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LEVELZEROafterSTORY~Venus Tune~

破滅への道

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 イメージ通りに、ビーストの頭に直撃した――私は、そう思っていた。だけども、違った。
 振りかざされるその太く、硬いしっぽが、私を飲み込むように拘束する。
「い、いた――」
 イメージしろっていわれたって、痛みを感じる中でって言うのは、難しいだろう。イメージ力が、かき消されていく。まるで、手練れているように。……そうだ、こいつは、何人もの魔法少女を食らってきたんだ。これくらい手練れていても、不思議ではない。むしろ――
「やって……や……る……」
 やる気が、入る。イメージできないなら――
「自分の力でやってやる!!!」
 力が入らないが、今出せる力のすべてを、拘束を解くのに使う。あがき始めた途端、少しビーストの力が弱まっていることに気付いた。なぜ、力を抜く……?
「●〇◎●!!」
 ビーストが、私を拘束していたしっぽを自分からほどく。なぜ、そんなことを。私が、振り落とされ、しりもちをつくのと同時に、前足を振り上げるのが見えた。
 あの鋭利な爪で叩かれようものなら、多分、イメージ以前に即死だろう。イメージしよう――イメージするのは、強固な体――
「負けないっ……絶対、負けないんだからっ……!」
 イメージをし始める直前に、ビーストのその爪が私のはらわたをえぐったのが分かった――


「あなた、なんで瀕死の魔法少女から力を受け取るか知ってる?」
 その質問は、まるで、千佳は誰かに力をもらったような言い方だった。
 でも……その場合は、つじつまが合う。何故急にあの力を使えるようになったのか、等々……そして、この記憶の「穴」にもだ。
「知らない……でも、あんたみたいなやつのいう事なんて信じられない!」
 そうだ、突然出てきて、変なことを言われて、真っ先に信用するほど私は馬鹿じゃない。
「あー、そう。ならいいわ、あなたは自分から破滅の道を進んでる。それだけは覚えておきなさい」
 破滅……? 何の事だろう……
 ドアを開けるのを邪魔していた体重がなくなったのが分かった。
 恐る恐るドアを開ける――

 誰もいない。さっきまでの人は、なんだったのだろうか……
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