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第10号 「俺と父親...そして...兄貴。」
亜衣希と大樹と琉架
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琉架は啓一との会話を終え、社長室を出てはぁーっと息を吐いた。
「あー、緊張した...。てっきりクビになって今日中に追い出されると思っていたのに...八神社長って案外優しい人なのかもな...。よし、俺も亜衣希さんと大樹さんの所に行って、クロジカルとメイドアリスでモデルの仕事ができるってこと報告しに行かないとな!!(笑)(安心したら、ミルクティーが飲みたくなってきたな...。後で亜衣希さんに奢ってもらおう!(笑))」
エレベーターに乗った琉架は、下の階に向かいながらこう独りごちるのであった。
一方その頃、カフェを出た亜衣希と大樹は、そろそろ琉架と啓一の話も終わっているだろうと思い、クロジカルへと向かって歩いていた。
「なぁ...兄さん。やっぱり...琉架クビになったかな??(汗)...クビになってたらどうしよう...。(汗)俺が、メイドアリスでモデルやってほしいなんて頼まなければ、こんなことにはなってなかったのかも『はぁ...おい、亜衣希??今更何を言っているんだ!!...結果がどうであれ、琉架くんの事だ。しっかりやってるよ!!だから亜衣希は、自分のせいと言って自らを責めることはないんだ!!(この会話って無限ループなのか????(汗))』...うーん、そうなのかな...??(汗)」
こんな会話をかれこれ5回以上繰り返しながら重い足取りでクロジカルへと向かっていく2人なのであった。
琉架がエレベーターでクロジカルの一階につくと、丁度事務所の入口の自動ドアから亜衣希と大樹が緊張した面持ちで入ってくるのが見えた。
琉架は、2人の姿を見かけるとぱっと表情を変え、走り寄っていった。
「亜衣希さん!!大樹さん!!!」
「あっ...琉架...。(汗)」
「...う...うーん...。(汗)」
「あれ...、どうしてそんなに浮かない顔してるの...??」
「...琉架...お前が悪いわけじゃない。だから間違っても死のうなんて考えは捨てろよ???(汗)」
「えっ...???」
「あっ...えーと、琉架くん??(何か言わないと...そうだ!!)...ほら、やっぱり君は男のままが一番カッコイイと思うんだ!!(汗)だから、これからはメイドアリスで黄色い声援を沢山浴びようではないか!(汗)」
「......えっ...黄色い声援...??...男のままがかっこいい???」
「そっ...そうだぞ!!!(ナイス!大樹兄さん!!琉架も慰められてるはずだ!!!こうなれば俺も...)...心配しなくても大樹兄さんがメイドアリスで雇ってくれるって言ってるから何も心配する必要は...!!『...ねぇ???二人とも...何か勘違いしていない???俺...クロジカル辞めないけど...??(汗)』...うんうん、そうだ!!クロジカルをクビになってもメイドアリスで.........って...えっ!???クビになってない?????(汗)(どういうごっちゃ~!!!?(汗)って...これどこの方言だよ...!!(汗))」
琉架の顔を見た瞬間、亜衣希と大樹はてっきり琉架がクロジカルをクビになり、落ち込んでいると思い込んでいたため、慰めの言葉をこれでもかという程にかけていた。
だが...琉架は、クロジカルをクビになるどころか八神社長に気に入られてしまいこれからは、いつでも社長室に来ていいとまで言われているのだ...。
当然考えの違うもの同士の話が上手く繋がるはずもなく...琉架は、目の前のふたりの言っている言葉が、まるでお先真っ暗の人にかけるような言葉に聞こえたため、慌ててストップをかけた。
琉架の言葉を聞き、一瞬フリーズした二人だったが、次の瞬間全てを理解し
「あっ...あぁ!!!そうだよな!!これからもお前はクロジカルで働くんだよな!!!俺達も最初からそう思ってたぞ!(笑)いやー、良かった良かった!(笑)(よし!我ながらナイスアシスト!!(笑))」
「...うん...えっと...。」
