41 / 61
「大学で見てしまった...真実。」
しおりを挟む
俺は、なんてことをしてしまったんだろう。
秋良を連れ戻さないと...秋良を助けないと。
俺が、こう考えるようになったきっかけは、すっかり崩壊してしまったシェアハウスから、大学に通っていたある日。
講義と講義の空きコマの時間に俺は、なんとなく外をウロウロしたくなって、久々に一人で校内をのんびり歩いていたんだ。
すると秋良と䴇が、一緒に歩いている姿を見つけてしまい、普段なら素通りするはずなのだが...。
何故か今日は、妙な胸騒ぎがして、秋良と䴇の後をつけることにしたんだ。
そしたら、二人がたどり着いた場所は、1年前...秋良と俺が狩人から...叶芽さんから脅された、狩人のアジトだったんだ。
俺は、その瞬間嫌な汗が背中を伝うのか分かった。
秋良と䴇が建物内に入っていったのを確認すると、危険を承知で、二人の後を追って、俺もアジトに足を踏み入れた。
二人が、足を止めたのは...俺が1年前、叶芽さんにひどく殴られた部屋だった。
俺は、部屋の中に入りたかったが、外から女の人の声が聞こえたため、危険を察知して、離れ難かったが一旦この建物から出ることにした。
何とか、誰にも見つからずに建物の外に出ることは出来たけど...。
俺の頭の中は、秋良と䴇の事でいっぱいだった。
秋良と䴇が部屋で話していた内容を思い出して俺は、自分の手のひらを血がにじむほど、きつく握り、そして耐えきれずに叫んだんだ。
「それで、いつになったらあいつ...龍と別れてくれるわけ??俺、もうそろそろ時間が無いんだけど??」
「...俺が、シェアハウスを出たことで、龍とも縁を切ったことになるだろ??これじゃ不満か??龍とは会ってないんだよ!!もうこれで気が済んだだろ???一体何が不満なんだよ!!!」
「何が不満って...。お前たちが、毎日幸せそうににこにこ笑っているのが、気にくわないんだよ。あんなつまらない人間なんて見て、何が楽しいんだよ!!それに、お前がいっつもにこにこしているのが、気にくわない。分かったか??」
「そんなの、䴇くんの勝手じゃないか!!!俺が、シェアハウスを出て行けば、龍やあの人たちには、危害を加えないっていう約束だったんじゃないのかよ!!!これじゃ、話が違うじゃないか!!!」
「ハハハッ、お前...ほんものの馬鹿だな。俺が言ったこと全部鵜呑みにしたんだな。そんなの初めから、嘘に決まってんじゃん。なのに、素直に信じちゃってさ!」
「...なんで、シェアハウスの仲まで壊すんだよ!!!あの人たちは、無関係なんじゃないのか!!!おまえ悪趣味にも、限度があるだろ!!!人の人生めちゃくちゃにした上に、その人の人間関係まで壊すとか、何処までやれば気が済むんだよ!!!今すぐにでも、殺してやろうか???俺の、大切な人たちの人生返せよ!!!俺の大切な人たちの人間関係を元に戻せよ!!!後処理も出来ないのに、生意気抜かすな...この卑怯者!!!!」
「痛っ!!何すんだよ!!...あっ、ふ~ん、なるほどねぇ??俺さぁ、シェアハウスの奴に聞いたんだけど、お前は、拳は殴るためにあるんじゃ無いって。そんなきれい事言ってたみたいだけど、よく考えたら、お前...俺を殴っちゃってるじゃん。」
「あぁ、そうだよ。確かに言った。いかなる理由があろうとも、人を殴ったらいけないことは、俺が一番よく分かっている。それと引き換えに俺は...もう二度とシェアハウスに戻らない。つまり、お前の望む結果が得られるだろ??分かったら、お前も一週間以内にあのシェアハウスから出て行け。」
「はぁ、分かったよ。秋良くんにしたら、いい判断なんじゃないの??まぁ、そうだよねぇ。人間殴っちゃいけないとか言ってた奴が、平気で人間殴ってるし??いいよ。秋良くんのその歪んだ性格に免じて、俺は約束通り一週間以内にあのシェアハウスを出て行ってあげるよ。」
この話を聞いた俺は、ぐっと唇をかみ、部屋の外に出て、秋良と䴇の真実を知ってしまったことから、ひどい罪悪感にさいなまれていた。
苦しい胸に宿る様々な気持ち、あふれ出る感情を何とかしたくて、俺は声が枯れるほど、その場で泣き叫んでいたのだった。
