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第15号 「お別れしないか...??」
俺は不要なんだ...。
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「待ってくれ!!琉架くん!!!(汗)亜衣希は...!!!亜衣希は...気が動転していただけで本当はそんな気...『...。』...なぁ、琉架くん??亜衣希だって、そんなつもりじゃなかったんだ...。(汗)」
琉架は、病院のエレベーターの前で、あとを追いかけてきた大樹に肩を掴まえられ、足を止めざるおえなくなった。
そんな大樹に何も言えず、押し黙っていた琉架だったが、ゆっくりと大樹の方を向き、おもむろに口を開いた。
「...動転...ですか...。少なくとも俺には、亜衣希さんは正気に見えました。亜衣希さんの声は、いつも俺に話しかける時のような、感情を込めた話し方をしていた。...だけど...決定的に違ったのは...亜衣希さんが...激しく俺を拒んでいたってことだ...。あんな声で...あんな感情を剥き出しにして...俺は、あの人に拒まれたんだ...。だから、少なくともあれは...動転ではなく...激しい拒絶だと俺は受け取れましたよ...??...俺は...もう亜衣希さんにとってガラクタ同然なんです...。必要とされてないんです...!!!もういっそ...『何を、馬鹿なことを言っているんだ!!!勝手なことを言うな!!!(怒)』...っ!!!」
琉架は、目の前の大樹に、自分でも驚く程に低く冷たい声で、思いの丈をぶつけていた。だが次の瞬間、大樹の平手打ちが琉架の頬に直撃したことにより、琉架は、突然のことに言葉を失い、ただ呆気に取られて、目の前の大樹を見つめていた。
琉架を殴った後で、我に返った大樹は、自分が琉架を殴ってしまったことを理解した途端に、顔からサッと血の気が引いていった。
そんな大樹に琉架は、無言のまま...ちょうど扉が開いたエレベーターに、サッと乗り込むと大樹には目もくれず、下へと降りていった。
その場に取り残された大樹は、顔をうつむけると、辛い顔をしてこう言った。
「...はぁ...琉架くんを叩いてしまった...。琉架くんは、悪くないのに...。私の感情のままに...。私には...琉架くんを追いかける資格がない...。すまない...琉架くん、そして亜衣希...。私は、もう琉架くんを追いかけることが...出来ないんだ...。(泣)」
独りで唇を噛み締める大樹は、これまでに見た事もないような、酷く取り乱した顔をしていた。
エレベーターで、下へと降りる中...琉架は、さっき大樹に殴られた頬を、改めて自分の手の平で覆っていた。
「熱っ...。(驚)大樹さん...怒ってたな...。まぁ、それはそうか...。亜衣希さんが、あんなふうに俺を拒絶したあとに、俺までもが、あの時の亜衣希さんのように、弱音を吐いたから...。それまで抑えていた感情が、手の平に移動したんだよな...。はぁ...俺何やってんだろ...。ほんと...馬鹿だよな...。」
エレベーターが、下に着くまでの間、ボロボロと目から、大粒の涙を流し続けた琉架は、ひとり反省会を行うのだった。
琉架は、病院のエレベーターの前で、あとを追いかけてきた大樹に肩を掴まえられ、足を止めざるおえなくなった。
そんな大樹に何も言えず、押し黙っていた琉架だったが、ゆっくりと大樹の方を向き、おもむろに口を開いた。
「...動転...ですか...。少なくとも俺には、亜衣希さんは正気に見えました。亜衣希さんの声は、いつも俺に話しかける時のような、感情を込めた話し方をしていた。...だけど...決定的に違ったのは...亜衣希さんが...激しく俺を拒んでいたってことだ...。あんな声で...あんな感情を剥き出しにして...俺は、あの人に拒まれたんだ...。だから、少なくともあれは...動転ではなく...激しい拒絶だと俺は受け取れましたよ...??...俺は...もう亜衣希さんにとってガラクタ同然なんです...。必要とされてないんです...!!!もういっそ...『何を、馬鹿なことを言っているんだ!!!勝手なことを言うな!!!(怒)』...っ!!!」
琉架は、目の前の大樹に、自分でも驚く程に低く冷たい声で、思いの丈をぶつけていた。だが次の瞬間、大樹の平手打ちが琉架の頬に直撃したことにより、琉架は、突然のことに言葉を失い、ただ呆気に取られて、目の前の大樹を見つめていた。
琉架を殴った後で、我に返った大樹は、自分が琉架を殴ってしまったことを理解した途端に、顔からサッと血の気が引いていった。
そんな大樹に琉架は、無言のまま...ちょうど扉が開いたエレベーターに、サッと乗り込むと大樹には目もくれず、下へと降りていった。
その場に取り残された大樹は、顔をうつむけると、辛い顔をしてこう言った。
「...はぁ...琉架くんを叩いてしまった...。琉架くんは、悪くないのに...。私の感情のままに...。私には...琉架くんを追いかける資格がない...。すまない...琉架くん、そして亜衣希...。私は、もう琉架くんを追いかけることが...出来ないんだ...。(泣)」
独りで唇を噛み締める大樹は、これまでに見た事もないような、酷く取り乱した顔をしていた。
エレベーターで、下へと降りる中...琉架は、さっき大樹に殴られた頬を、改めて自分の手の平で覆っていた。
「熱っ...。(驚)大樹さん...怒ってたな...。まぁ、それはそうか...。亜衣希さんが、あんなふうに俺を拒絶したあとに、俺までもが、あの時の亜衣希さんのように、弱音を吐いたから...。それまで抑えていた感情が、手の平に移動したんだよな...。はぁ...俺何やってんだろ...。ほんと...馬鹿だよな...。」
エレベーターが、下に着くまでの間、ボロボロと目から、大粒の涙を流し続けた琉架は、ひとり反省会を行うのだった。
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