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第5章「乙四の謎解き開始???」
「大学からの大脱出...!!」
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階段を必死で駆け下りていた俺は、右肩に担いでいる翔真の重みに、少し疲れを感じ始めていた。
それもそのはず、翔真は...あのピアノの部屋からずっと気絶したままで、まったく目を覚ましていないからだ...。
俺は内心こんなことを考えていた。
いい加減、目を覚まして自力で走ってくれないと、もれなく幽霊と化け化けパーティーが、税込価格でついてくるって言うもんだ...。(汗)
言っておくが、これは決して冗談ではないからな...!???
「はぁ、いい加減起きてくれよな...。...おっし...なんとか階段は全部下りきったな。...あとは、ひたすら走って大学校内から出ないと...!!」
俺は、先に走っていった奏也や七緒...優と合流するために、必死で大学の正門へと足を進めていた。
だが...しばらく走って大学の正門が見えた時...何故か三人の姿が正門には無かったことに気がついた。
俺は、もう少し近づいたところで何故、先に着いているはずのメンバーの姿がないのかを理解する事が出来た。
「...嘘だろ...ゲームオーバーか...。(汗)...正門が...完全に外とシャットアウトされている...。どうしたら...。」
俺が、目の前に立ちはだかる、まるでベルリンの壁を思わせる高い正門の壁に...どう対処しようかと考えていると、俺が右肩に担いでいた翔真が目を覚ました??のか、小さくこう呟いた。
「...やばい遅刻遅刻!!!正門がしまってて中に入れない...さぁて、どうしようかな????あっ、そうだ!!...こんな時は、部室棟の壊れかけのフェンダー...じゃなくて...フェンシング...でもなくて......なんだっけ???...あみあみのぉ~『それ...フェンスじゃないのか???』...あっ!そうそう、フェンスだよ~。君ぃ優しいね~、俺は学校に遅刻しちゃうから先に行くねぇ...バイバーイ。(眠)『......いや、遅刻も何も...お前な。ずっと俺の肩で呑気にイビキかいて寝てたじゃねぇかよ!!!...あー、イライラする!!お前、本当は起きてんじゃないのかよ???いっその事、このまま、ここに置き去りにして帰ってやろうかな??...なーんて、したらダメだよな...はぁ。』...んんんー。...グガッ!!『って、イビキ酷いな...!!!!』」
完全に爆睡していた肩乗り男に、半ば半ギレ状態で俺は、翔真の言っていた言葉を思い返していた。
確か...サークル棟の近くに、修理が間に合っていないのか、単に猫が通るための抜け穴通路なのかは分からないが、一箇所だけフェンスが壊れている箇所があったはずだ。
俺は正門が外部と完全にシャットアウトされている今、外に出ることが出来る唯一の場所として...一か八かサークル棟のフェンスを目指して走り出したのだった。
しばらく走り、もう既に右肩と腕の力が限界に達していた時...遠くに外と校内を区別するための、少し高めのフェンスが見えた。
俺は、最後の力を振り絞り、なんとかフェンスまで辿り着くことが出来た。
「はぁ...はぁ...はぁ......着いたはいいが...肝心のフェンスは...。(汗).........あっ...あな小さっ...!!ここ...潜るのか...??」
フェンスの隅の方を見てみると、小さいが確かに穴は空いていた。
だが、大学生が通るにはどう考えても小さい穴だったため、俺は困り果てていた。
俺は少し考えたあと...カバンに入れていた小さな筆箱から、折りたたみ式のハサミを取り出すと、フェンスの邪魔になる所をハサミで切り取ることにした。
案の定、俺と未だ眠りこけている翔真が通れるほどの穴が開く頃には、携帯式のハサミの刃はボロボロに零れていた。
俺は...後で翔真にハサミ代請求しようと考えて、大きくした穴から這い出た。
その後...翔真をフェンスの穴から出そうと腕を引っ張った時...校内の奥からこちらに向かって走ってくる影が見えた...。
俺は、翔真をひっぱる手を止めて、その影から何故だか目を離すことが出来ず、暫く目を凝らして見つめていた。
だが...影が近づき、その正体が徐々に明らかになると、俺は途端に血相を変えて急いで翔真の腕を引っ張り、フェンスから外に出した。
俺がどうしてこんなに焦っていたのかというと......
「...おい......なぁなぁ...嘘だろ!!!!...こんなの現実離れしすぎてるぞ...!!!ホントにこの大学はどうなってるんだよ!??...あの影は......清大の都市伝説になってる...パクばくさんだ...。......うわ!!??...もしかしなくてもこっちに向かってきてる......!!!ヤバい...マジでシャレにならないって!!!(恐)...はやく...早くしないと...!!!」
そう...この大学...ヤバいんですよ...。
都市伝説だからなんだよ...って思ってる奴。
この恐怖がお前たちには、分からないのか!??
