女装男子の俺と...変態カメラマン？

第8号 「RANRAと琉架。」

琉架の日々。 その4

 竹下は、静かに眠りについている琉架を、じっと切なそうに見つめていたが、少し片付けないといけない仕事があったため、空いている机にノートパソコンを置くと、椅子に座り仕事を片付けだした。
 そうしてしばらく時間が経った時、琉架が目を覚ました。
「...ん...んん...。...あれ？？竹下さん？？俺どうしてここに？？（汗）」
「あっ、起きたのね...。うーん、とりあえず、詳しいことはまた明日話すから、今日は、一旦家に帰ってゆっくり休んでちょうだい...。」
「...えっ...でも、今日は大切な雑誌の撮影が...『いいから！！...今日は...大人しく帰りなさい！！（汗）』...えっ...はっ、はい...。（汗）」
 琉架は、目を覚ましたばかりで、ぼんやりする頭を必死でフル回転させ、自分がどうして控え室で眠ってしまっていたのかを思い出そうと竹下に声をかけたが、目の前の竹下が、今は何も聞くなという顔で琉架のことを見ていたため、琉架は、それ以上何も言うことが出来ずに...ただコクリと頷くと近くにあった自らのカバンを手に取り、控え室を出ていったのだった。
 琉架が、事務所から帰路についた頃...竹下は、目頭を抑えながら、ノートパソコンの画面を閉じ、大きなため息をついた。
「...琉架...何があっても、あなたのことは、絶対に守るから...。SIN...貴方との約束の為にもね...。」
 こういっている竹下は、どこが辛そうな表情をして、さっきまで琉架の着ていた薄汚れたドレスを、じっと見つめていたのだった。