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第3章 「狂ったネジは元には戻らない...。」
「目覚めた彼と、俺の決意...。」
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「うっ、ううっ...あれ??ここは......病院???なんで......って、痛っ!!」
「あっ、目が覚めたんだな??えっと...良かった。......あっ、その......ゴメンな...酷いことして......悪かったよ......やり過ぎだった。」
風三谷が、深い眠りから目を覚ましたことに気がついた俺は、咄嗟に風三谷の様子を伺いつつ、遠慮がちに謝罪の意を示した。
そんな俺に対して、始めはまだ意識が朦朧としていたのか、ぼぅっとした表情を浮かべていた風三谷だったが、暫くして全ての状況を理解した瞬間、サーっと顔から血の気がなくなり、険しい表情を俺に向け
「っ...うわっ!!!くっ、来るな!!!あっち行けよ!!!......たっ頼むから...この部屋から出て行ってくれ!!.........早く!!」
と声を荒らげた。
俺は風三谷の酷く怯えた態度に、病室を去ろうかと考えたが、風三谷の取り乱し方が尋常ではなかった為、俺は自身の座っているパイプ椅子から腰をあげることを躊躇っていた。
そんな俺に対して風三谷は、さらに取り乱した様子で
「っ......なんで出ていかないんだよ!!!...出ていけって言ってるだろ!??...クソっ。...って、なんで近づいてくるんだよ!!向こう行けよ!!...嫌だ!!...近づいてくるな!!嫌だ、父さん!!!僕に酷いことしないで...。僕を犯さないで...もう、あんな痛い思いをするのは嫌だよ...!!!」
と言って、今度は体を小刻みに震わせ始めた。
「...俺...風三谷に全く近づいてないけど......いや、その......。(汗)(風三谷は、一体何を見ているんだ???風三谷の......お父さん......が目の前に居るのか???)」
風三谷の言葉に、俺は風三谷の言葉を否定しながら、よくよく風三谷の発言を思い出して、唖然とし固まってしまった。
もう少し風三谷に聞きたいこと...言いたいことはあったが、これ以上ここにいたら、風三谷の気が完全に狂ってしまうのではないのかと思い、俺は急いで病室から立ち去ることにした。
俺が病室を出たあと、風三谷の部屋からは、終始助けを呼ぶ悲痛な叫びが響いていた。
俺は、ドクドクと嫌な音を立てる心臓を何とか落ち着かせるため、外の空気を吸いに、病室と同じ階にあるテラスへと出ていた。
俺は、テラスにある椅子に腰を下ろすと、頭の中で先程の風三谷の言葉を思い返していた。
さっきの風三谷の言葉......本当なのか...。
親父に......レイプされていたっていう......。
いや...もしこれが本当だとしたら、俺はアイツの傷を抉る行為を、まさに最低の形でやってのけたって事になるんじゃないのか...。
はははっ、まさか...風三谷にそんな過去があったなんて......知らなかった。
知っていたら、きっとここまで酷いことは出来なかったはずだ。
本当に正直言って...最低だ。
俺は、人間としてクズ以下のゴミだ。
クソっ......不安定な風三谷を独り病室に残してきてしまったが...大丈夫だろうか...。
俺を見た瞬間、途端に顔色を変え、恐ろしい怪物を見るかのような目で、俺に視線を向けていた...。(汗)
きっと彼は、あの状況に怯えていたんだろう。
いつも強気な風三谷が、あんな顔をするなんて......それ程までに父親に受けてきていた行為は、実に悲惨なものだったのだろうな。
はぁ...俺はどうしたらいいんだ???
