引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。Re:boot

ヘレンの望み

　私の望みは、父と再会し、箱のありかを聞くこと。その為に、未来で箱を使った。その結果、この世界にゆがみを生むことになった。それが――存在するはずのない「ｎｅｘｔ」。私たちは気づかなければならない。ｎｅｘｔの必要性に。ｎｅｘｔが要らないということに。そして私が生んだゆがみはもう一つ。それは――能力者。世界のゆがみに乗じて生み出されたのが能力者である。しかし、だからと言って能力者を嫌悪するはずには行けない。それはｎｅｘｔの否定になってしまう。この世界で探し物をするにはまだ彼らの力が必要だ。だからこそ――協力を求めないと、嫌悪しちゃいけない。それはそうと、花園圭。彼はとても面白い。私が協力することに何も不安感を抱かないのだから。

　それどころか――食いついてくる始末だ。面白い。だけど、それと同時に恐怖でもあった。彼の能力の有能性、そして人格が。彼の人格は――破綻しているといってもいい。何も感じて居ないのだから。