困ったものだ......。(汗)」
と言ってニーソンが出したコーヒーを飲みながら困った顔をしていた。
ニーソンは、自分の分のコーヒーを手にラグルの正面にあるソファに腰を掛けて
「...ははっ。そうか...、それは大変だな...。」
と言い、コーヒーをひとくち口にした。
そんなニーソンにラグルは
「...それで、お前は、どうなんだ??魔石の仕事...。なんでお前は、こんなに狭くてしんどい人間界にずっと居るんだよ...??」
と言って聞き返した。
ニーソンは、困った顔をしていたが、やがて話し出した。
「...え、それは...うーん、なんでだろうねぇ~??強いて言うなら...好奇心かな??ほら、人間ってさ!たったの70年から80年という寿命の中で、何するのかな~って思ったら...生まれて5年間は、遊んで...その後15年ぐらい勉強をして、それから40年ぐらいは、ずーーーーっと仕事してやっと終わったと思ったら、残りの20年間で自分の身が終わるのを、ただ待っている......だけ...。そんな規則的でつまらなそうって魔界にいた時は、思っていたんだけど、実際に人間界で人間の生活風景とかよく観察してみると、短い一日の間に、沢山の人と他愛もない話をして盛り上がっている人たちの...沢山の笑顔を見つけたんだ。魔界には、あんなキラキラした笑顔している奴らなんて...いないと思って...そう考えた瞬間、もっと人間について知りたい!と思うようになり...気が付いたら、人間界に居座っていたって感じかな...???(笑)」
と言って、ラグルに笑いかけた。
そんなニーソンにラグルは
「ふーん、そうか...。お前も、相当変わり者だな...。(笑)」
と言ってコーヒーに口をつけた。
ニーソンは、ラグルの様子にたまらず笑うと
「ははっ!!君には、負けるけれどね...。さぁ、俺は明日も仕事だから...先に休ませてもらうよ...おやすみ。」
そう言って空になった自分のマグカップを台所に持っていくと、自室のある二階に上がっていった。
独りになったラグルは、大きくため息をつくと
「はぁー、ニーソン。貴様も、俺と同じく何かを隠していることは分かっているが...今はまだ、聞くときではないよな...。」
と言ってソファに倒れ込むとすぐに寝息をたてだした。
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