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木山春斗の勇者録/花沢美雨の勇者録
花沢美雨の勇者録終
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もうすぐだ―――ここを出たら、ここさえ突破できれば―――!!!
邪魔するものは―――居ない。そして、その先で待ち構えていたのは、想像できなかった人物だった。
「ごめんな、助けてやれなくて―――でも、ここまで来たなら、後は任せてくれ」
「遅いよ―――遅すぎるよぉ―――裏切ったのかと思ったじゃん―――」
コードネームK。そう名乗っていた男。キヤマ・ハルト。彼は、長い間私を無視したと思っていたが、それは違った。彼は、私を助けるためだけに色々動いてくれていた。そして、私の父を捕まえるために。ブラック企業の社長を、『潰す』ために。
「でも、ごめんな。こんな形とはいえ、君の帰る場所をなくしてしまった」
「それは、あなたも同じでしょ?」
彼も、帰る場所がないといっていた。私にも、ずっと昔から帰る家なんてない。だから、彼の口から、僕と一緒に来てくれないかい? それを聞きたかった。しかし、彼が口にしたのは、そんな言葉じゃなかった。
「さあ、美雨ちゃん、君は、今日から『勇者』だ」
彼は、笑顔でそう言った。彼と一緒に居られる。それだけで嬉しかったのだから。
****
****
長い間の月日がたち、私は、彼からとある任務を受ける。
「美雨。任務だ。伊勢谷信二。彼を、勇者にしてきてくれ」
そして、私は出会った。一生のパートナーに。彼を探して、街に出た―――
*****
*****
「あのババア……帰ったら絶対にぶん殴る!!」
そんな独り言をつぶやいたのが、彼の運のつきだったのだろう。
「あの~……すいません。ちょっといいですか?」
私に声を掛けられた。つまり、もう逃げられない。
「もしかして、仕事。探してます?」
「はい!!!! 探してます!!! あなたが紹介してくれるなら僕はとっても幸せです!!!!!」
……、ごめんなさい、ちょっと引いた。引いたというより、生理的にちょっと――
「なら、内職はどうですか?」
「内職……?」
「はい! 楽してお金を稼げる一石二鳥のたまものですよ!」
契約完了……するのだろうか?
その後、内職について聞いてきた彼に内容を言った。最初は戸惑っていたが、引き受けてくれた。後は意思確認。それを終えれば、彼も勇者だ。
「さぁ……、あなたも、今日から勇者です」
決まった。よし、絶対に決まった。
「引き受けるって言ってないんですけどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
彼がそう叫んでいたが、関係ない。だって、もうサインおしちゃったから。
これから始まるのは、彼との楽しい思い出になるのだろうか――
と、日記は大体そんな感じだった。正確には、後50万ぺージはあるが。
ん……とりあえず、何が伝えたかったのかは分かった。でも……どうすべきか。もう一度、彼女のところへ言って、止めるべきか。僕には――わからなかった。
邪魔するものは―――居ない。そして、その先で待ち構えていたのは、想像できなかった人物だった。
「ごめんな、助けてやれなくて―――でも、ここまで来たなら、後は任せてくれ」
「遅いよ―――遅すぎるよぉ―――裏切ったのかと思ったじゃん―――」
コードネームK。そう名乗っていた男。キヤマ・ハルト。彼は、長い間私を無視したと思っていたが、それは違った。彼は、私を助けるためだけに色々動いてくれていた。そして、私の父を捕まえるために。ブラック企業の社長を、『潰す』ために。
「でも、ごめんな。こんな形とはいえ、君の帰る場所をなくしてしまった」
「それは、あなたも同じでしょ?」
彼も、帰る場所がないといっていた。私にも、ずっと昔から帰る家なんてない。だから、彼の口から、僕と一緒に来てくれないかい? それを聞きたかった。しかし、彼が口にしたのは、そんな言葉じゃなかった。
「さあ、美雨ちゃん、君は、今日から『勇者』だ」
彼は、笑顔でそう言った。彼と一緒に居られる。それだけで嬉しかったのだから。
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そして、私は出会った。一生のパートナーに。彼を探して、街に出た―――
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「あのババア……帰ったら絶対にぶん殴る!!」
そんな独り言をつぶやいたのが、彼の運のつきだったのだろう。
「あの~……すいません。ちょっといいですか?」
私に声を掛けられた。つまり、もう逃げられない。
「もしかして、仕事。探してます?」
「はい!!!! 探してます!!! あなたが紹介してくれるなら僕はとっても幸せです!!!!!」
……、ごめんなさい、ちょっと引いた。引いたというより、生理的にちょっと――
「なら、内職はどうですか?」
「内職……?」
「はい! 楽してお金を稼げる一石二鳥のたまものですよ!」
契約完了……するのだろうか?
その後、内職について聞いてきた彼に内容を言った。最初は戸惑っていたが、引き受けてくれた。後は意思確認。それを終えれば、彼も勇者だ。
「さぁ……、あなたも、今日から勇者です」
決まった。よし、絶対に決まった。
「引き受けるって言ってないんですけどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
彼がそう叫んでいたが、関係ない。だって、もうサインおしちゃったから。
これから始まるのは、彼との楽しい思い出になるのだろうか――
と、日記は大体そんな感じだった。正確には、後50万ぺージはあるが。
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