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「ただいま、みんな。」

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「あっ、秋良。おかえり!」

「うん、鈴斗さんただいま。...あれっ??今日は、仕事休みなの??」

「まぁね、たまには休まないとね...。」

「鈴斗さんって確か、大手企業の『あははっ、有給休暇っていう大人の特権だね!(笑)って言いたいところだけど...今日は、少し用事があってね、外に出ていたんだ。』...あー、そうなんですね。ビックリしました...だって、完璧人間鈴斗さんが、ズル休みしたのかと思って。『って、秋良???...全く、大人をからかうんじゃないの!』...えへへっ、すみません。」

 俺がこう言って、玄関から上がって自室に行こうと靴を脱いだ瞬間、いつも温厚な鈴斗さんがいきなり豹変し出したのだ。

「秋良??...大人をからかったらどうなるのか...しっかり知っておいた方がいいよ??」

「えっ...鈴斗さん、何を...っ!!...いや、鈴斗さん...何ですか...この状況!!!」

 俺が声を荒らげているのは、目の前の鈴斗さんがいきなり俺の腕を引っ張ったせいで、俺はバランスを崩して鈴斗さんの方に倒れ込んだでしまったからだ。

 それだけならまだしも...盛大にバランスを崩した俺を、軽く受け止めた鈴斗さんは、続いて俺の事を横抱きにするや否や、リビングのソファに乱暴に落としたんだ...結構痛かったんだよな...。

「...秋良が悪いんだよ??...大人をからかったら、当然...仕返しっていうものがついてくること...知らなかったの???」

「...っ...鈴斗さん、みんな帰ってきたらどうするんですか!!!...あっ、その...ゴメンなさい。俺、もう鈴斗さんからかったりしませんから!!だから、どうか見逃してください!!」

 俺は、鈴斗さんに馬乗りにされた状態で、必死に抵抗していた。

 だが、鈴斗さんはそんな俺の抵抗なんて、気にした様子もなく、俺の両腕を頭上でひとまとめにしたかと思うと、ニコニコと楽しそうに俺の服を脱がせようと上着のボタンを外しだした。

 俺のことを見下ろしてくる鈴斗さんは、目に熱を帯びていて、凄く色っぽかった。

 って...今は、そんなことどうでもいい!!

 こんなところ誰かに見られでもしたら、もう、このシェアハウスで生きていけない!!

 ...こう考えた俺は、咄嗟に口が滑り、鈴斗さんにあることを言ってしまった。

「あー!!!鈴斗さん!!ほら、前に言ってた猫カフェ...今度奢るので、一緒に行きましょうよ!!ねぇ!!...鈴斗さん、行きたがってたじゃないですか!!!」

「へぇ~、秋良??いつから俺が猫好きなこと知ってたんだ~??でも残念...猫で俺を吊ろうとしてもダーメ!...俺ってこのシェアハウスの中で一番、秋良に日々熱い視線送ってるんだけど...気づかなかった??」

「...えっ!??...そんな、鈴斗さんが!?...嘘っ...あっ...鈴斗さん!!!『うーん、少し...静かにしよっか。ねぇ??...それとも...いっその事、俺の部屋に行ってから...って思ったけど、ゴメンね...。もう、待てそうにないや。』...えっ...ちょっと、鈴斗さん!?...やっ...んっ...んんっ...。」

 俺の必死の抵抗も虚しく、乱れた服に手をかけると、鈴斗さんは俺の耳元に口を寄せて、甘い声で囁くと、そのまま俺の口を塞いできたのだ。

 大人の色気とは、時にとんでもないものとして扱われるんじゃないのか...??

 そんなこと考えてる場合か...俺!!

 俺は、鈴斗さんにまで犯されると思っていなかったため、驚きのあまり、体を動かすことが出来なかった。

 そんな俺に鈴斗さんは、さっきよりもさらに熱を帯びた瞳で俺を見つめると、薄く笑ってこう囁いたのだった。

「...あきらは、やっぱり可愛いね。...はぁ、出来ればこのシェアハウスを秋良と今すぐに出ていって、可愛い秋良を俺だけのものにしたい。」

「それって駆け落ちじゃ......いや、鈴斗さんなら、会社でそれはそれは、おモテになられるでしょうに...『俺は...秋良以外に興味とかないから!』...はぁ、鈴斗さんが...鈴斗さんじゃないみたい...もう頭がついていかないや...。」

 俺がこういったのを最後に鈴斗さんは、再度俺に口付けてきた。

 もう、俺には抵抗する気力すら残ってなかったため、されるがままで、鈴斗さんが気の済むまで、盛大に可愛がられたのは言うまでもない...。
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