そうしないと、秋良の気持ちに気づかず、今までぼーっとしていた自分が憎たらしく感じ、今すぐにでも、自分の首を絞めて死のうとしてしまいそうだったから。
秋良を連れ戻さないと...秋良を助けないと。
俺が、こう考えるようになったきっかけは、すっかり崩壊してしまったシェアハウスから、大学に通っていたある日。
講義と講義の空きコマの時間に俺は、なんとなく外をウロウロしたくなって、久々に一人で校内をのんびり歩いていたんだ。
すると秋良と䴇が、一緒に歩いている姿を見つけてしまい、普段なら素通りするはずなのだが...。
何故か今日は、妙な胸騒ぎがして、秋良と䴇の後をつけることにしたんだ。
そしたら、二人がたどり着いた場所は、1年前...秋良と俺が狩人から...叶芽さんから脅された、狩人のアジトだったんだ。
俺は、その瞬間嫌な汗が背中を伝うのか分かった。
秋良と䴇が建物内に入っていったのを確認すると、危険を承知で、二人の後を追って、俺もアジトに足を踏み入れた。
二人が、足を止めたのは...俺が1年前、叶芽さんにひどく殴られた部屋だった。
俺は、部屋の中に入りたかったが、外から女の人の声が聞こえたため、危険を察知して、離れ難かったが一旦この建物から出ることにした。
何とか、誰にも見つからずに建物の外に出ることは出来たけど...。
俺の頭の中は、秋良と䴇の事でいっぱいだった。
秋良と䴇が部屋で話していた内容を思い出して俺は、自分の手のひらを血がにじむほど、きつく握り、そして耐えきれずに叫んだんだ。
「それで、いつになったらあいつ...龍と別れてくれるわけ??俺、もうそろそろ時間が無いんだけど??」
「...俺が、シェアハウスを出たことで、龍とも縁を切ったことになるだろ??これじゃ不満か??龍とは会ってないんだよ!!もうこれで気が済んだだろ???一体何が不満なんだよ!!!」
「何が不満って...。お前たちが、毎日幸せそうににこにこ笑っているのが、気にくわないんだよ。あんなつまらない人間なんて見て、何が楽しいんだよ!!それに、お前がいっつもにこにこしているのが、気にくわない。分かったか??」
「そんなの、䴇くんの勝手じゃないか!!!俺が、シェアハウスを出て行けば、龍やあの人たちには、危害を加えないっていう約束だったんじゃないのかよ!!!これじゃ、話が違うじゃないか!!!」
「ハハハッ、お前...ほんものの馬鹿だな。俺が言ったこと全部鵜呑みにしたんだな。そんなの初めから、嘘に決まってんじゃん。なのに、素直に信じちゃってさ!」
「...なんで、シェアハウスの仲まで壊すんだよ!!!あの人たちは、無関係なんじゃないのか!!!おまえ悪趣味にも、限度があるだろ!!!人の人生めちゃくちゃにした上に、その人の人間関係まで壊すとか、何処までやれば気が済むんだよ!!!今すぐにでも、殺してやろうか???俺の、大切な人たちの人生返せよ!!!俺の大切な人たちの人間関係を元に戻せよ!!!後処理も出来ないのに、生意気抜かすな...この卑怯者!!!!」
「痛っ!!何すんだよ!!...あっ、ふ~ん、なるほどねぇ??俺さぁ、シェアハウスの奴に聞いたんだけど、お前は、拳は殴るためにあるんじゃ無いって。そんなきれい事言ってたみたいだけど、よく考えたら、お前...俺を殴っちゃってるじゃん。」
「あぁ、そうだよ。確かに言った。いかなる理由があろうとも、人を殴ったらいけないことは、俺が一番よく分かっている。それと引き換えに俺は...もう二度とシェアハウスに戻らない。つまり、お前の望む結果が得られるだろ??分かったら、お前も一週間以内にあのシェアハウスから出て行け。」
「はぁ、分かったよ。秋良くんにしたら、いい判断なんじゃないの??まぁ、そうだよねぇ。人間殴っちゃいけないとか言ってた奴が、平気で人間殴ってるし??いいよ。秋良くんのその歪んだ性格に免じて、俺は約束通り一週間以内にあのシェアハウスを出て行ってあげるよ。」
この話を聞いた俺は、ぐっと唇をかみ、部屋の外に出て、秋良と䴇の真実を知ってしまったことから、ひどい罪悪感にさいなまれていた。
苦しい胸に宿る様々な気持ち、あふれ出る感情を何とかしたくて、俺は声が枯れるほど、その場で泣き叫んでいたのだった。
