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「はぁ、勘弁してよ〜...。」
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「あの~、これで1週間連続ですよ???...いい加減、飽きて頂いても結構なんですが...。」
「結構も何も...俺は望んでやってるからなぁ??」
「はぁ??...俺は!...ってなんだよ!!!...だいたい青波(あおば)さんがそんなに近づくから、あきらに怒られるんだろ???」
「...二人ともうるさいよ!!秋良(あきら)にーは、俺のもんだから、みんな手を出さないでよね!!!」
「はぁ...あのねぇ、そんなに攻めたら秋良くん可哀想でしょ???ほーら、今日は月曜日!!...みんな学校行く時間でしょ??...青ちゃんは、会社行かなくていいの???」
「っ!!...はぁ...分かったよ~。秋良にー帰ってきたら、じ~っくり遊ぼうね???」
「はぁ??虎太郎(こたろう)と遊ぶなんて許さないからな!ほら、秋良も今日1限コマ入ってんだろ??...大学行くぞ??」
「あー、分かったよ、龍(りゅう)...。うん...ちょっと...あの~、青波さん???...あの~、いい加減...お腹にまわった腕を解いていただけないでしょうか...???」
「...はぁ...仕方ない、この柔らかくて抱き心地のいい秋良を離すのは、勿体ないが...会社もあるしな...。よし、秋良...今日は、久々に『AoZora!』やるから...この間の曲...しっかり練習しておけよ??...会社から帰ってきたら、例の公園集合...よろしく。」
青波は、こう言うとソファに座り、じっと秋良を膝の上に抱きかかえ、ぎゅっと背後から抱き締めていたが、龍の声により秋良が離してと懇願してきたため、名残惜しそうに秋良を離すと、踊りの練習に秋良を誘い、何も言葉を返さない秋良をそのまま放ったらかして、会社に行く用意を整えると、サッと家を出ていった。
そんな青波に秋良は、何も言えず...ただひとつの深ーいため息を零すのであった。
「全く...みんななんなんだよ!!1週間連続で、朝ごはん食べ終わったあとの、あの猫を可愛がるような...集まりは何なんだ!!!!!ほんとに...これじゃあ、やっと馴染めてきたシェアハウスが、かえって落ち着かない場所になっている気がするんだけど...。はぁ、もう...誰か助けてくれないかな...。」
秋良は、心の中で日々の不満を爆発させながら、龍と共に大学へと続く道を歩いていた。
そう、彼らが住んでいるのは平凡な...ごく普通のシェアハウス...ではなく、男だらけの...ちょっと変わった人間関係の中で、生活を送る...その名も、訳ありシェアハウスである。
そんなシェアハウスで生活を送るのは...約1年前にこの家に引っ越してきた、神代秋良(かみしろ あきら)である。
1年前は、ここの住人とも溝が深かったはずなのだが...この1年間で、秋良は...シェアハウスの住人4人に盛大に気に入られてしまい...今では、シェアハウスのメンバーに、引っ張りだこ状態なのである。
こうなった経緯については、1年前の話を読んでもらった方がよく分かるだろう。
とにかく、秋良は、今非常に疲れている。
そう、疲れているのである。
「なぁ、秋良??話...ちゃんと聞いてる???」
「あっ、ごめん。ちょっと、考え事してた...。それで、何だっけ??」
秋良は、今日家に帰ったらまた、シェアハウスの狼たちに四六時中付け回されるのではと、不安を募らせていた。
そんな秋良に龍は、自分の話を聞いていないことを理解したため、秋良に少し不機嫌に声をかけた。
龍の声にハッとした秋良は、慌てて暗くなりかけていた自らの思考を180度転回させ、隣を歩く龍に向き直った。
そんな秋良にため息をひとつつくと、龍は、再度話し始めた。
「はぁ...だから、明日??だったかな??新しいシェアハウスの住人が来るんだってさ...。はぁ...秋良が、新しい住人にまで目を付けられたら...なんて考えると気が気でない。なんで鈴斗(すずと)さんは、新入りを受け入れたんだか...。」
「へぇ、新しい人が来るんだね!楽しみだな~!!(やった!!!新しい人が来れば、俺がこんなにシェアハウスの仲間に警戒心はらなくても良くなる!!...なんて、隣にいる龍には口が裂けても言えないけど...。)」
