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第1章 「出来損ないの私。」
私の執事。
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外が真っ暗になり、小さな月明かりが窓から差し込む薄暗い部屋の中で目を覚ましたエピーヌは...
「...ん??...うっ...あっ...背中が...焼けるように...あつい...はぁ......はぁ...。」
お昼に実の父親であるジャルースに、何度も切り付けられた背中にひどい激痛を感じ、顔を歪めた。
エピーヌは、やっとの思いで立ち上がるとゆっくりと姿見の前まで行き、自分の背中を見た途端、言葉を失った...。
「...っ!?......あっ...うそっ...これじゃあ...もう...ドレスも...着ることが出来ない...。(泣)」
そう...エピーヌの背中には...大きな...✕(バツ)のマークが深く深く刻まれていたのだ...。
エピーヌは、目に涙を溜めて、その場に力なく座り込むと、静かに泣き出した...。いつも...エピーヌは、自分が受けている虐待の数々を、人に知られたくなかったのだ...だが、その望みは、呆気なく打ち砕かれた...。
コンコンッ。
とノックの音が響きエピーヌは、肩を震わせた。
「...(ビクッ...!!)はっ...はい...少々お待ちいただけますか...?(汗)」
そう言ってエピーヌは、その場から立ち上がると急いで何か羽織れるものはないかと部屋を見渡した...が、その瞬間に部屋のドアが開いた。
エピーヌは、咄嗟に近くあったバスタオルを体に羽織ると
「はっ!!だっ...だめ!!!...まだ、入っては!!(汗)」
と言った声も虚しく、若い男が一人入ってきた。
「失礼致します。...エピーヌ様...どうかなされましたか...??」
と言って部屋に入ってきた男...ショコラは、エピーヌが大きな声を上げたため、訝しげな顔をしていた。
そんなショコラにエピーヌは
「...いっ...いえ...、別に大したことでは...。」
と言ってショコラから目線を外した。
そんなエピーヌにショコラは
「そうですか...ん??...何故電気も付けずに、バスタオルを羽織られているのですか??」
と言って月明かりに照らされたエピーヌを見て、不思議そうな顔をしていた。
そんなショコラにエピーヌは、少し焦った様子で
「...えっと...さっきまでお風呂に入っていたの...、だから...その...それよりも、ショコラは、何か用なの??」
と言って咄嗟にショコラに質問し返した。
そんなエピーヌの様子にますます怪しさを感じたショコラは
「...ちょっと...よろしいですか...??とにかく電気...付けますね...!!」
と言うとドアの横にある部屋の電気のスイッチを押した。電気がついて部屋が明るくなった瞬間...ショコラは
「...エピーヌ様...??...あっ!...血...が...。(汗)」
と言い、険しい表情をエピーヌに向けた...視線を、向けられたエピーヌは
「えっ...??あっ!!...こっ...これは、その...ちょっと擦りむいたところを拭いた時に、きっとついたのよ...!!(汗)」
エピーヌの苦し紛れの言い訳も虚しく...ショコラは
「...え...それにしては...タオルが赤すぎる...エピーヌ様...。...誰にも言わないので...そのバスタオルをとって頂けないでしょうか...??」
と言った。
そんなショコラにエピーヌは、首を横にブンブンと振ると
「...いや、それは...出来ないわ...。ショコラも...一つや二つ...知られたくないことぐらい......!??」
エピーヌは、ショコラを何とかして部屋から追い出そうと必死で会話をしていたが...いつの間にか、エピーヌの目と鼻の先に立っていたショコラに、エピーヌが羽織っていたバスタオルが取られてしまった...。その瞬間、エピーヌの恐れていたことが起こった...もう逃げられない...。
バスタオルをとった瞬間...顔から血の気が引いたショコラは、目の前にいるエピーヌに
「...はっ!!...こっ...これは...ひどい...。...エピーヌ様...これは...この傷は...ご自分でやられたものではないですよね......。(汗)一体...誰が...何があったのですか...??...あっ!!そんな事よりも、まずは、手当てを先にしなければ...。(汗)」
