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第2号 「俺と八神さん。」

変態だ...うわっ!近寄んな!!

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 八神の家はマンションで、その20階ある中の15階だった。
 「はい、どうぞ~!!」
と言って家のドアを開けた八神に、琉架は遠慮がちに
「お邪魔しま~す...。」
と言って家の中に入った。
 リビングに入ると、整理整頓された綺麗な光景が広がっていた。
 荷物を置いた八神は、落ち着かない様子でそわそわする琉架に
「えっと、まぁ、テキトーにその辺に座って!!ほら、そんな固くなられてもさ...俺、困っちゃうし...。(笑)」
と言って苦笑いしていたので、琉架は
「あっ...えっと、はい...。」
と言ってテレビ前のカーペットに腰をおろした。
 キッチンでお湯を沸かしている八神は琉架に
「コーヒーでいいかな??それとも、紅茶の方が...『いえ、コーヒーで大丈夫です!!(汗)』...あっ、分かった!!コーヒーね!」
と言って気を遣っている琉架を、特に気にした様子もなく、コーヒーを作っている八神の姿に、内心ため息をつき、困る琉架なのであった。
 出来上がったコーヒーを琉架に手渡すと、八神は自室に事務所の資料があるからとってくると言って、リビングから出ていった。
 独りリビングに残された琉架は、はぁ~と深いため息をつくと、部屋をぐるりと見回した。
 すると、テレビの横に何冊か雑誌が重ねられているのを見つけ、琉架は何かに惹かれるように、その雑誌を見るためテレビ台に近づいた。
 雑誌の表紙には、可愛い女の子がポーズを決めて写っていた。
 琉架は、ニコッと微笑むと「きっと、八神さんが持ってる雑誌ってことは、内容も濃いものなのだろう...。」と思い、中を見ようとパラパラと適当なページを開いた瞬間...琉架は、目を疑った。
 だって、そこには...女の人のあらわになった写真が...。まさかと思い、ほかのページを見てみても、やはり裸体をさらした女の人...。「これは...一体??」と内心モヤモヤした琉架の背後からのぞき込むように八神が声をかけた。
「ねぇねぇ??...って、琉架くんも男の子だね~!!やっぱり、女の子のそういうのに興味ある年頃なんだね!!!!(笑)」
と言ってニヤニヤと笑っている八神に顔を真っ赤にした琉架は
「...何をっ!??(汗)...そっ...そんなわけないに決まってるじゃないですか!!!!(怒)」
と言って全否定した。
 その様子を見て、コーヒーカップの置いてあるキッチン近くのテーブルに腰をかけた八神は、更に驚くことを琉架に告げた。
「あっ、その雑誌...俺の特集なんだ。俺の...写真。今...琉架くんが見てたの。」
と言って琉架をチラッと横目で見ながらコーヒーを口に含む八神に、琉架はこれでもかというくらいに目を見開いて
「はっ...はぁ!???八神さんの仕事って...女性の...『うん、そうだよ??女の人の裸をとるのが、俺の主な仕事!!どう??琉架くんから見て??その写真、美し...って、なんで琉架くんそんな怖い顔してるの??(汗)』...りえない...ありえない...ありえない!!!やっぱりアンタのこと誤解してたよ俺...。アンタって、そういうやつだったんだな...見損なった...。一瞬でもかっこいいなんて...優しい人なんて思った自分を...殺してやりたいぐらいだ...。」
と言って真顔の八神に琉架は、鋭い目を向けて、酷く軽蔑した。
 そんな琉架に八神は
「...えっ...。それってやっぱり...あんまり美しくないってこと...??(汗)はぁ、だよな~...俺の写真って...なんでこうもほかの人と違って輝きがないのかな...。ねぇ??琉架くんは、どこがダメだと思ったの??」
と言って首をかしげた八神に琉架は
「はぁ!??知らねぇーよ!!この...変態が!!!女性のあらわになった雑誌ばっか...あれだろ!!俺の会社の雑誌買ったのだって...そういう系の雑誌を買うためのカモフラージュだったんだろ!!!サイテーだな!!!(怒)」
と言って声を荒らげた琉架に八神は、ため息をひとつつくと
「はぁ...。あのね、それとこれとは別...。たしかに俺の仕事は、女性の裸を撮る事だよ?でもね、『クロジカル』の雑誌を買うのは...『うるせぇーよ!!この変態!!アンタは、やっぱり変態だよ!!!(怒)』...うん、確かに変態かもね...。だって、俺...『クロジカル』の雑誌買うのは...琉架くんの...その可愛い仕草や、行動...顔...はぁ...堪らない。...今すぐに...。」
と言ってリビングで八神を責め立てる琉架に一歩ずつ近づき、距離をつめて...琉架が壁に背中をつけ、逃げ道がなくなった瞬間...八神は、壁に手をつくと琉架の顔の横で
「...ははっ、犯したくなるね...チュッ。」
と琉架の耳元で囁きリップ音をたてると、琉架の顎を取り自分の方を向かせ
「...あ~、たまらない!!...んっ...。」
次の瞬間、驚いた顔の琉架の唇を奪うとどんどんとそれを深くしていった。
「...っ!??...えっ...八神さん...んっ!???...っ...んんっ。...ちょっと、八神さん!!いい加減に!!!(怒)」
と言ってまったく状況についていけていない琉架は、次の瞬間、八神を突き飛ばした。
 琉架に突き飛ばされ、バランスを崩した八神は、床に尻もちをつくと目の前で目に涙をためる琉架にニヤッとした笑顔を向け、自らの唇を舐めると
「ごちそうさま??るかくん?(笑)」
と言って、すっと立ち上がるとリビングから出ていった。
 独り取り残された琉架は、頬を赤らめて
「あ...俺の...ファーストキス...。」
と言って目から大量の涙を流し出したのだった。
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