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第2章 「俺たちの仲間に!」
俺たちと一緒に...。
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虎雅と翔真は、いつもの雰囲気で会話を繰り広げながら、いつの間にか優の家にたどり着いていた。
優の家は、とても綺麗とは言い難い...古い日本建築の家だった。
「...ここが...優さんの家??...なんか意外。」
「あぁ、間違いないだろう...お前、失礼だぞ??......でも、表札が...紫翠...では無い??」
虎雅と翔真が玄関前で、本当にここが優の家であっているのか話し合っていると、その声に気がついたのか、中から幼稚園??の制服を着た男の子が出てきた。
「お兄ちゃん達...誰???」
よく見ると、男の子は...この間、優と一緒におじさんの楽器店に来ていた子と同一人物だった。
翔真は、その事に気がつくと男の子の前に屈み、ニッコリと微笑みかけ、こう話し出したのだった。
「優さんは...君のお兄さんは、今家にいるかな??お兄さん達、優さんと少し...お話したいことがあって...。」
「ん???...あっ、あの時の変なお兄ちゃんたちか!!!...ゆう兄ちゃんだね??ちょっと待ってて!!」
こう言うと、小走りで家の中に入っていき、暫くすると中から、明らかに警戒心を露わにした優が、訝しげな顔をして玄関から外に出てきた。
「...っ!??」
虎雅と翔真のことを目に留めると、優は、焦った顔をして急いで家の中に戻ろうと踵を返した。が...
そんな優の様子に虎雅は、慌てた声をかけて引き留めた。
「あっ、ちょっと待ってください!!!...昨日は、大変失礼しました。...その...少しお話したいことが...『...なんですか...俺は、話すことなんて何も...』...その...悪魔の曲についてです...。『...っ!???』その~...少し...散歩でもしませんか...???」
虎雅の言葉に、一瞬肩をビクッとさせた優に、虎雅は有無を言わさない質問の仕方をして...あまり乗り気でない優を無理やり散歩へと誘ったのだった。
「...。」
「...。」
「...。」
虎雅も翔真も優も、ただ己のコツコツという歩みの音だけが静かに響く中、歩き続けていた。
そんな沈黙を破ったのは、翔真だった。
「あの~、優さんは...おじさんのこと嫌いじゃないんですよね...。ただ、怖かったんですよね...。」
「...っ!?いきなりなんですか!?...一体なんのことですか...??俺は、おじさんが大嫌いで『分かるんですよ。優さんが、心配そうにおじさんを見つめている...そんな様子を見ちゃったら...。優さんは、悪魔の曲の恐ろしさについて、既に知っていたんですよね...。』...だから!!そんな...っ......もう、黙ってても仕方ないか...。」
翔真の言葉に始めは、シラを切ろうと必死だったが、翔真に自分の内情を言い当てられ、もう黙っておくことは出来ないと悟った優は、大きく息をつくと...隣を歩く二人にゆっくりと話し出したのだった。
「...確かに俺は、変わっていくおじさんが怖かった...。おじさんは、俺が初めてであった時と、すっかり変わってしまって...君たちが初めてあの店を訪れた時、俺はバックヤードであの悪魔の曲を弾いていた。...俺が弾いている間は、おじさんは音を聴いているだけで、悪魔の曲を弾きたい...極めたいという感情からは解放されるんだ...。あの時から既におじさんは、狂ってしまっていた...。一度、お店が終わった時にどうしてもピアノが弾きたくて、弟達を寝かし付けてから、こっそりあの店を訪れたんだ。...いつもの様に、『やぁ...また、来たんだね!!さぁ、好きなだけピアノを弾いていきなさい。』と言って、バックヤードに招き入れてくれると思っていたんだ...でも、その日は違った。店は何故か真っ暗で...でも、鍵は開いていて...俺は、恐る恐る店の中に入ったんだ。そしたらバックヤードだけ明かりがついていて、怖々とバックヤードに足を進めると...そこには、眉間に皺を寄せて、苦痛を伴いながら、一心不乱にピアノを叩く...俺の知らないおじさんがいた...。俺は、ビックリしてしまった...おじさんが、今まで一度もあんなに荒くピアノを扱っているのを見た事がなかったから...。それに...ピアノを弾いている音が...あんなに雑だったのも...。正直...怖かった...おじさんが...おじさんでなくなるようで...とても怖かった...。だから、俺は君たちが俺をバンドに誘ったあの日に、おじさんから逃げるために...あの店を...あの店から離れることに決めたんだ。」
「...っ...。」
「...それは...。」
優の話を最後まで聞いた虎雅と翔真は、目を丸くして、とても重い話の内容に何を切り出したらいいのかを、ずっと考えていた。
優は、目に涙を溜めてただじっと、月の輝く夜空を見上げていた。
そんな優に翔真は、静かにこう言った。
「その...優さんは...。すみません...俺達も昨日実は、変わり果てたおじさんの様子を見てしまったんです...。おじさんは、俺たちに悪魔の曲の恐ろしさについて話してくれました。...危険物は...悪魔の曲だと...あの曲に取り憑かれれば、一生...終わりのないレールの上を走ることなると...。...だから、優さんがおじさんから逃げ出したのは...自己防衛です...。俺達も...昨日、豹変したおじさんに一回しか会ってないけど...もう、あの店に行きたくないと...おじさんに会うのが怖いと...そう思ってしまいました...。」
翔真の言葉にそれまで黙っていた虎雅も、続けてこう口にした。
「そうだ...翔真...俺も、俺もおじさんに会うのが...怖い...。だから、優さんは...あの場から逃げてよかったんです。自分の身を守るために...逃げるのが正解だったんです。」
虎雅と翔真の言葉に、さらに涙を流した優は、暫く泣き止むことができなかった。
またそんな優の姿を、虎雅と翔真は、優しい表情でじっと見守るのだった。
優の家は、とても綺麗とは言い難い...古い日本建築の家だった。
「...ここが...優さんの家??...なんか意外。」
「あぁ、間違いないだろう...お前、失礼だぞ??......でも、表札が...紫翠...では無い??」
虎雅と翔真が玄関前で、本当にここが優の家であっているのか話し合っていると、その声に気がついたのか、中から幼稚園??の制服を着た男の子が出てきた。
「お兄ちゃん達...誰???」
よく見ると、男の子は...この間、優と一緒におじさんの楽器店に来ていた子と同一人物だった。
翔真は、その事に気がつくと男の子の前に屈み、ニッコリと微笑みかけ、こう話し出したのだった。
「優さんは...君のお兄さんは、今家にいるかな??お兄さん達、優さんと少し...お話したいことがあって...。」
「ん???...あっ、あの時の変なお兄ちゃんたちか!!!...ゆう兄ちゃんだね??ちょっと待ってて!!」
こう言うと、小走りで家の中に入っていき、暫くすると中から、明らかに警戒心を露わにした優が、訝しげな顔をして玄関から外に出てきた。
「...っ!??」
虎雅と翔真のことを目に留めると、優は、焦った顔をして急いで家の中に戻ろうと踵を返した。が...