こう言って、エピーヌの真っ赤に染まった背中に触れようとした瞬間...エピーヌが、とても悲しい声で
「...もう...疲れたよ...ショコラ...。部屋を出て...今夜...この傷を見たことは、黙っていて...。出ないと...貴方にまで、被害が...。(泣)」
そう言ったエピーヌの目には、涙が溜まっていた...。
そんなエピーヌにショコラは
「...何を言っているんですか...!!(汗)そんなこと、出来る訳がないじゃないですか!!...エピーヌ様...ちゃんとお話は、後で聞くので...今は、私に一刻も早く...傷の手当てをさせてください...。」
と言ってエピーヌの肩を掴んだ。
そんなショコラにエピーヌは、泣きそうな顔をして
「...だめだよ...。ショコラは、大切な人なんだから...だからこそ...ショコラには、こんな目にあって欲しくない...。私と話して...消された人のこと...。ショコラも知っているでしょ...??...私と、関わっただけで、殺されるのに...傷の手当てをしている所がバレたら...。ショコラ...あなたは...。」
と言って、ショコラをじっと見つめていたが耐えきれなくなり、エピーヌは、目線を下にずらした...。
そんなエピーヌにショコラも泣きそうな声で
「...エピーヌ様が思われていることと同様に、私もエピーヌ様のことを...大切な主だと思っております...。私も、エピーヌ様の傷つく姿を黙って見ていることなど出来ません...!...これは...私が、個人として行う行動であって、命令ではありません...。...なので、エピーヌ様が責任を感じる必要は、一切ないのですよ...!(泣)」
と言うショコラは、エピーヌの顔をみて、ニッコリと微笑んだ...。だが、どこか切なげで...でも、口調は...とても優しかった。
そんなショコラにエピーヌも笑いかけると
「...ショコラ...。ショコラは、他の人間とは...違うね...!(笑)...ありがとう...でも、大丈夫だよ...。ショコラ...私は、独りで今まで生きてきたのだから、本当に大丈夫!!...だから、私をおいて部屋の外に出て...早く...。」
そう言ったエピーヌは、どこか焦った様子だった。
そんなエピーヌにショコラは
「...エピーヌ様は、私の話を聞いていらっしゃいましたか??(汗)」
と言って質問するとエピーヌは薄く笑い
「...うん...聞いていたよ...。...つまり、命令なら、きくってことだよね...??...これは命令よ!!」
と言ったエピーヌにショコラは、慌てて
「...やめてください!!(汗)...エピーヌ様...次の言葉を、発してはなりません...!!(汗)」
と言ってエピーヌを止めようとしたが、エピーヌは、そのまま言葉を紡ぎ続けた。
「...ショコラ...部屋を今すぐに出なさい...!!...私をおいて...何も見なかったことにして...!!(汗)」
と言うエピーヌの額からは、背中に受けた傷のせいか...大量の汗が流れ出していた...。
そんなエピーヌの様子にショコラは
「...や...です......イヤです!!(汗)」
と言って必死にエピーヌに訴えかけた。
だが、エピーヌは、じっとショコラを見つめると
「...聞こえなかったの??...これは...命令...決して逆らってはいけない...。それぐらい...あなたも分かるでしょ...??(汗)」
と言うエピーヌは、困った顔をしていた。
そんなエピーヌにショコラは、じっと真剣な表情を向け
「...エピーヌ様...お願いです...。(汗)命令を...撤回して下さい...!お願いします...!!(汗)」
と言った瞬間...エピーヌが苦しそうに顔を歪める姿が、ショコラの目に入ってきた...。
エピーヌは、なかなか部屋から去ってくれないショコラに、最後の力を振り絞り
「...はぁ...命令よ!!...早く...でっ...て...い...うっ.........バタンッ。」
言葉を必死に紡いでいたが、既に体力は、限界を超していた...。エピーヌは、最後まで言いきる前に、力なく床に倒れ込んでしまった...。
倒れたエピーヌにショコラは、途端に焦った表情を更に強くし...