酷いことをした奴が言うことではないが、風三谷の事を救ってやりたい。
さっきまでは、恋への復讐ばかり考えていて、風三谷が死んでもいいとさえ思っていたのに...。
なんという心境の変化だ。
人間とは、つくづく恐ろしい生き物だな...なんて、俺が言えた立場ではないけど。
とりあえず、俺はこれから風三谷の事をどうにかして救ってやらなければならない。
俺が侵した罪を償うためにも...風三谷の心の傷を...癒してあげるためにも。
こう考えた俺は、不安ではあったが、風三谷の病室に戻ることを諦め、大人しく病院を出て、帰路に着いたのだった。
なにも、彼から逃げたんじゃない。
今日は、これ以上風三谷の傷を抉りたくなかっただけだ。
俺が病室に戻れば、風三谷は、意識を取り戻した時と同じように、また暴れ出すだろう。
そんな辛い過去を、悲惨な彼にこれ以上何度も思い出させたくはなかった。
そこまで彼を痛ぶりたいとも、これっぽっちも思っていなかった。
だから今日は帰った......でも、これからだ...。
風三谷の過去を知ったからには、俺が助けてやらないと...明確な方法などは、まだ何もわからないが。
ただ1つ言えることは、風三谷を助けてやりたいと一心に思っている、これまでとは違った考えを持つ俺がいるっていうことだけ...ただそれだけだ。
「あっ、目が覚めたんだな??えっと...良かった。......あっ、その......ゴメンな...酷いことして......悪かったよ......やり過ぎだった。」
風三谷が、深い眠りから目を覚ましたことに気がついた俺は、咄嗟に風三谷の様子を伺いつつ、遠慮がちに謝罪の意を示した。
そんな俺に対して、始めはまだ意識が朦朧としていたのか、ぼぅっとした表情を浮かべていた風三谷だったが、暫くして全ての状況を理解した瞬間、サーっと顔から血の気がなくなり、険しい表情を俺に向け
「っ...うわっ!!!くっ、来るな!!!あっち行けよ!!!......たっ頼むから...この部屋から出て行ってくれ!!.........早く!!」
と声を荒らげた。
俺は風三谷の酷く怯えた態度に、病室を去ろうかと考えたが、風三谷の取り乱し方が尋常ではなかった為、俺は自身の座っているパイプ椅子から腰をあげることを躊躇っていた。
そんな俺に対して風三谷は、さらに取り乱した様子で
「っ......なんで出ていかないんだよ!!!...出ていけって言ってるだろ!??...クソっ。...って、なんで近づいてくるんだよ!!向こう行けよ!!...嫌だ!!...近づいてくるな!!嫌だ、父さん!!!僕に酷いことしないで...。僕を犯さないで...もう、あんな痛い思いをするのは嫌だよ...!!!」
と言って、今度は体を小刻みに震わせ始めた。
「...俺...風三谷に全く近づいてないけど......いや、その......。(汗)(風三谷は、一体何を見ているんだ???風三谷の......お父さん......が目の前に居るのか???)」
風三谷の言葉に、俺は風三谷の言葉を否定しながら、よくよく風三谷の発言を思い出して、唖然とし固まってしまった。
もう少し風三谷に聞きたいこと...言いたいことはあったが、これ以上ここにいたら、風三谷の気が完全に狂ってしまうのではないのかと思い、俺は急いで病室から立ち去ることにした。
俺が病室を出たあと、風三谷の部屋からは、終始助けを呼ぶ悲痛な叫びが響いていた。
俺は、ドクドクと嫌な音を立てる心臓を何とか落ち着かせるため、外の空気を吸いに、病室と同じ階にあるテラスへと出ていた。
俺は、テラスにある椅子に腰を下ろすと、頭の中で先程の風三谷の言葉を思い返していた。
さっきの風三谷の言葉......本当なのか...。
親父に......レイプされていたっていう......。
いや...もしこれが本当だとしたら、俺はアイツの傷を抉る行為を、まさに最低の形でやってのけたって事になるんじゃないのか...。
はははっ、まさか...風三谷にそんな過去があったなんて......知らなかった。
知っていたら、きっとここまで酷いことは出来なかったはずだ。
本当に正直言って...最低だ。
俺は、人間としてクズ以下のゴミだ。
クソっ......不安定な風三谷を独り病室に残してきてしまったが...大丈夫だろうか...。
俺を見た瞬間、途端に顔色を変え、恐ろしい怪物を見るかのような目で、俺に視線を向けていた...。(汗)
きっと彼は、あの状況に怯えていたんだろう。
いつも強気な風三谷が、あんな顔をするなんて......それ程までに父親に受けてきていた行為は、実に悲惨なものだったのだろうな。
はぁ...俺はどうしたらいいんだ???
酷いことをした奴が言うことではないが、風三谷の事を救ってやりたい。
さっきまでは、恋への復讐ばかり考えていて、風三谷が死んでもいいとさえ思っていたのに...。
なんという心境の変化だ。
人間とは、つくづく恐ろしい生き物だな...なんて、俺が言えた立場ではないけど。
とりあえず、俺はこれから風三谷の事をどうにかして救ってやらなければならない。
俺が侵した罪を償うためにも...風三谷の心の傷を...癒してあげるためにも。
こう考えた俺は、不安ではあったが、風三谷の病室に戻ることを諦め、大人しく病院を出て、帰路に着いたのだった。
なにも、彼から逃げたんじゃない。
今日は、これ以上風三谷の傷を抉りたくなかっただけだ。
俺が病室に戻れば、風三谷は、意識を取り戻した時と同じように、また暴れ出すだろう。
そんな辛い過去を、悲惨な彼にこれ以上何度も思い出させたくはなかった。
そこまで彼を痛ぶりたいとも、これっぽっちも思っていなかった。
だから今日は帰った......でも、これからだ...。
風三谷の過去を知ったからには、俺が助けてやらないと...明確な方法などは、まだ何もわからないが。
ただ1つ言えることは、風三谷を助けてやりたいと一心に思っている、これまでとは違った考えを持つ俺がいるっていうことだけ...ただそれだけだ。
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