俺の兄貴、俺の弟...

日向 ずい

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尊...話し合おう...。(都和目線です。)

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 ...俺は...程よくお酒を飲んだ後に、家に帰るため暗い夜道を歩いていた...。
 帰ったら、尊としっかり話し合おう。
 そう思っていた時...思い出の公園の横を通り過ぎた瞬間
「...たける...これからも...。」
なんていう会話が聞こえてきて、一気に酔いが覚めた...。
 今...たけるって...。そう声が聞こえたのは、俺たちの思い出の公園の中からだった...。
 俺は、嫌な予感がして公園に入り植栽の茂みに隠れると、声のするベンチの方をじっと見つめた...。
 するとそこには...たけると...あれは...恋くん!?なんでこんな遅くに2人で...。
 俺は、びっくりして声を上げそうだったが、必死に抑えて...2人の様子を見た。
...たけるが、恋の方を見て
「...もちろん...恋とは、これからもずっと一緒にいたいし!それにほら、俺たちって最高のコンビだろ??」
と言っていた。
 俺は...悟ってしまった...あぁ、遅かったな...たけるは...もう...。
 こう思って、俺は立ち上がると公園の出口に向かって歩き出した...が、ベンチに座る二人に見つかってしまった...。
おもむろにこちらに近づいてきた恋くんに
「...あっ、やっぱり都和さんだった。...あの、少し話しませんか...??」
と言って俺をベンチの方に招いた。
 俺は...必死に考えていた...このままで...本当にいいのだろうか...恋くんに...たけるを取られてしまっても......。
 ...いやだ...いやだいやだいやだ...誰にも渡したくない...俺のわがままだが...たけるからなんと思われようと...俺は...たけるとずっと一緒にいたい...。
 こう思った俺は、恋くんに意を決して聞いてみた。
「...その...ふたりは...最近...どうなんだ...??(汗)」
 俺は、できるだけ動揺を悟られないように質問した。
 すると一瞬空気が固まったかと思ったら次の瞬間...尊が笑い出した。
 俺は、訳が分からなくて首をかしげながら尊を見つめると、それにつられて恋くんまで笑い出した...。
 ...俺は...どうしようもなくなって...笑い合うふたりを交互に見た。
 すると、恋くんが
「まだ...あきらめたわけではないので...尊のこと...泣かせたり...絶対にしないでくださいね...?俺の大切な...友達だから...。」
 こういって、恋くんは用事があると言って帰ってしまった...。

 残された俺とたけるは、互いに気まずくなり...しばらく両者無言のままだったが、俺は勇気を振り絞って
 「...たける...帰ろう...。...その...帰ったらお前に話したいことがあるから...。」
 こう俺が言うとたけるは、一瞬目を見開いて俺の方を見ると
「...あぁ...分かった...俺も、兄貴に話したいことがあるんだ...。」
と言って立ち上がると緊迫した空気の中、二人並んで家へと向かって歩き出した...。

 その様子を陰ながら、見ていた恋は、
「...たける...お前なら大丈夫だ!!」
 こう独りごちてガッツポーズをしていた...。
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