龍の言葉に平然を装いながら、秋良が内心、物凄ーく喜んでいることなんて、秋良が他の人に取られないかを心配している龍が、気づくことは無かったのだった。
「結構も何も...俺は望んでやってるからなぁ??」
「はぁ??...俺は!...ってなんだよ!!!...だいたい青波(あおば)さんがそんなに近づくから、あきらに怒られるんだろ???」
「...二人ともうるさいよ!!秋良(あきら)にーは、俺のもんだから、みんな手を出さないでよね!!!」
「はぁ...あのねぇ、そんなに攻めたら秋良くん可哀想でしょ???ほーら、今日は月曜日!!...みんな学校行く時間でしょ??...青ちゃんは、会社行かなくていいの???」
「っ!!...はぁ...分かったよ~。秋良にー帰ってきたら、じ~っくり遊ぼうね???」
「はぁ??虎太郎(こたろう)と遊ぶなんて許さないからな!ほら、秋良も今日1限コマ入ってんだろ??...大学行くぞ??」
「あー、分かったよ、龍(りゅう)...。うん...ちょっと...あの~、青波さん???...あの~、いい加減...お腹にまわった腕を解いていただけないでしょうか...???」
「...はぁ...仕方ない、この柔らかくて抱き心地のいい秋良を離すのは、勿体ないが...会社もあるしな...。よし、秋良...今日は、久々に『AoZora!』やるから...この間の曲...しっかり練習しておけよ??...会社から帰ってきたら、例の公園集合...よろしく。」
青波は、こう言うとソファに座り、じっと秋良を膝の上に抱きかかえ、ぎゅっと背後から抱き締めていたが、龍の声により秋良が離してと懇願してきたため、名残惜しそうに秋良を離すと、踊りの練習に秋良を誘い、何も言葉を返さない秋良をそのまま放ったらかして、会社に行く用意を整えると、サッと家を出ていった。
そんな青波に秋良は、何も言えず...ただひとつの深ーいため息を零すのであった。
「全く...みんななんなんだよ!!1週間連続で、朝ごはん食べ終わったあとの、あの猫を可愛がるような...集まりは何なんだ!!!!!ほんとに...これじゃあ、やっと馴染めてきたシェアハウスが、かえって落ち着かない場所になっている気がするんだけど...。はぁ、もう...誰か助けてくれないかな...。」
秋良は、心の中で日々の不満を爆発させながら、龍と共に大学へと続く道を歩いていた。
そう、彼らが住んでいるのは平凡な...ごく普通のシェアハウス...ではなく、男だらけの...ちょっと変わった人間関係の中で、生活を送る...その名も、訳ありシェアハウスである。
そんなシェアハウスで生活を送るのは...約1年前にこの家に引っ越してきた、神代秋良(かみしろ あきら)である。
1年前は、ここの住人とも溝が深かったはずなのだが...この1年間で、秋良は...シェアハウスの住人4人に盛大に気に入られてしまい...今では、シェアハウスのメンバーに、引っ張りだこ状態なのである。
こうなった経緯については、1年前の話を読んでもらった方がよく分かるだろう。
とにかく、秋良は、今非常に疲れている。
そう、疲れているのである。
「なぁ、秋良??話...ちゃんと聞いてる???」
「あっ、ごめん。ちょっと、考え事してた...。それで、何だっけ??」
秋良は、今日家に帰ったらまた、シェアハウスの狼たちに四六時中付け回されるのではと、不安を募らせていた。
そんな秋良に龍は、自分の話を聞いていないことを理解したため、秋良に少し不機嫌に声をかけた。
龍の声にハッとした秋良は、慌てて暗くなりかけていた自らの思考を180度転回させ、隣を歩く龍に向き直った。
そんな秋良にため息をひとつつくと、龍は、再度話し始めた。
「はぁ...だから、明日??だったかな??新しいシェアハウスの住人が来るんだってさ...。はぁ...秋良が、新しい住人にまで目を付けられたら...なんて考えると気が気でない。なんで鈴斗(すずと)さんは、新入りを受け入れたんだか...。」
「へぇ、新しい人が来るんだね!楽しみだな~!!(やった!!!新しい人が来れば、俺がこんなにシェアハウスの仲間に警戒心はらなくても良くなる!!...なんて、隣にいる龍には口が裂けても言えないけど...。)」
龍の言葉に平然を装いながら、秋良が内心、物凄ーく喜んでいることなんて、秋良が他の人に取られないかを心配している龍が、気づくことは無かったのだった。
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