「やっぱり私の読みは当たっていたな!!(笑)琉架くんなら、なんとでも出来ると!!(笑)(亜衣希ナイスだ!...そして俺も負けないぐらいフォロー出来ているはずだ!!(笑))」
「は...はあ...。(汗)」
「いやー、ほんとに良かった良かった!!あはははは!!!(笑)」
さっきとは一変して琉架に気味の悪い笑みを向けて、ハイテンションな二人にますます動揺が隠せなくなり、琉架は目の前の二人にこう言った。
「...あの...心配かけてすみませんでした。(気持ち悪いけど...気にしたら負けな気がする...。(汗))お二人には、俺が八神社長に呼ばれたことで、多大な心配をかけてしまっていたみたいで...なんて言っていいのやら...。(とにかく、当たり障りのないことで...。)俺...お二人に話したいことがあるんです。そこの休憩スペースにでも行きませんか??ずっとここに立ち往生って言うわけにも行かないですし...。(笑)(休憩スペースで亜衣希さんにミルクティー買って貰えたらいいな~。)」
こう言うと琉架は、真剣な表情をして受付付近にある自販機の置いてある小さな休憩スペースへと足を進めた。
そんな琉架の様子をじっと見つめていた八神兄弟だったが、さっきの自分たちの行動を思い出し
「...兄さんも案外心配性なんだね...。(笑)カフェ出た直後は、俺を勇気づけてくれてたのに。(笑)(大樹兄さんよりはマシだな!きっと。)」
「...うっ...だっ...だったら、なんだって言うんだよ...。お前ほどじゃないから安心しろ...。(笑)(俺は亜衣希よりマシだから、大丈夫だな!)」
「はぁ...???なぁ、兄さん...それどういう意味だよ...。(怒)」
「ん??さぁな、自分で考えろ。(笑)」
亜衣希が、先程の大樹の必死の取り繕いように笑いを隠しきれず、ニヤッと不敵な笑みを浮かべて大樹に質問すると大樹は、若干頬を赤らめて終始照れていたが、ここは年上ということもあり亜衣希を上手く交(か)わして、くすりと微笑むと目の前を歩いている琉架のあとについて行った。
そんな大樹に亜衣希は、ムスッとした顔で
「...兄さんって、優しいのか意地悪なのかよく分かんない...。(怒)」
と言うとため息混じりに二人の後を追いかけるのだった。
「あー、緊張した...。てっきりクビになって今日中に追い出されると思っていたのに...八神社長って案外優しい人なのかもな...。よし、俺も亜衣希さんと大樹さんの所に行って、クロジカルとメイドアリスでモデルの仕事ができるってこと報告しに行かないとな!!(笑)(安心したら、ミルクティーが飲みたくなってきたな...。後で亜衣希さんに奢ってもらおう!(笑))」
エレベーターに乗った琉架は、下の階に向かいながらこう独りごちるのであった。
一方その頃、カフェを出た亜衣希と大樹は、そろそろ琉架と啓一の話も終わっているだろうと思い、クロジカルへと向かって歩いていた。
「なぁ...兄さん。やっぱり...琉架クビになったかな??(汗)...クビになってたらどうしよう...。(汗)俺が、メイドアリスでモデルやってほしいなんて頼まなければ、こんなことにはなってなかったのかも『はぁ...おい、亜衣希??今更何を言っているんだ!!...結果がどうであれ、琉架くんの事だ。しっかりやってるよ!!だから亜衣希は、自分のせいと言って自らを責めることはないんだ!!(この会話って無限ループなのか????(汗))』...うーん、そうなのかな...??(汗)」
こんな会話をかれこれ5回以上繰り返しながら重い足取りでクロジカルへと向かっていく2人なのであった。
琉架がエレベーターでクロジカルの一階につくと、丁度事務所の入口の自動ドアから亜衣希と大樹が緊張した面持ちで入ってくるのが見えた。
琉架は、2人の姿を見かけるとぱっと表情を変え、走り寄っていった。
「亜衣希さん!!大樹さん!!!」
「あっ...琉架...。(汗)」
「...う...うーん...。(汗)」
「あれ...、どうしてそんなに浮かない顔してるの...??」
「...琉架...お前が悪いわけじゃない。だから間違っても死のうなんて考えは捨てろよ???(汗)」
「えっ...???」
