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第4章 「一度歪めば、なかなか元には戻らない。」
「俺とアンタの最悪だけど、最善の再会。」
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「あのさぁ....いい加減、放してくれない???いつまでも、アンタのぬくもりに触れていると、俺の気持ちが落ち着かないんだよ...。」
こう言ったぶん太に、はっとした恋は、ぶん太から身を離すと、
「あっ...あぁ、悪かった。その....ぶん太を抱きしめてみて初めて分かったけど、ぶん太が思った以上に華奢で、あの.....なんとなく、そのまま抱きしめていたくなったというのか....なんと言うのか...。そのぉ~、まぁ、気にするな。」
と言って、赤く染まった頬を隠すように、ぶん太からわざとらしく視線を外した。
そんな恋の様子に、ぶん太も更に変に意識をしてしまい、上手く恋の顔を見ることが出来なくなった。
くそ、恋さんめ。
俺の気も知らないで....いや、待てよ...間違いでなければ、俺一回告ってるよな???
えっ...だとしたら恋さん、酷くない???
クリアさせる気がないゲームぐらい酷くない???
なんて内心考えながら、ぶん太は恋の方を呆然と見つめた。
暫くの間、両者何を話したらいいのか分からず、沈黙が続いたが、ぶん太が寒さからくしゃみを一つしたことにより、恋がぶん太に、こうツッコミを入れた。
「くしゃみって、お前....よく見れば、薄着じゃないか!!!(汗)そんなんじゃ、風邪をひくぞ???とにかく、俺もまだ話したいことあるし...。ぶん太、お前の家に行こう??」
恋は、声を荒らげながらこう言うと、自身の横で身震いをしているぶん太のことを、ふわっと横抱きにした。
そしてそのまま、ぶん太の嫌がる声を無視して、つかつかと歩き出したのだった。
「おい、いい加減放せよ!!!俺は、アンタの助けがなくても歩ける。歩けるんだよ...!!!(照)だから、放せ!!!」
顔を真っ赤にしながら、こう言ったぶん太に、恋は困った表情をぶん太に向けると
「お前...俺が、仮にお前を放したら、お前は走って逃げるだろう???俺は、今どうしてもお前と話をしたい。だから、今のお前の意見は聞けない。」
と淡々と告げると、そのままぶん太に家の場所を尋ねた。
そんな恋の様子にぶん太は、もう何も言えなくなり、そのまま恋に横抱きにされ、自身の家に向かうこととなった。
「ここで、お前の家はあってるか???」
ひとつのアパートに着くなり、横抱きにしているぶん太に、恋はこう問いかけた。
「.....あぁ、ありがと......ございました。その....恋さん。道中色々話したし、今日は......。それじゃ、おやすみな.....っ!!!」
恋に地面に下ろしてもらい、ぶん太は道中からずっと赤く染っている顔を隠すため、足早にアパートの中に入ろうとした。
だが...そんなぶん太の腕を、恋はパシッと掴むと、ぶん太を自身の方に引き寄せた。
そして、引っ張られた驚きで顔を上げたぶん太の唇を、強引に塞いだのだ。
短くキスをした後、唇を離した恋は、口をぽっかりと開けて、こちらを見ているぶん太に