そんな優の様子に虎雅は、慌てた声をかけて引き留めた。
「あっ、ちょっと待ってください!!!...昨日は、大変失礼しました。...その...少しお話したいことが...『...なんですか...俺は、話すことなんて何も...』...その...悪魔の曲についてです...。『...っ!???』その~...少し...散歩でもしませんか...???」
虎雅の言葉に、一瞬肩をビクッとさせた優に、虎雅は有無を言わさない質問の仕方をして...あまり乗り気でない優を無理やり散歩へと誘ったのだった。
「...。」
「...。」
「...。」
虎雅も翔真も優も、ただ己のコツコツという歩みの音だけが静かに響く中、歩き続けていた。
そんな沈黙を破ったのは、翔真だった。
「あの~、優さんは...おじさんのこと嫌いじゃないんですよね...。ただ、怖かったんですよね...。」
「...っ!?いきなりなんですか!?...一体なんのことですか...??俺は、おじさんが大嫌いで『分かるんですよ。優さんが、心配そうにおじさんを見つめている...そんな様子を見ちゃったら...。優さんは、悪魔の曲の恐ろしさについて、既に知っていたんですよね...。』...だから!!そんな...っ......もう、黙ってても仕方ないか...。」
翔真の言葉に始めは、シラを切ろうと必死だったが、翔真に自分の内情を言い当てられ、もう黙っておくことは出来ないと悟った優は、大きく息をつくと...隣を歩く二人にゆっくりと話し出したのだった。
「...確かに俺は、変わっていくおじさんが怖かった...。おじさんは、俺が初めてであった時と、すっかり変わってしまって...君たちが初めてあの店を訪れた時、俺はバックヤードであの悪魔の曲を弾いていた。...俺が弾いている間は、おじさんは音を聴いているだけで、悪魔の曲を弾きたい...極めたいという感情からは解放されるんだ...。あの時から既におじさんは、狂ってしまっていた...。一度、お店が終わった時にどうしてもピアノが弾きたくて、弟達を寝かし付けてから、こっそりあの店を訪れたんだ。...いつもの様に、『やぁ...また、来たんだね!!さぁ、好きなだけピアノを弾いていきなさい。』と言って、バックヤードに招き入れてくれると思っていたんだ...でも、その日は違った。店は何故か真っ暗で...でも、鍵は開いていて...俺は、恐る恐る店の中に入ったんだ。そしたらバックヤードだけ明かりがついていて、怖々とバックヤードに足を進めると...そこには、眉間に皺を寄せて、苦痛を伴いながら、一心不乱にピアノを叩く...俺の知らないおじさんがいた...。俺は、ビックリしてしまった...おじさんが、今まで一度もあんなに荒くピアノを扱っているのを見た事がなかったから...。それに...ピアノを弾いている音が...あんなに雑だったのも...。正直...怖かった...おじさんが...おじさんでなくなるようで...とても怖かった...。だから、俺は君たちが俺をバンドに誘ったあの日に、おじさんから逃げるために...あの店を...あの店から離れることに決めたんだ。」
「...っ...。」
「...それは...。」
優の話を最後まで聞いた虎雅と翔真は、目を丸くして、とても重い話の内容に何を切り出したらいいのかを、ずっと考えていた。
優は、目に涙を溜めてただじっと、月の輝く夜空を見上げていた。
そんな優に翔真は、静かにこう言った。
「その...優さんは...。すみません...俺達も昨日実は、変わり果てたおじさんの様子を見てしまったんです...。おじさんは、俺たちに悪魔の曲の恐ろしさについて話してくれました。...危険物は...悪魔の曲だと...あの曲に取り憑かれれば、一生...終わりのないレールの上を走ることなると...。...だから、優さんがおじさんから逃げ出したのは...自己防衛です...。俺達も...昨日、豹変したおじさんに一回しか会ってないけど...もう、あの店に行きたくないと...おじさんに会うのが怖いと...そう思ってしまいました...。」
翔真の言葉にそれまで黙っていた虎雅も、続けてこう口にした。
「そうだ...翔真...俺も、俺もおじさんに会うのが...怖い...。だから、優さんは...あの場から逃げてよかったんです。自分の身を守るために...逃げるのが正解だったんです。」
虎雅と翔真の言葉に、さらに涙を流した優は、暫く泣き止むことができなかった。
またそんな優の姿を、虎雅と翔真は、優しい表情でじっと見守るのだった。
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