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第8章 「俺達の...スタートライン。」
「ウィン・ソニでの試練。」
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俺達は、まきだライブのふみ兄さんに相談をしながら、着々と厳しいウィンター・ソニックのオーディションに向けて、準備を進めていた。
「うん、いいと思うよ!!...みんなで合わせる箇所もバッチリあってるし!!...きっといける!力は確実についてきているんだ。この調子で...頑張れ!!」
こう言って、俺たちの演奏を聴いていたふみ兄さんは、演奏が終わると手が赤くなるほど、大きな拍手をくれた。
やっとここまで来た。
毎日毎日、ふみ兄さんから酷いことも言われて、正直辛かったけど...俺たちよく頑張ったよな。
俺は、ふみ兄さんに褒められたことが嬉しくてたまらなくなり、目の前のふみ兄さんに、気がつけば微笑みかけていた。
そんな俺の様子に『月並み』のメンバー全員が、嬉しそうな表情をしていたのも、また事実であった。
そうして...とうとうウィンター・ソニック・オーディション当日...。
俺達は、緊張した面持ちで、オーディション会場へと足を踏み入れていた。
「...うわっ...これは......凄い。」
「ねぇ、七緒...俺、気持ち悪い...。」
「うわっ!!?...バカ、馬鹿馬鹿!!ここで戻すなよ...!!!」
皆が唖然とするのも無理はない。
...目の前には、まるでゴミのように人の波が行き交っていたからだ。
これが...みんなオーディションを受けに来ている人たちなんだと思うと......恐怖に心臓が押しつぶされそうだった。
それは俺だけじゃなかったらしく......俺の横では、優が固唾を飲み込む音が聞こえてきた。
...そうか...緊張しているのは、俺だけじゃないんだな。
俺は、心の中でこう考えると、近くに集まっている『月並み』のメンバーにこう声をかけたのだった。
「みんな......たーくさん練習したんだ!なぁ???...そんな心配そうな顔しなくても大丈夫だよ。...ほら、自信を持て!!!...いつも元気な翔真は、どこにいったんだよ!!...奏也も、俺がどれだけうるさく言っても、ついてきてくれたじゃないか!!優は、みんなが使う楽器の整備してくれてたし...七緒は、音がおかしいところがあったら、その度に指摘してくれていただろ???俺達が、こんなに頑張ってきた成果は、絶対力となって俺たちについているはずだ!!...だから、リラックスして行こう!」
『...リーダー...。』
「...虎雅。」
「虎雅さん...。」
「ほら、さっさと控室行くぞ。」
俺のこの声に、みんなは意を決したのか、明るい声色で、こう返してきた。
「アイアイサー!!ヨーソロー!!!!」
...俺たちなら、きっといける。
だが、この時の俺...いや、俺たちは、まだ知らなかったんだ...。
このオーディションに...奴らが来ていることなんて...。
奴らから、ある罠を仕掛けられているなんて...この時の俺達は、知る由もなかったのだった。
「うん、いいと思うよ!!...みんなで合わせる箇所もバッチリあってるし!!...きっといける!力は確実についてきているんだ。この調子で...頑張れ!!」
こう言って、俺たちの演奏を聴いていたふみ兄さんは、演奏が終わると手が赤くなるほど、大きな拍手をくれた。
やっとここまで来た。
毎日毎日、ふみ兄さんから酷いことも言われて、正直辛かったけど...俺たちよく頑張ったよな。
俺は、ふみ兄さんに褒められたことが嬉しくてたまらなくなり、目の前のふみ兄さんに、気がつけば微笑みかけていた。
そんな俺の様子に『月並み』のメンバー全員が、嬉しそうな表情をしていたのも、また事実であった。
そうして...とうとうウィンター・ソニック・オーディション当日...。
俺達は、緊張した面持ちで、オーディション会場へと足を踏み入れていた。
「...うわっ...これは......凄い。」
「ねぇ、七緒...俺、気持ち悪い...。」
「うわっ!!?...バカ、馬鹿馬鹿!!ここで戻すなよ...!!!」
皆が唖然とするのも無理はない。
...目の前には、まるでゴミのように人の波が行き交っていたからだ。
これが...みんなオーディションを受けに来ている人たちなんだと思うと......恐怖に心臓が押しつぶされそうだった。
それは俺だけじゃなかったらしく......俺の横では、優が固唾を飲み込む音が聞こえてきた。
...そうか...緊張しているのは、俺だけじゃないんだな。
俺は、心の中でこう考えると、近くに集まっている『月並み』のメンバーにこう声をかけたのだった。
「みんな......たーくさん練習したんだ!なぁ???...そんな心配そうな顔しなくても大丈夫だよ。...ほら、自信を持て!!!...いつも元気な翔真は、どこにいったんだよ!!...奏也も、俺がどれだけうるさく言っても、ついてきてくれたじゃないか!!優は、みんなが使う楽器の整備してくれてたし...七緒は、音がおかしいところがあったら、その度に指摘してくれていただろ???俺達が、こんなに頑張ってきた成果は、絶対力となって俺たちについているはずだ!!...だから、リラックスして行こう!」
『...リーダー...。』
「...虎雅。」
「虎雅さん...。」
「ほら、さっさと控室行くぞ。」
俺のこの声に、みんなは意を決したのか、明るい声色で、こう返してきた。
「アイアイサー!!ヨーソロー!!!!」
...俺たちなら、きっといける。
だが、この時の俺...いや、俺たちは、まだ知らなかったんだ...。
このオーディションに...奴らが来ていることなんて...。
奴らから、ある罠を仕掛けられているなんて...この時の俺達は、知る由もなかったのだった。
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