「.....ごめん。なんか分からないけど、したくなった。....それと、俺はまだお前と話したいことについて、何ひとつ解決していないんだが....一度、家に上げてくれないか???」
と言い、軽く首を傾げながら、ぶん太を見つめた。
「そんな.....冗談だろ???(汗)だって、お前はノーマルのノンケだろ???愛菜ちゃんのことも好きなんだろ???なのになんで、俺にキスなんて....。」
先程の恋の行動に驚いた表情を浮かべていたぶん太に恋は、自身の唇をぺろっと舐めるとイタズラ顔で
「だから...キス、したくなったんだよ!!!....とにかく、このままじゃあれだろ????ほら、部屋...。」
と言って、全く納得していないぶん太の肩を押して、半ば強引にぶん太の部屋へ押し入った。
「お邪魔しま~す。...って、案外綺麗にしてるんだな。」
部屋に入るなり、恋の第一声はこれだった。
そんな恋の言葉に、ぶん太は、目を丸くして
「はぁ!???俺の家をなんだと思っているんだよ???言っておくけど、俺めちゃくちゃ綺麗好きだし...むしろ、ゴミ屋敷なんか、死んでも住みたくないし...!!!」
と言い、恋に反論した。
ぶん太の様子に、恋は口が裂けたことを理解し
「いや....何でも無い。」
と言うと、恋はぶん太の不機嫌そうな表情に困った顔を浮かべ、ベッドの側面を背もたれにする形で、その場にゆっくりと腰を下ろした。
ぶん太は、ため息をひとつついた後、軽く服を着替えると、冷蔵庫からお茶を取り出し、恋と自分の分のコップを持って、恋のいる部屋に向かった。
「ほらっ、お茶しかないけど。」
と言って、恋にお茶の入ったコップを差し出すと、ぶん太も恋の横に腰を下ろした。
そんなぶん太にお礼を言いながら、恋は
「なぁ、ぶん太。俺の話を聞いてくれないか???この間、散々酷いこと言ったのに、無責任なこと言うなって思うかも知れないけど、俺はお前にどうしても今、話しておきたいことがあるんだ。だから....頼む。...俺の話を聞いて欲しい。」
と言って、隣に座るぶん太の手をぎゅっと握りしめた。
ぶん太は恋の突然の行動に
「へっ!???」
というマヌケな声を漏らし、そのことが恥ずかしかったのかぶん太は、
「この....本当になんなんだよ!!!!俺のこと抱きしめたり、手を握ったり....一体何を企んでるんだよ!!!!くそっ...いちいち恥ずかしいんだよ!!!!」
と言って、恋の手をふりほどこうとしたが、恋はぎゅうっとぶん太の手を握っていたため、びくともしなかった。
そうして嫌がるぶん太をよそに、恋は、意を決して話を始めたのだった。
こう言ったぶん太に、はっとした恋は、ぶん太から身を離すと、
「あっ...あぁ、悪かった。その....ぶん太を抱きしめてみて初めて分かったけど、ぶん太が思った以上に華奢で、あの.....なんとなく、そのまま抱きしめていたくなったというのか....なんと言うのか...。そのぉ~、まぁ、気にするな。」
と言って、赤く染まった頬を隠すように、ぶん太からわざとらしく視線を外した。
そんな恋の様子に、ぶん太も更に変に意識をしてしまい、上手く恋の顔を見ることが出来なくなった。
くそ、恋さんめ。
俺の気も知らないで....いや、待てよ...間違いでなければ、俺一回告ってるよな???
えっ...だとしたら恋さん、酷くない???
クリアさせる気がないゲームぐらい酷くない???
なんて内心考えながら、ぶん太は恋の方を呆然と見つめた。
暫くの間、両者何を話したらいいのか分からず、沈黙が続いたが、ぶん太が寒さからくしゃみを一つしたことにより、恋がぶん太に、こうツッコミを入れた。
「くしゃみって、お前....よく見れば、薄着じゃないか!!!(汗)そんなんじゃ、風邪をひくぞ???とにかく、俺もまだ話したいことあるし...。ぶん太、お前の家に行こう??」
恋は、声を荒らげながらこう言うと、自身の横で身震いをしているぶん太のことを、ふわっと横抱きにした。
そしてそのまま、ぶん太の嫌がる声を無視して、つかつかと歩き出したのだった。
「おい、いい加減放せよ!!!俺は、アンタの助けがなくても歩ける。歩けるんだよ...!!!(照)だから、放せ!!!」
顔を真っ赤にしながら、こう言ったぶん太に、恋は困った表情をぶん太に向けると
「お前...俺が、仮にお前を放したら、お前は走って逃げるだろう???俺は、今どうしてもお前と話をしたい。だから、今のお前の意見は聞けない。」
と淡々と告げると、そのままぶん太に家の場所を尋ねた。
そんな恋の様子にぶん太は、もう何も言えなくなり、そのまま恋に横抱きにされ、自身の家に向かうこととなった。
「ここで、お前の家はあってるか???」
ひとつのアパートに着くなり、横抱きにしているぶん太に、恋はこう問いかけた。
「.....あぁ、ありがと......ございました。その....恋さん。道中色々話したし、今日は......。それじゃ、おやすみな.....っ!!!」
恋に地面に下ろしてもらい、ぶん太は道中からずっと赤く染っている顔を隠すため、足早にアパートの中に入ろうとした。
だが...そんなぶん太の腕を、恋はパシッと掴むと、ぶん太を自身の方に引き寄せた。
そして、引っ張られた驚きで顔を上げたぶん太の唇を、強引に塞いだのだ。
短くキスをした後、唇を離した恋は、口をぽっかりと開けて、こちらを見ているぶん太に
「.....ごめん。なんか分からないけど、したくなった。....それと、俺はまだお前と話したいことについて、何ひとつ解決していないんだが....一度、家に上げてくれないか???」
と言い、軽く首を傾げながら、ぶん太を見つめた。
「そんな.....冗談だろ???(汗)だって、お前はノーマルのノンケだろ???愛菜ちゃんのことも好きなんだろ???なのになんで、俺にキスなんて....。」
先程の恋の行動に驚いた表情を浮かべていたぶん太に恋は、自身の唇をぺろっと舐めるとイタズラ顔で
「だから...キス、したくなったんだよ!!!....とにかく、このままじゃあれだろ????ほら、部屋...。」
と言って、全く納得していないぶん太の肩を押して、半ば強引にぶん太の部屋へ押し入った。
「お邪魔しま~す。...って、案外綺麗にしてるんだな。」
部屋に入るなり、恋の第一声はこれだった。
そんな恋の言葉に、ぶん太は、目を丸くして
「はぁ!???俺の家をなんだと思っているんだよ???言っておくけど、俺めちゃくちゃ綺麗好きだし...むしろ、ゴミ屋敷なんか、死んでも住みたくないし...!!!」
と言い、恋に反論した。
ぶん太の様子に、恋は口が裂けたことを理解し
「いや....何でも無い。」
と言うと、恋はぶん太の不機嫌そうな表情に困った顔を浮かべ、ベッドの側面を背もたれにする形で、その場にゆっくりと腰を下ろした。
ぶん太は、ため息をひとつついた後、軽く服を着替えると、冷蔵庫からお茶を取り出し、恋と自分の分のコップを持って、恋のいる部屋に向かった。
「ほらっ、お茶しかないけど。」
と言って、恋にお茶の入ったコップを差し出すと、ぶん太も恋の横に腰を下ろした。
そんなぶん太にお礼を言いながら、恋は
「なぁ、ぶん太。俺の話を聞いてくれないか???この間、散々酷いこと言ったのに、無責任なこと言うなって思うかも知れないけど、俺はお前にどうしても今、話しておきたいことがあるんだ。だから....頼む。...俺の話を聞いて欲しい。」
と言って、隣に座るぶん太の手をぎゅっと握りしめた。
ぶん太は恋の突然の行動に
「へっ!???」
というマヌケな声を漏らし、そのことが恥ずかしかったのかぶん太は、
「この....本当になんなんだよ!!!!俺のこと抱きしめたり、手を握ったり....一体何を企んでるんだよ!!!!くそっ...いちいち恥ずかしいんだよ!!!!」
と言って、恋の手をふりほどこうとしたが、恋はぎゅうっとぶん太の手を握っていたため、びくともしなかった。
そうして嫌がるぶん太をよそに、恋は、意を決して話を始めたのだった。
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