秋良のシェアハウス 2 〜新たな住人？？〜

「秋良さんって...。」

 秋良と䴇は、大学近くにあるカフェに来ていた。

「あの...それで、䴇くん...俺に話って言うのは...？？」

「...あっ、単刀直入に聞きますね。...秋良さんって...男の人が好きなんですか...？？」

「えっ！？...今なんて！？？」

「だから、シェアハウスの人と、毎日あんなことしてるのかって聞いてるの！！...ったく、一回で聞き取れよな？」

 䴇は、秋良の態度にイラッとして、グチグチと文句を言い出した。

 そんな䴇に、ビクッと肩を震わせながら秋良は、こう答えた。

「いや、俺が進んでやってる訳じゃなくて...その...一年前は、こんな感じじゃなかったんだけど...『ふーん、じゃあ、あの人たちが秋良を好き勝手に食い物にしてるってわけか。』...ちょっと！！その言い方！！！...別に...食べられてるわけじゃ...。」

 秋良は、䴇の言いように、恥ずかしくなったため、咄嗟に声を荒らげて反論した。

 そんな秋良の様子に耳を塞いで、露骨に嫌な顔をした䴇は、秋良に不機嫌な顔でこう言った。

「...っうるさい！...それで、龍さんにも秋良は、犯されてたみたいだけど...。あのさぁ～、一年前の忠告覚えている？？...龍さんと別れないとお前達に危害を加えるって話...。それなのに、一年経った今でも、忠告無視して付き合ってるとか...一体どういうつもりなわけ？？」

「それは...狩人の人達の勝手な言い分だろ！！...俺は、誰がなんと言おうと...龍と離れ離れになるつもりは無い！！！」

 秋良の強気な態度に、眉間にシワを寄せた䴇は、秋良を軽蔑した目で見つめると、机を挟んで向かいにいる秋良の耳元に口を寄せてこう呟いた。

「...秋良？？狩人の噂知ってる？？...神楽に危害を加えるものは、誰であろうと容赦はしないって言うこと...。」

「...知ってるけど...？？」

「...はぁ、これから期限は1ヶ月。1ヶ月以内に、お前と龍さんは、嫌でも別れることになるから...。これは...脅しでもなんでもないから。分かったな？？」

 秋良は、全身に鳥肌をまといながら、耳元から顔を離して、満面の笑みを向ける䴇にガンを飛ばすと、机の上にコーヒー代を乱暴に置き、急いで店から出ていった。

 そんな秋良の去っていった姿をずっと見つめていた䴇は、ニヤッと微笑むと内心こう呟いていた。

「秋良くん？？...お前は、絶対に1ヶ月以内に龍さんと別れる運命にあるんだよ。俺と...叶芽さんの為にも、犠牲になってもらうよ？？あ～、楽しみだなぁ～！」