上 下
59 / 271
引きされEXTRA

暗殺

しおりを挟む
『おや、早かったですねぇ』
「お前は……?」
「ミカエル。いやぁ、惜しい人を無くしたものだ。私達も」
「なにっ……!?」

 こいつらは、仲間の死をなんとも思っていないようだった。確かに、むかつく奴ではあったが、あいつでも、あいつでも……! ここまでの言われようはカチンと来る。

「始めるぞ」
『そちらの代表はそこの女性で?』
「無論だ」
『ほぉ、大した実力ですねぇ』
「三国さん」

 そう言って、エクスカリバーを手渡す。

『へぇ、それがウリエルを殺した……さてさて、私に効くでしょうかねぇ』
「どういう意味だ!」

 がっ。
 地面をける音とともに、戦いは始まった。
 三国さんが1歩押しているように思える。がーー

 ざくり。と、三国さんの背後で聞こえた。
 え……? その場の誰もが、口にした。

『あっはっは!! だぁれも1人とは言ってませぇぇぇん!』
「てめぇ……ぇぇぇぇ!」

 その正体は、ガブリエル。暗殺を得意としているらしい。
 だが、ここまで何も音沙汰すらなかったのに、なぜ急に……

『気配があったら暗殺なぞ出来ません』

 女……?
 高い声で、ガブリエルが言う。
 だが、正直いって許せるわけじゃない。許してはいけない。許しを乞うてもいけない。
 ただ一つ、許されるとすれば、三國さんだろう。これは、神に逆らった逆鱗ーーという訳では無い。
 そもそも、神なんていないに等しいのだから。

『おっと、神がいないなら私達もいませんよ?』
「くっ……!」

 今は、この場を切り抜けることだけを考えろ。

 天使を殺すにはそれに適した武器がいる。
 ウリエルならばエクスカリバー。ガブリエルならーー

「くっ!」
『無理みてぇだなぁ!』
「くそぉぉぉぉ!」
「まだ……だ……!」

 瀕死の三国さんが立ち上がる。
 ダメだ、そんな傷で動いたらダメだ……!! 今動けば確実に死ぬ。伝えたかった。声に出なかった。苦しかった。伝えたくても伝えられない。その気持ちは、僕が一番わかってる。いやーーヘレンのが分かるかもしれない。

「伊勢谷さん!!」

 その時だった。

「ヘレン……!? なんで来た!!」
「これを!!」

 渡されたのはーー

「それが、聖剣・レーヴァテインです!」
『なにっ!?』

 明らかにガブリエルが動揺しているのが分かった。
 行ける……これなら、行ける……!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...