「...!?...エピーヌ...様...??...エピーヌ様!!!(汗)」
呼びかけても反応の返ってこないエピーヌに、慌てて駆け寄ったショコラは、必死でエピーヌの名前を呼び続けた。
そんなショコラに対して、今にも意識が飛びそうになっているエピーヌは
「...はぁ...はぁ...命......令......よ...。」
と言ってまだ自分の事よりショコラの心配をしていた。
「エピーヌ様...喋ってはなりません...。これからも...私は、エピーヌ様の執事として大人になっていくエピーヌ様をずっと見ていられると思っていましたが...それももうすぐで、叶わなくなるのですね...。(泣)エピーヌ様...あとすこしだけですが...こんなダメな執事と共に過ごしていただくことを...お許しください...。エピーヌ様......××××...。」
ショコラの、最後の言葉を聞き終わる前に、意識を失ったエピーヌ...心の中で、きっとショコラは、近いうちに私の元を去っていく...。やっと分かってくれた...。私といる事で...ショコラの人生が台無しになっていることを...。今までありがとう...。そして、さよなら、ショコラ...。と言って光のない真っ暗な闇の中へと落ちていった...。
部屋に残っていたショコラは、何かを決心するとエピーヌの傍から立ち上がり、足早にどこかに向かうため、エピーヌの部屋を後にした...。
「...ん??...うっ...あっ...背中が...焼けるように...あつい...はぁ......はぁ...。」
お昼に実の父親であるジャルースに、何度も切り付けられた背中にひどい激痛を感じ、顔を歪めた。
エピーヌは、やっとの思いで立ち上がるとゆっくりと姿見の前まで行き、自分の背中を見た途端、言葉を失った...。
「...っ!?......あっ...うそっ...これじゃあ...もう...ドレスも...着ることが出来ない...。(泣)」
そう...エピーヌの背中には...大きな...✕(バツ)のマークが深く深く刻まれていたのだ...。
エピーヌは、目に涙を溜めて、その場に力なく座り込むと、静かに泣き出した...。いつも...エピーヌは、自分が受けている虐待の数々を、人に知られたくなかったのだ...だが、その望みは、呆気なく打ち砕かれた...。
コンコンッ。
とノックの音が響きエピーヌは、肩を震わせた。
「...(ビクッ...!!)はっ...はい...少々お待ちいただけますか...?(汗)」
そう言ってエピーヌは、その場から立ち上がると急いで何か羽織れるものはないかと部屋を見渡した...が、その瞬間に部屋のドアが開いた。
エピーヌは、咄嗟に近くあったバスタオルを体に羽織ると
「はっ!!だっ...だめ!!!...まだ、入っては!!(汗)」
と言った声も虚しく、若い男が一人入ってきた。
「失礼致します。...エピーヌ様...どうかなされましたか...??」
と言って部屋に入ってきた男...ショコラは、エピーヌが大きな声を上げたため、訝しげな顔をしていた。
そんなショコラにエピーヌは
「...いっ...いえ...、別に大したことでは...。」
と言ってショコラから目線を外した。
そんなエピーヌにショコラは
「そうですか...ん??...何故電気も付けずに、バスタオルを羽織られているのですか??」
と言って月明かりに照らされたエピーヌを見て、不思議そうな顔をしていた。
そんなショコラにエピーヌは、少し焦った様子で
「...えっと...さっきまでお風呂に入っていたの...、だから...その...それよりも、ショコラは、何か用なの??」
と言って咄嗟にショコラに質問し返した。
そんなエピーヌの様子にますます怪しさを感じたショコラは
「...ちょっと...よろしいですか...??とにかく電気...付けますね...!!」
と言うとドアの横にある部屋の電気のスイッチを押した。電気がついて部屋が明るくなった瞬間...ショコラは
「...エピーヌ様...??...あっ!...血...が...。(汗)」
と言い、険しい表情をエピーヌに向けた...視線を、向けられたエピーヌは
「えっ...??あっ!!...こっ...これは、その...ちょっと擦りむいたところを拭いた時に、きっとついたのよ...!!(汗)」
エピーヌの苦し紛れの言い訳も虚しく...ショコラは
「...え...それにしては...タオルが赤すぎる...エピーヌ様...。...誰にも言わないので...そのバスタオルをとって頂けないでしょうか...??」
と言った。
そんなショコラにエピーヌは、首を横にブンブンと振ると
「...いや、それは...出来ないわ...。ショコラも...一つや二つ...知られたくないことぐらい......!??」
エピーヌは、ショコラを何とかして部屋から追い出そうと必死で会話をしていたが...いつの間にか、エピーヌの目と鼻の先に立っていたショコラに、エピーヌが羽織っていたバスタオルが取られてしまった...。その瞬間、エピーヌの恐れていたことが起こった...もう逃げられない...。
バスタオルをとった瞬間...顔から血の気が引いたショコラは、目の前にいるエピーヌに
「...はっ!!...こっ...これは...ひどい...。...エピーヌ様...これは...この傷は...ご自分でやられたものではないですよね......。(汗)一体...誰が...何があったのですか...??...あっ!!そんな事よりも、まずは、手当てを先にしなければ...。(汗)」
こう言って、エピーヌの真っ赤に染まった背中に触れようとした瞬間...エピーヌが、とても悲しい声で
「...もう...疲れたよ...ショコラ...。部屋を出て...今夜...この傷を見たことは、黙っていて...。出ないと...貴方にまで、被害が...。(泣)」
そう言ったエピーヌの目には、涙が溜まっていた...。
そんなエピーヌにショコラは
「...何を言っているんですか...!!(汗)そんなこと、出来る訳がないじゃないですか!!...エピーヌ様...ちゃんとお話は、後で聞くので...今は、私に一刻も早く...傷の手当てをさせてください...。」
と言ってエピーヌの肩を掴んだ。
そんなショコラにエピーヌは、泣きそうな顔をして
「...だめだよ...。ショコラは、大切な人なんだから...だからこそ...ショコラには、こんな目にあって欲しくない...。私と話して...消された人のこと...。ショコラも知っているでしょ...??...私と、関わっただけで、殺されるのに...傷の手当てをしている所がバレたら...。ショコラ...あなたは...。」
と言って、ショコラをじっと見つめていたが耐えきれなくなり、エピーヌは、目線を下にずらした...。
そんなエピーヌにショコラも泣きそうな声で
「...エピーヌ様が思われていることと同様に、私もエピーヌ様のことを...大切な主だと思っております...。私も、エピーヌ様の傷つく姿を黙って見ていることなど出来ません...!...これは...私が、個人として行う行動であって、命令ではありません...。...なので、エピーヌ様が責任を感じる必要は、一切ないのですよ...!(泣)」
と言うショコラは、エピーヌの顔をみて、ニッコリと微笑んだ...。だが、どこか切なげで...でも、口調は...とても優しかった。
そんなショコラにエピーヌも笑いかけると
「...ショコラ...。ショコラは、他の人間とは...違うね...!(笑)...ありがとう...でも、大丈夫だよ...。ショコラ...私は、独りで今まで生きてきたのだから、本当に大丈夫!!...だから、私をおいて部屋の外に出て...早く...。」
そう言ったエピーヌは、どこか焦った様子だった。
そんなエピーヌにショコラは
「...エピーヌ様は、私の話を聞いていらっしゃいましたか??(汗)」
と言って質問するとエピーヌは薄く笑い
「...うん...聞いていたよ...。...つまり、命令なら、きくってことだよね...??...これは命令よ!!」
と言ったエピーヌにショコラは、慌てて
「...やめてください!!(汗)...エピーヌ様...次の言葉を、発してはなりません...!!(汗)」
と言ってエピーヌを止めようとしたが、エピーヌは、そのまま言葉を紡ぎ続けた。
「...ショコラ...部屋を今すぐに出なさい...!!...私をおいて...何も見なかったことにして...!!(汗)」
と言うエピーヌの額からは、背中に受けた傷のせいか...大量の汗が流れ出していた...。
そんなエピーヌの様子にショコラは
「...や...です......イヤです!!(汗)」
と言って必死にエピーヌに訴えかけた。
だが、エピーヌは、じっとショコラを見つめると
「...聞こえなかったの??...これは...命令...決して逆らってはいけない...。それぐらい...あなたも分かるでしょ...??(汗)」
と言うエピーヌは、困った顔をしていた。
そんなエピーヌにショコラは、じっと真剣な表情を向け
「...エピーヌ様...お願いです...。(汗)命令を...撤回して下さい...!お願いします...!!(汗)」
と言った瞬間...エピーヌが苦しそうに顔を歪める姿が、ショコラの目に入ってきた...。
エピーヌは、なかなか部屋から去ってくれないショコラに、最後の力を振り絞り
「...はぁ...命令よ!!...早く...でっ...て...い...うっ.........バタンッ。」
言葉を必死に紡いでいたが、既に体力は、限界を超していた...。エピーヌは、最後まで言いきる前に、力なく床に倒れ込んでしまった...。
倒れたエピーヌにショコラは、途端に焦った表情を更に強くし...
「...!?...エピーヌ...様...??...エピーヌ様!!!(汗)」
呼びかけても反応の返ってこないエピーヌに、慌てて駆け寄ったショコラは、必死でエピーヌの名前を呼び続けた。
そんなショコラに対して、今にも意識が飛びそうになっているエピーヌは
「...はぁ...はぁ...命......令......よ...。」
と言ってまだ自分の事よりショコラの心配をしていた。
「エピーヌ様...喋ってはなりません...。これからも...私は、エピーヌ様の執事として大人になっていくエピーヌ様をずっと見ていられると思っていましたが...それももうすぐで、叶わなくなるのですね...。(泣)エピーヌ様...あとすこしだけですが...こんなダメな執事と共に過ごしていただくことを...お許しください...。エピーヌ様......××××...。」
ショコラの、最後の言葉を聞き終わる前に、意識を失ったエピーヌ...心の中で、きっとショコラは、近いうちに私の元を去っていく...。やっと分かってくれた...。私といる事で...ショコラの人生が台無しになっていることを...。今までありがとう...。そして、さよなら、ショコラ...。と言って光のない真っ暗な闇の中へと落ちていった...。
部屋に残っていたショコラは、何かを決心するとエピーヌの傍から立ち上がり、足早にどこかに向かうため、エピーヌの部屋を後にした...。
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