「あっ...えーと、琉架くん??(何か言わないと...そうだ!!)...ほら、やっぱり君は男のままが一番カッコイイと思うんだ!!(汗)だから、これからはメイドアリスで黄色い声援を沢山浴びようではないか!(汗)」
「......えっ...黄色い声援...??...男のままがかっこいい???」
「そっ...そうだぞ!!!(ナイス!大樹兄さん!!琉架も慰められてるはずだ!!!こうなれば俺も...)...心配しなくても大樹兄さんがメイドアリスで雇ってくれるって言ってるから何も心配する必要は...!!『...ねぇ???二人とも...何か勘違いしていない???俺...クロジカル辞めないけど...??(汗)』...うんうん、そうだ!!クロジカルをクビになってもメイドアリスで.........って...えっ!???クビになってない?????(汗)(どういうごっちゃ~!!!?(汗)って...これどこの方言だよ...!!(汗))」
琉架の顔を見た瞬間、亜衣希と大樹はてっきり琉架がクロジカルをクビになり、落ち込んでいると思い込んでいたため、慰めの言葉をこれでもかという程にかけていた。
だが...琉架は、クロジカルをクビになるどころか八神社長に気に入られてしまいこれからは、いつでも社長室に来ていいとまで言われているのだ...。
当然考えの違うもの同士の話が上手く繋がるはずもなく...琉架は、目の前のふたりの言っている言葉が、まるでお先真っ暗の人にかけるような言葉に聞こえたため、慌ててストップをかけた。
琉架の言葉を聞き、一瞬フリーズした二人だったが、次の瞬間全てを理解し
「あっ...あぁ!!!そうだよな!!これからもお前はクロジカルで働くんだよな!!!俺達も最初からそう思ってたぞ!(笑)いやー、良かった良かった!(笑)(よし!我ながらナイスアシスト!!(笑))」
「...うん...えっと...。」
「やっぱり私の読みは当たっていたな!!(笑)琉架くんなら、なんとでも出来ると!!(笑)(亜衣希ナイスだ!...そして俺も負けないぐらいフォロー出来ているはずだ!!(笑))」
「は...はあ...。(汗)」
「いやー、ほんとに良かった良かった!!あはははは!!!(笑)」
さっきとは一変して琉架に気味の悪い笑みを向けて、ハイテンションな二人にますます動揺が隠せなくなり、琉架は目の前の二人にこう言った。
「...あの...心配かけてすみませんでした。(気持ち悪いけど...気にしたら負けな気がする...。(汗))お二人には、俺が八神社長に呼ばれたことで、多大な心配をかけてしまっていたみたいで...なんて言っていいのやら...。(とにかく、当たり障りのないことで...。)俺...お二人に話したいことがあるんです。そこの休憩スペースにでも行きませんか??ずっとここに立ち往生って言うわけにも行かないですし...。(笑)(休憩スペースで亜衣希さんにミルクティー買って貰えたらいいな~。)」
こう言うと琉架は、真剣な表情をして受付付近にある自販機の置いてある小さな休憩スペースへと足を進めた。
そんな琉架の様子をじっと見つめていた八神兄弟だったが、さっきの自分たちの行動を思い出し
「...兄さんも案外心配性なんだね...。(笑)カフェ出た直後は、俺を勇気づけてくれてたのに。(笑)(大樹兄さんよりはマシだな!きっと。)」
「...うっ...だっ...だったら、なんだって言うんだよ...。お前ほどじゃないから安心しろ...。(笑)(俺は亜衣希よりマシだから、大丈夫だな!)」
「はぁ...???なぁ、兄さん...それどういう意味だよ...。(怒)」
「ん??さぁな、自分で考えろ。(笑)」
亜衣希が、先程の大樹の必死の取り繕いように笑いを隠しきれず、ニヤッと不敵な笑みを浮かべて大樹に質問すると大樹は、若干頬を赤らめて終始照れていたが、ここは年上ということもあり亜衣希を上手く交(か)わして、くすりと微笑むと目の前を歩いている琉架のあとについて行った。
そんな大樹に亜衣希は、ムスッとした顔で
「...兄さんって、優しいのか意地悪なのかよく分かんない...。(怒)」
と言うとため息混じりに二人の後を追いかけるのだった。
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