そうしないと、秋良の気持ちに気づかず、今までぼーっとしていた自分が憎たらしく感じ、今すぐにでも、自分の首を絞めて死のうとしてしまいそうだったから。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
人外シェアハウス
いつかの天使
BL
日本とは似ても似つかない人と人以外の種族が共存する世界。全てがご都合主義であり、なんでもやり放題な世界。そんな世界にある、どこか訳アリの人外たちが集まるシェアハウスの話。
ようこそ、管理人さん。これからはあなたがここの管理人です。

ハルとアキ
花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』
双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。
しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!?
「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。
だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。
〝俺〟を愛してーー
どうか気づいて。お願い、気づかないで」
----------------------------------------
【目次】
・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉
・各キャラクターの今後について
・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉
・リクエスト編
・番外編
・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉
・番外編
----------------------------------------
*表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) *
※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。
※心理描写を大切に書いてます。
※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

秋良のシェアハウス。(ワケあり)
日向 ずい
BL
物語内容
俺は...大学1年生の神代 秋良(かみしろ あきら)。新しく住むところ...それは...男ばかりのシェアハウス!?5人暮らしのその家は...まるで地獄!プライバシーの欠けらも無い...。だが、俺はそこで禁断の恋に落ちる事となる...。
登場人物
・神代 秋良(かみしろ あきら)
18歳 大学1年生。
この物語の主人公で、これからシェアハウスをする事となる。(シェアハウスは、両親からの願い。)
・阿久津 龍(あくつ りゅう)
21歳 大学3年生。
秋良と同じ大学に通う学生。
結構しっかりもので、お兄ちゃん見たいな存在。(兄みたいなのは、彼の過去に秘密があるみたいだが...。)
・水樹 虎太郎(みずき こたろう)
17歳 高校2年生。
すごく人懐っこい...。毎晩、誰かの布団で眠りにつく。シェアハウスしている仲間には、苦笑いされるほど...。容姿性格ともに可愛いから、男女ともにモテるが...腹黒い...。(それは、彼の過去に問題があるみたい...。)
・榛名 青波(はるな あおば)
29歳 社会人。
新しく入った秋良に何故か敵意むき出し...。どうやら榛名には、ある秘密があるみたいで...それがきっかけで秋良と仲良くなる...みたいだが…?
・加来 鈴斗(かく すずと)
34歳 社会人 既婚者。
シェアハウスのメンバーで最年長。完璧社会人で、大人の余裕をかましてくるが、何故か婚約相手の女性とは、別居しているようで...。その事は、シェアハウスの人にあんまり話さないようだ...。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる