秋良のシェアハウス 2 〜新たな住人？？〜

「お昼休みの作戦会議。」

 俺は、今目の前の不機嫌丸出しの龍とお昼ご飯を食べている。

「...なぁ、秋良？？やっぱり、アイツおかしいと思わないか？？？」

「へっ！？...あいつって...䴇くんのこと？？」

「䴇くんって...お前なぁ...。（なんか親しい呼び方にモヤモヤする...。）あぁ、何だかシェアハウスに居る時も、怪しい感じがしたし...。なぁ、秋良...俺に何か隠してることないか？？」

 わっ！龍の癖になかなか鋭いな...。

 うーん、どうしたものかな...でも、䴇くんは、狩人側の人間だって本人から聞いたし...。

 下手な事言ったら、また一年前みたいにボロボロの龍が家に帰ってくるところを見なければならなくなるかもしれない...。

 うーん、どうしよう...やっぱり、これは言わない方がいいよね...よし、黙ってよ。

 こう考えた俺は、目の前の龍に平然を装ってこう答えた。

「うーん、どうだろう？？...でも、人懐っこいし、きっと龍の考えすぎな気もするけど...。」

「はぁ...やっぱりそうなのかな...。（俺の嫉妬がそう思わせてるだけなのか？？）...でも、秋良？？油断は禁物だからな？？？...お前も覚えていると思うが、一年前のあのこと...しっかりと頭に入れておけよ？？？」

 やっぱり、龍も相当気にしてるんだよな...。

 䴇は、一体何を企んでいるんだろうか...。

 はぁ...とにかく、龍にこれ以上危害を加えられない為にも、下手な動きはしない方がいいかも...。

 俺は、こんなことを一人考えながら、深刻そうな顔をしている龍に、作り笑いを向けていた。

 そんな秋良の様子に龍が、内心モヤモヤを抱えていたことは、当の秋良は知らないのであった。

「...まぁ、とにかく何かあれば、すぐに言えよ？？一応......俺の彼女だし、心配してるんだからな？？（照）」

「うん、分かったよ。ありがとう、龍！」

「おっ、おぉ...。（かっ、かわいっ。...秋良のこの顔...不意打ちはキツイよな...。）まぁ...昨日は、流石に秋良の意見も聞かずに一人で突っ走っちまったし...その...悪かった...。」

 あっ、可愛い！（笑）...って、冷静に考えると龍のせいで昨日は、眠ることが出来なかったんだ...。

 こんな奴を可愛いとか.........俺どうかしてるよ...うっ、昨日のせいで腰が...。

 そんなこんなでお昼休みも終わり、俺は３限の講義が今日は最後のコマだったため、気合を入れて講義室へと向かうのだった。

 そんな秋良の後ろ姿を、心配そうに見送る龍は、内心こんなことを考えていたのだ。

「秋良...ほんとに、お前大丈夫かよ...。また、一人でなにかに巻き込まれようとしてるんじゃねぇだろうな。」