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第14号 「俺にしなよ...。」
画面に現れた救世主。 その4
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坂沢との騒動があった次の日......琉架は、昨夜...坂沢が病院を訪ねてきてからというもの、ずっとあの時坂沢の言った言葉を思い返していた。
「...坂沢が...俺を...そんなこと...。有り得ないだろ...。だって、俺と坂沢は...。(汗)......なぁ、亜衣希さん...俺の事はめたっていうの...違うよね...。誤解だよね...??ねぇ...応えてよ...亜衣希さん!!!おい、なにか言えよっ...黙ってちゃわからないだろうが...!!!!!(怒)『八神さん...検診の時間ですよ~...って、何やってるの!???ちょっと...あなた...昏睡状態の患者を乱暴に揺さぶるのは、危険な行為よ!!!やめなさい!!!!(汗)』...だって...亜衣希さんが...亜衣希さんが!!!(汗)『いいから、少し落ち着きなさい...!!!!(汗)ちょっと...誰か!!!誰か来てちょうだい!!!!(汗)』。」
琉架は、酷く取り乱したあと...看護師さんにこっぴどく叱られ...亜衣希との面会に一人で来ることを、しばらくの間...禁止されてしまった...。
行き場をなくした琉架は、ただ静かに病院を出て、行く宛もなくとぼとぼと歩みを進めていた。
「どーしよ...。俺は...これからどこに行けばいいんだろう...。はぁ...俺はただ...亜衣希さんを起こそうとしただけなのに...。なんで俺...追い出されたんだろう...。看護師の人...血相変えてたな...。俺は...亜衣希さんに、そんなに悪いことしちゃったのかな...??...はぁ...。(汗)」
琉架は、呼吸よりも多いのではないかと思うほどの溜息をつきながら、ただぼーっと前を見つめ、途方もなく歩いていた。
そんな琉架の背後から、よく知った声が聞こえてきた。
「...琉架...くん??...どうしたんだ...亜衣希についてくれているんじゃ...。(汗)...琉架くん???」
「あっ...その......俺じゃダメなんですよ...。(汗)俺じゃ...亜衣希さんを幸せにできない...。(悔)俺は...俺がそばにいたら、亜衣希さんは不幸になる一方だ...。あの....大樹さん...。俺...一度は亜衣希さんの隣に、『一生います。』って言ったんですけど...でも、あの言葉...取り消させてください...。俺では、今の俺では...亜衣希さんを幸せにしてあげられない...。(泣)」
「...琉架くん...っ...とにかく、ゆっくり話が出来るところに行こうか...。さぁ、私の車に乗って...。(汗)」
亜衣希が病院に運ばれてから、仕事に追われる大樹に連絡がいくのは、そう時間はかからなかった。
亜衣希が重症で、昏睡状態にあるということを聞いた兄である大樹は、琉架がずっと一緒にいてくれていると看護師さんから聞いていたため、仕事で亜衣希の元へとすぐに行けない自らの不安がほんの少しだけ和らいでいた。
だが、やっと仕事が少し片付き...見舞いに来ようと、車で病院へとやってきた大樹の目に飛び込んできたのは、亜衣希の病室に居るはずの琉架が、とぼとぼと歩道を歩いている姿であった。
大樹は、びっくりして急ブレーキを踏み...咄嗟に車を停めると、歩道を歩く琉架に慌ただしく声をかけ...今に至る。
琉架は何も言わず、大樹の言葉にただ静かに頷くと、大樹に促された通り、黒の乗用車へと乗り込んだ。
その様子を、ただただ不安そうに見つめる大樹の姿は、自分のことで手一杯の琉架の目に映ることは無かったのだった...。
「...坂沢が...俺を...そんなこと...。有り得ないだろ...。だって、俺と坂沢は...。(汗)......なぁ、亜衣希さん...俺の事はめたっていうの...違うよね...。誤解だよね...??ねぇ...応えてよ...亜衣希さん!!!おい、なにか言えよっ...黙ってちゃわからないだろうが...!!!!!(怒)『八神さん...検診の時間ですよ~...って、何やってるの!???ちょっと...あなた...昏睡状態の患者を乱暴に揺さぶるのは、危険な行為よ!!!やめなさい!!!!(汗)』...だって...亜衣希さんが...亜衣希さんが!!!(汗)『いいから、少し落ち着きなさい...!!!!(汗)ちょっと...誰か!!!誰か来てちょうだい!!!!(汗)』。」
琉架は、酷く取り乱したあと...看護師さんにこっぴどく叱られ...亜衣希との面会に一人で来ることを、しばらくの間...禁止されてしまった...。
行き場をなくした琉架は、ただ静かに病院を出て、行く宛もなくとぼとぼと歩みを進めていた。
「どーしよ...。俺は...これからどこに行けばいいんだろう...。はぁ...俺はただ...亜衣希さんを起こそうとしただけなのに...。なんで俺...追い出されたんだろう...。看護師の人...血相変えてたな...。俺は...亜衣希さんに、そんなに悪いことしちゃったのかな...??...はぁ...。(汗)」
琉架は、呼吸よりも多いのではないかと思うほどの溜息をつきながら、ただぼーっと前を見つめ、途方もなく歩いていた。
そんな琉架の背後から、よく知った声が聞こえてきた。
「...琉架...くん??...どうしたんだ...亜衣希についてくれているんじゃ...。(汗)...琉架くん???」
「あっ...その......俺じゃダメなんですよ...。(汗)俺じゃ...亜衣希さんを幸せにできない...。(悔)俺は...俺がそばにいたら、亜衣希さんは不幸になる一方だ...。あの....大樹さん...。俺...一度は亜衣希さんの隣に、『一生います。』って言ったんですけど...でも、あの言葉...取り消させてください...。俺では、今の俺では...亜衣希さんを幸せにしてあげられない...。(泣)」
「...琉架くん...っ...とにかく、ゆっくり話が出来るところに行こうか...。さぁ、私の車に乗って...。(汗)」
亜衣希が病院に運ばれてから、仕事に追われる大樹に連絡がいくのは、そう時間はかからなかった。
亜衣希が重症で、昏睡状態にあるということを聞いた兄である大樹は、琉架がずっと一緒にいてくれていると看護師さんから聞いていたため、仕事で亜衣希の元へとすぐに行けない自らの不安がほんの少しだけ和らいでいた。
だが、やっと仕事が少し片付き...見舞いに来ようと、車で病院へとやってきた大樹の目に飛び込んできたのは、亜衣希の病室に居るはずの琉架が、とぼとぼと歩道を歩いている姿であった。
大樹は、びっくりして急ブレーキを踏み...咄嗟に車を停めると、歩道を歩く琉架に慌ただしく声をかけ...今に至る。
琉架は何も言わず、大樹の言葉にただ静かに頷くと、大樹に促された通り、黒の乗用車へと乗り込んだ。
その様子を、ただただ不安そうに見つめる大樹の姿は、自分のことで手一杯の琉架の目に映ることは無かったのだった...。
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