引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

花園圭/helen√

レディオブレード

 僕達は、最強の剣。僕達は、最強の矛。僕達はーー

「ふひー疲れるぜ」
「まだまだだろ？」

 何故、生きてるんだろう。何故、死なないんだろう。僕はたしかにあの時死んだはずだ。箱の呪いで。その一生を終えたはずだ。だけど、なんだろう。この、暖かい感覚はーー

「圭？」
「へ、ヘレンーー？」

 どうして、どうして彼女が。ここに？彼女は死んだはずだ。最後の力を振り絞って箱を使って。死んだはずだ。なのにどうして。

「なによー、人がいちゃいけないみたいな顔してー」
「い、いやーー」

 いや、いちゃいけない存在だ。そのはずなんだ。なのにーーなのにーー僕はこのままでいいとすら思ってしまった。このまま、ふたりへどこかへ消えてしまいたいような。そんな気がした。

「全くーー父さんったら変よねぇ」
「え？」
「今日はヘレンの誕生日だからっていつもはしないのに美雨さんと２人で祝うんだもの」

 そ、そんなはずない。今、伊勢谷さんと美雨さんは別行動中のはずだ！！

「もー！ 圭！ 聞いてる！？」
「あ、ああ」

 ここは、伊勢谷さんのしているところとは少しズレた世界戦に歪みのせいでなってるのは知ってたけどーーこれは流石にーー

「♪」

 とりあえず、なんとかしないと。