俺たちを追っかけてきてたのは、パクばくさんと言って、なんでも夢喰いバクと同じ形態で......バクの形をしているんだが...。
奴に捕まると......自分の恥ずかしい過去全てが、全世界の人間の脳に自動で記憶されるという恐ろしい能力を......。
だから、運悪くあいつに捕まった次の日には、ヤバい意味で目立っちゃうんだよ...。
噂だと思うじゃん!??俺もそう思いたいよ!!!でもね...???
実際に、パクばくさんに捕まった人の話では...マッパで自宅の庭を全力疾走した、清大の同じコースの頭のおかしな奴がいて...そいつが、パクばくさんに捕まった次の日に......学内のどこにいても笑いものになり......その次の日には大学を辞めてしまった...。という実話まで存在するんだ!!
つまり、この大学にいる可愛い見た目のパクばくさんに捕まると最後、人生の全てを失うと思った方がいい...それぐらい凶悪な存在ということなんだ...。
俺は、あと少しでパクばくさんに捕まるところだったが、何とか翔真をフェンスから外に連れ出すことが出来、難を逃れることが出来た...。
それから、また暫く走り...大学の正門に回るとそこには、顔から光の消えた月並みのメンバーが...呆然と突っ立っていた...。
俺は...声をかけながら、みんなに走りよった。
「...おい!!奏也...七緒、優!!...ゴメンな、心配かけて......何とか裏口の方から外に出ることが出来て、ここに帰ってくることが出来た...。」
そんな俺の声に、涙目で駆け寄ってきたのは...紛れもない奏也だった。
「うううっ!!!!...虎雅さん...心配したんですよ~!!!!よかった、無事でよかった...!!!」
「そんな大袈裟な...って言いたいけど、うーん、この話はしない方がいいよな...。」
俺は、みんなにもパクばくさんのことを話そうと思ったが、こんな話をするとみんなに不安をさらに与えてしまうことになりかねないと考え、口を閉ざすことにしたのだった。
そのあとは、翔真も無事に目を覚まし...みんな疲れてて、今日はとりあえず、その場で解散し、また明日、サークル棟で待ち合わせることになった。
パクばくさんは、どうやらこの大学が付けたセキュリティーの一種らしいが.........それは定かではない...。
この大学の夜は...侮れないな...。
俺はこんなことを考えながら、疲れきった体を動かし、帰路へと着くのだった...。
「あっ!!!...翔真にハサミ代と人力タクシー代貰うの忘れてた...!!...くそっ、また明日だな...。少し多めにふんだくってやろうかな...。」
それもそのはず、翔真は...あのピアノの部屋からずっと気絶したままで、まったく目を覚ましていないからだ...。
俺は内心こんなことを考えていた。
いい加減、目を覚まして自力で走ってくれないと、もれなく幽霊と化け化けパーティーが、税込価格でついてくるって言うもんだ...。(汗)
言っておくが、これは決して冗談ではないからな...!???
「はぁ、いい加減起きてくれよな...。...おっし...なんとか階段は全部下りきったな。...あとは、ひたすら走って大学校内から出ないと...!!」
俺は、先に走っていった奏也や七緒...優と合流するために、必死で大学の正門へと足を進めていた。
だが...しばらく走って大学の正門が見えた時...何故か三人の姿が正門には無かったことに気がついた。
俺は、もう少し近づいたところで何故、先に着いているはずのメンバーの姿がないのかを理解する事が出来た。
「...嘘だろ...ゲームオーバーか...。(汗)...正門が...完全に外とシャットアウトされている...。どうしたら...。」
俺が、目の前に立ちはだかる、まるでベルリンの壁を思わせる高い正門の壁に...どう対処しようかと考えていると、俺が右肩に担いでいた翔真が目を覚ました??のか、小さくこう呟いた。
「...やばい遅刻遅刻!!!正門がしまってて中に入れない...さぁて、どうしようかな????あっ、そうだ!!...こんな時は、部室棟の壊れかけのフェンダー...じゃなくて...フェンシング...でもなくて......なんだっけ???...あみあみのぉ~『それ...フェンスじゃないのか???』...あっ!そうそう、フェンスだよ~。君ぃ優しいね~、俺は学校に遅刻しちゃうから先に行くねぇ...バイバーイ。(眠)『......いや、遅刻も何も...お前な。ずっと俺の肩で呑気にイビキかいて寝てたじゃねぇかよ!!!...あー、イライラする!!お前、本当は起きてんじゃないのかよ???いっその事、このまま、ここに置き去りにして帰ってやろうかな??...なーんて、したらダメだよな...はぁ。』...んんんー。...グガッ!!『って、イビキ酷いな...!!!!』」
完全に爆睡していた肩乗り男に、半ば半ギレ状態で俺は、翔真の言っていた言葉を思い返していた。
確か...サークル棟の近くに、修理が間に合っていないのか、単に猫が通るための抜け穴通路なのかは分からないが、一箇所だけフェンスが壊れている箇所があったはずだ。
