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花園圭/helen√

どす黒い希望

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「圭ー、どこ見てるの?」
「ちょ、ちょっと外を……」

 やはり何かが変だ。何かがおかしい。まるで―ー『世界が巻き戻ったように』。まるで、『最初からなかった』事のように。この現象は――間違いなく、リターンフューチャーによる現象だ。だけど、何故だ? 願いはかなったはず。なのに、何故? まさか、これが世界平和につながるとでも?

『ふふ、そうだよ』
「お、お前は!?」
『ジャンヌ・ダルクって言えば、わかるよね?』
「つ――!?」
『鍵を見つけなさい。見つけるまでこの世界は永遠にリセットされるわ』
「ま、待て!!! 待ってくれ!!」

 そして、ジャンヌと名乗る少女は消えた。一体、今のは……? 鍵を集めろ? 鍵ってなんだ? わけがわからなかった。胸糞が悪かった。何が何だかわからない自分に対して、だ。

「なあ、ヘレン」
「んー?」
「信じてもらえないだろうけど――」
「うん」
「君はもう――死んでるんだ」
「知ってるよ」
「え……?」

 まて。待ってくれ。どういうことだ、どういう事なんだ!? 既に死んでることを知っている!?
 僕は混乱していた。あまりにも密度が濃くて、謎な世界で。この世界は――なんなんだ?
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