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伊勢谷慎二/miu√
美雨√
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セカイを分岐させますか?
はい
いいえ
僕の選択は――
もちろん、はいだ。世界の分岐。世界の始まり。そんな、そんな何かを僕は求めていた。そんな、楽しい何かを――セカイ分岐。今まで何度も体験したことだけど、それでもやはり分岐がないと面白くない。だって、世界は無数に時間が存在し、その無数の時間の中で僕たちは生きているのだから。
世界の分岐は正直未知の領域だ。だけどこれだけはいえる。世界の分岐があって、僕たちがその上に居るんだと。
僕たちは無数の世界を行き来する勇者である。そして世界を救う勇者でもある。それは何にも帰ることのできない僕の誇りである。それは間違いない。勇者という職業につかせてくれた父さんに感謝している。いや、感謝じゃ足りないか。もっと、もっとこう、もっと何かあるだろ。もっと……
「で、どうします?」
「あの穴はもうどうしようもない気がする」
「え?」
「どうにもできないんだよ」
そう。世界の穴はどうしようもできないのである。何故なら、それが運命だから。それこそが変えられない事実だから。
亜空切断。一度行われると元に戻せないという。つまり――戻せない。だからどうしたってんだ。だから何だってんだ。それはもう仕方ないんだよ。
「慎二さん!!」
「……」
「諦めるんですか……?」
諦める。確かに今の状況にピッタリだ。それに、今の状況は色々まずい。何がまずいって、世界の穴から別時間軸の僕たちが出現して僕たちが消える恐れがあるからだ。回避する方法は二つ。世界にとどまりたいという強い意志。二つ目は――世界を諦めること。
「慎二さん……?」
「美雨さん」
「はい?」
「結婚しよう」
「は?」
唐突にそう僕は口にした。これしか、これしか彼女を世界に残す方法はないんだ。
「なるほど、わけありですか……いいでしょう」
「……」
それ以上僕は何も言えなかった。
はい
いいえ
僕の選択は――
もちろん、はいだ。世界の分岐。世界の始まり。そんな、そんな何かを僕は求めていた。そんな、楽しい何かを――セカイ分岐。今まで何度も体験したことだけど、それでもやはり分岐がないと面白くない。だって、世界は無数に時間が存在し、その無数の時間の中で僕たちは生きているのだから。
世界の分岐は正直未知の領域だ。だけどこれだけはいえる。世界の分岐があって、僕たちがその上に居るんだと。
僕たちは無数の世界を行き来する勇者である。そして世界を救う勇者でもある。それは何にも帰ることのできない僕の誇りである。それは間違いない。勇者という職業につかせてくれた父さんに感謝している。いや、感謝じゃ足りないか。もっと、もっとこう、もっと何かあるだろ。もっと……
「で、どうします?」
「あの穴はもうどうしようもない気がする」
「え?」
「どうにもできないんだよ」
そう。世界の穴はどうしようもできないのである。何故なら、それが運命だから。それこそが変えられない事実だから。
亜空切断。一度行われると元に戻せないという。つまり――戻せない。だからどうしたってんだ。だから何だってんだ。それはもう仕方ないんだよ。
「慎二さん!!」
「……」
「諦めるんですか……?」
諦める。確かに今の状況にピッタリだ。それに、今の状況は色々まずい。何がまずいって、世界の穴から別時間軸の僕たちが出現して僕たちが消える恐れがあるからだ。回避する方法は二つ。世界にとどまりたいという強い意志。二つ目は――世界を諦めること。
「慎二さん……?」
「美雨さん」
「はい?」
「結婚しよう」
「は?」
唐突にそう僕は口にした。これしか、これしか彼女を世界に残す方法はないんだ。
「なるほど、わけありですか……いいでしょう」
「……」
それ以上僕は何も言えなかった。
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