俺は正門が外部と完全にシャットアウトされている今、外に出ることが出来る唯一の場所として...一か八かサークル棟のフェンスを目指して走り出したのだった。
しばらく走り、もう既に右肩と腕の力が限界に達していた時...遠くに外と校内を区別するための、少し高めのフェンスが見えた。
俺は、最後の力を振り絞り、なんとかフェンスまで辿り着くことが出来た。
「はぁ...はぁ...はぁ......着いたはいいが...肝心のフェンスは...。(汗).........あっ...あな小さっ...!!ここ...潜るのか...??」
フェンスの隅の方を見てみると、小さいが確かに穴は空いていた。
だが、大学生が通るにはどう考えても小さい穴だったため、俺は困り果てていた。
俺は少し考えたあと...カバンに入れていた小さな筆箱から、折りたたみ式のハサミを取り出すと、フェンスの邪魔になる所をハサミで切り取ることにした。
案の定、俺と未だ眠りこけている翔真が通れるほどの穴が開く頃には、携帯式のハサミの刃はボロボロに零れていた。
俺は...後で翔真にハサミ代請求しようと考えて、大きくした穴から這い出た。
その後...翔真をフェンスの穴から出そうと腕を引っ張った時...校内の奥からこちらに向かって走ってくる影が見えた...。
俺は、翔真をひっぱる手を止めて、その影から何故だか目を離すことが出来ず、暫く目を凝らして見つめていた。
だが...影が近づき、その正体が徐々に明らかになると、俺は途端に血相を変えて急いで翔真の腕を引っ張り、フェンスから外に出した。
俺がどうしてこんなに焦っていたのかというと......
「...おい......なぁなぁ...嘘だろ!!!!...こんなの現実離れしすぎてるぞ...!!!ホントにこの大学はどうなってるんだよ!??...あの影は......清大の都市伝説になってる...パクばくさんだ...。......うわ!!??...もしかしなくてもこっちに向かってきてる......!!!ヤバい...マジでシャレにならないって!!!(恐)...はやく...早くしないと...!!!」
そう...この大学...ヤバいんですよ...。
都市伝説だからなんだよ...って思ってる奴。
この恐怖がお前たちには、分からないのか!??
俺たちを追っかけてきてたのは、パクばくさんと言って、なんでも夢喰いバクと同じ形態で......バクの形をしているんだが...。
奴に捕まると......自分の恥ずかしい過去全てが、全世界の人間の脳に自動で記憶されるという恐ろしい能力を......。
だから、運悪くあいつに捕まった次の日には、ヤバい意味で目立っちゃうんだよ...。
噂だと思うじゃん!??俺もそう思いたいよ!!!でもね...???
実際に、パクばくさんに捕まった人の話では...マッパで自宅の庭を全力疾走した、清大の同じコースの頭のおかしな奴がいて...そいつが、パクばくさんに捕まった次の日に......学内のどこにいても笑いものになり......その次の日には大学を辞めてしまった...。という実話まで存在するんだ!!
つまり、この大学にいる可愛い見た目のパクばくさんに捕まると最後、人生の全てを失うと思った方がいい...それぐらい凶悪な存在ということなんだ...。
俺は、あと少しでパクばくさんに捕まるところだったが、何とか翔真をフェンスから外に連れ出すことが出来、難を逃れることが出来た...。
それから、また暫く走り...大学の正門に回るとそこには、顔から光の消えた月並みのメンバーが...呆然と突っ立っていた...。
俺は...声をかけながら、みんなに走りよった。
「...おい!!奏也...七緒、優!!...ゴメンな、心配かけて......何とか裏口の方から外に出ることが出来て、ここに帰ってくることが出来た...。」
そんな俺の声に、涙目で駆け寄ってきたのは...紛れもない奏也だった。
「うううっ!!!!...虎雅さん...心配したんですよ~!!!!よかった、無事でよかった...!!!」
「そんな大袈裟な...って言いたいけど、うーん、この話はしない方がいいよな...。」
俺は、みんなにもパクばくさんのことを話そうと思ったが、こんな話をするとみんなに不安をさらに与えてしまうことになりかねないと考え、口を閉ざすことにしたのだった。
そのあとは、翔真も無事に目を覚まし...みんな疲れてて、今日はとりあえず、その場で解散し、また明日、サークル棟で待ち合わせることになった。
パクばくさんは、どうやらこの大学が付けたセキュリティーの一種らしいが.........それは定かではない...。
この大学の夜は...侮れないな...。
俺はこんなことを考えながら、疲れきった体を動かし、帰路へと着くのだった...。
「あっ!!!...翔真にハサミ代と人力タクシー代貰うの忘れてた...!!...くそっ、また明日だな...。少し多めにふんだくってやろうかな...。」
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