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第2号 「俺と八神さん。」

嘘!?何故...お前が...!??

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 琉架は、笑顔で自分の背中を押してエレベーターから降りる八神に苦笑いを向けて、ふと前を見た瞬間
「えっ...嘘...。」
と言ってワナワナと震えだした。
 その様子に八神は
「ん??琉架くん??どうしたの???」
と言って不思議そうな顔で琉架の顔を覗きこんだ。
 琉架は、はっと息を飲み
「あっ...あの。八神さん!!目の前で撮影をされているのって...『あー、やっぱり分かっちゃう??羽ヶ李 聖真 (はがり しょうま)くん...やっぱり人気だな~。』...あっ、やっぱり...。(兄貴だ...。でも、なんでアイドルの兄貴が...??)」
と言って八神に聞いた琉架は、じっと兄である聖真のことをみていた。
 撮影が終わったのか、笑顔でカメラマンに頭を下げてエレベーターの方を見た聖真は、琉架を見た瞬間、目を輝かせて
「はっ!!!琉架だーーーー!!!!俺の愛しの琉架ーー!!!どうしてこんな所に??お前の事務所は...『だぁー!!!!兄貴言うな!!それ以上言うな!!!...そして、いい加減抱きしめたりするのやめろよ!!(怒)』...えー!いーじゃん...にーちゃん...寂しいよ...。」
と言って琉架に抱きついた聖真を、冷めた目で見つめた琉架は、聖真に怒鳴りつけた。
 そんな琉架を特に気にした様子もなく身体を離した聖真は、ぎゅっと琉架の手を握って
「今日はね~、お兄ちゃん!!なんと、アイドルのCD発売を記念したインタビューをここの『メイドアリス』で、特集組んでもらえることになって!!個人の私服で撮影会ってわけ!!!で、ほかのメンバーも...ほら!今写真撮ってもらってるのが、グループのリーダー虎雅(たいが)だよ!!」
と言って繋いだ手をぶんぶんと振って琉架を見た。
 そんな二人を見つめて八神は
「...二人は...その...どういう...『あー、こいつ俺のおとう...「ぎゃー!!!!」...って琉架...何叫んで...。』...あー、なるほど...分かった。つまり二人は...家族ってことだね。」
と言って納得した八神に琉架は、渋々
「まぁ、そういうことになりますね...。俺は、兄がこんなに弟にベッタリって...どうなのかなって思いますけどね...。(笑)」
と言って苦笑いして聖真の腕を振り払った。
 そんな琉架に泣きそうな顔をして
「そんな~!!!(泣)お兄ちゃんのどこが嫌なの??ねぇ??どこ???」
と言ってベタベタと琉架に接する聖真に琉架は、目を逆三角形にして
「だから!!!己のそういう所が嫌なんじゃっていうとろーが!!!このバカ兄貴!!!(怒)『うわぁーん!!琉架がいじめてくるよ~!!(泣)虎雅~!!助けて~!!!』...勝手にやってろよな...。(怒)」
と言って目に涙を溜めて、撮影が終わった虎雅の元に駆け寄っていった聖真だったが、とうの虎雅は「...はぁ??俺は、知らない...。勝手にやってろ。」と言うと、知らん顔してさっさと階段の方から下に降りていってしまった。
 「えぇ!!??待って~!!ねぇ~、冷たくない!??ちょっと待ってよ!!!虎雅~!!!(泣)」
と言って慌てて虎雅の後を追って階段を降りていった聖真だったが、ドゴーンっという衝撃音と共に「いったぁーーーー!!!」と言う大声が聞こえ...聖真が階段から転げ落ちたのだと、琉架とその横で苦笑いしていた八神は察した。
 沈黙を破ったのは、琉架の方で
「あはは、ばかな兄貴で迷惑かけます...。あっ、撮影って...。『あっ、あぁ、ここでやることになってるよ!さぁ、じゃあ、早速始めようか!!(笑)』...あっ、はい。お願いします。」
と言って歩き出した八神の後ろを、駆け足でついていった琉架は「...この人...案外悪い人じゃないのかも...。」と心の中で思っていた。
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