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伊勢谷慎二/miu√

結論

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「つまりーージャンヌダルクは箱を与えられた結果として殺されたんですね?」
「そういうこった」
「わかってて彼女はどうして!!」
「命なんていい。助けたい人がいた。動機なんて、それくらいでいいだろ?」

 助けたい人がーーいるから。‥…よし、決心がついた。

「フェルンフェンさん、その、ごめんなさい」
「気にすんな気にすんな」
「俺、やっとわかりました。この力の使い方」
「……その力は恐怖を与えるものでもある。注意して使え」
「はい」

 僕はこの人を違った目で見ていた。だけど、この人は悪い人なんかじゃない。いい人だ。確かに、ジャンヌを利用したのは許せない。だけど、それは彼女が何も望まなかったせいでもある。そう思うことにした。

「可能性を忘れるな。可能性に飲まれたら、人は人ではなくなる」
「わかってますーー可能性、希望の先を見出す。そうですよね?」
「ああ。希望や可能性のその先ーー未来をつかみ取れ。その力じゃない。お前の力でだ」

「終わりましたか」
「ああ。ありがとう、圭」
「いえいえ、こちらこそ」

 そうして俺達は、ジャンヌダルクの過去を知り、歪みを正したーーと、思っていた。
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