秋良のシェアハウス 2 〜新たな住人??〜

日向 ずい

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「作戦開始!」

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 俺たちは、䴇がいない間に、密かに作戦の準備をしていた。

 そして、今日ついに䴇にこの作戦を仕掛けることに...。

「まさか、䴇にこの部屋を使うことになるとはね。鈴斗さん、やっぱりドSだよね...。まぁ、見る方からすると、結構楽しいからいいんだけどさ。」

「虎太郎...ドSとは侵害だなぁ。俺はあくまで、楽しいことが好きだからね??それで、龍??䴇が、ちゃんとこの部屋に来るように、仕向けてくれたんだよね???」

「もちろん。準備は万端だ。俺はそれよりも、鈴斗さんのドSの強さに、軽く冷や汗が出てるよ...。」

 俺たちは、ある部屋の中で息を潜め、䴇がこの部屋を訪ねてくるのを、心待ちにしていた。

 そう、俺たちがいるこの部屋は、通常シェアハウスの規則を破った者が、罰として入れられるお仕置き部屋なのだが...。

 今日は、秋良をこのシェアハウスに連れ戻すため、変な企みをしていた䴇を、せっかくなら少し懲らしめて、何故こんな事をしでかしたのかを、問いただそうという名目で使うことになったんだ。

 そうこうしているうちに、誰かが階段を上ってくる音が聞こえ、一斉に声を潜め、配置についた。

「あの~、皆さん...。何処ですか??お話って...『今だ!!!かかれ!!!!』えっ!?ちょっと!??おい、痛っ!!!!なにすんだよ!!おい、コラッ!!!」

 俺たちは、何も知らず部屋の中に入ってきた䴇を、一斉に取り囲み、手足をガムテープでぐるぐる巻きにして、䴇の動きを封じると、䴇に向かって声を発した。

「なぁ、䴇??ごめんな、ちょ~っと、聞きたいことがあって。単刀直入に言う。秋良とお前で一体...何を企んでいたんだ??正確には、秋良は、何故このシェアハウスを出て行った??...しらばっくれるなよ???言っとくけど、お前と秋良が、狩人のアジトで会っていたことは、とっくにばれてるから。分かったら、おとなしくお前の持っている秘密を吐くことだな。」

「はぁ??知ってたところで、誰が教えるかよ!!」

 俺たちは、当然こうなることを予想していた。

 だから、このお仕置き部屋の例の物を使って、䴇の口を割らせる事が、本当の目的だ。

 俺たちは暗闇の中、俺たちにしか分からないシェアハウス用語『ミラー』を使うと、全員で目にサングラス、そして耳には耳栓を着用し、俺の『行くぞ!!』という声と共に、鈴斗さんが部屋の電気をつけた。

 すると次の瞬間、悲鳴にも似た叫び声が、部屋の中に響き渡った。

「うっ、ギャァアアーーーーー!!!!!!たっ、助けて...。ねぇ、誰か!!!!お願い...!!!!!俺は...。やだっ!!!!!くるな!!!!あっち行けよ!!!こっちにくるなーーーー!!!!!!」

 俺たちは、耳栓とサングラスをしているから全く何が起きているのか分からないが、サングラスと耳栓を外すと、そこには、決して見えてはいけないものが、大量に見えて...。

 そして耳からは、絶えずそれはそれは恐ろしい獣のようなうなり声が聞こえてくるのだ。

 はっきり言うと、この部屋はしゃれにならないほどの恐怖を持ち合わせているのである。

 だが、サングラスを通してこの部屋を見ると、罰せられている人が、一人で腰を抜かして、必死に逃げようとする姿に見えるため、鈴斗さんのようなドSな人には、もってこいのお仕置き部屋ということである。

 この間、虎太郎も秋良に手を出したせいで、この部屋に入れられて、約一週間は、まともに歩くことが出来なかったと言って、ずっと鈴斗さんにぐちぐち言っていたぐらいだから、相当怖くて、体力を奪われることは、間違いないのである。

 そうして、䴇に恐怖を味わわせてから、15分が経とうとしていたとき、鈴斗さんから終了の合図が下され、部屋が再び暗闇に包まれた。

 俺は、サングラスと耳栓を取ると、床にじっとしたまま荒く呼吸だけを繰り返している䴇に向かってこう話しかけた。

「おい、䴇??これで、分かっただろう??お前は、俺たちの罠にひっかかったんだ。分かったら、お前の企みについて話せ。さもなくば、お前をこの部屋に24時間以上閉じ込めるからな。言っとくけど、これは脅しでも何でも無いから。」

「...わっわかったよ。はなす。話せばいいんだろう??」

 こう言うと、䴇はガムテープを外して、リビングで話そうと言ってきた。

 確かに、いつまでもこの部屋に入れて置くと、精神が異常をきたすと言うし...。

 俺たちは仕方なく、リビングに行って䴇の話を聞くことにしたのだった。

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