女装男子の俺と...変態カメラマン？

第8号 「RANRAと琉架。」

告げ口

 RANRAを車で家まで送り届けた後、宮口は、車を運転しながら困った顔をしていた。
 「...はぁ。SINさんの時みたいに、また相手を蹴落とすために...。（汗）流石に、ほかの人に迷惑をかけるわけにはいかない...。（汗）あの時、俺が竹下さんに相談さえしていれば、きっとSINさんもクロジカルをさらずに済んだんだ...。だったら、俺に残された道は...ひとつしかない。」
こう独り言を言った宮口は、携帯を取り出しある人にメールを打ち出した。

 「...それで...宮口？？なんの用よ...。（汗）私、るかのことで忙しいのよね...。世間話ならまた今度...『...竹下さん...。すみません...。急に、カフェに呼び出してしまって...。でも、姫崎さんに危険が及ぶかもしれないんです...！！（汗）RANRAが...姫崎さんを潰そうと企んでいます...！！（汗）』...えっ...なんですって...！！（汗）琉架のことを...潰す...？？...その話詳しく聞いていいかしら...？？（汗）」
 竹下は、宮口の言葉を聞き、咄嗟に血相を変えて、着いてそうそう、カフェの宮口の正面の席に座った。
 「...昔...SINさんの秘密をばらしたのは、RANRAなんです...。俺は...いつも、撮影終わりに雑誌を苦い表情で見つめて...明らかに余裕のないRANRAを間近で見ていました。...RANRAは、あの頃から...様子がおかしかった...。（汗）でも、俺はそれを見て見ぬふりをして、放っておいたんです。そしたら...いつの間にかSINさんを、クロジカルから追放にまで追い込んでいて...。（汗）今のRANRAは、嫉妬にかられた...壊れたモデルなんです...。（汗）私はあの頃、SINさんと竹下さんに何度謝っても...済まされないほどの、罪を犯してしまいました。もう...あんなこと二度としなくないんです。だから、竹下さん...俺が、頑張ってRANRAを止めます。でも、RANRAに負けてしまった時は...竹下さんが姫崎さんを守ってあげてください。お願いします。（汗）」
 宮口は、酷く辛い表情をしており、RANRAと同じくらい余裕がないことを物語っていた。
 「...いいえ、あなたは何も悪くないのよ...。SINを守れなかったのは...全て私のせい...。あの頃は...マネージャーとしても未熟だったこともあって...自分のことで精一杯だった...。（汗）だから、SINのことを、しっかり見てあげることが出来なかった...。SINがSOSを出していることにも、気づくのが遅くなった...。...ありがとう。情報...教えてくれて...。今度は、絶対に私が守ってみせる。SINへの償い...。償ってみせるから...。（汗）」
 こういって、普段は、自らのモデルを売り込む事が仕事なため、マネージャー同士は、とても険悪なクロジカルだが...
 今、ここに二人のマネージャーがそれぞれのモデルを守るため...互いに手を組んだのだった。