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新たな出会い
協力
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「ピトフィニアはまもなく戦争を止めるために動き出す。どっちにしろ戦いは避けられないってことだ」
「僕には関係ありません」
「五代国家全てが巻き込まれる。そうなればお前だって命が無いかもしれないんだぞ?」
「……」
介青は次第に顔色を変えていく。多分既に知っているんだ。この世界がどうなって行くのかを。色々な技術が発展していくと、結局は未来を見るためにその技術を使うことになるんだろう。その表れがこの結果だろう。ピトフィニアに限らず、色々な世界が多分変わっていく中で未来を予見し、それを元に先のことを組み立てる。だからだろうか。不安定に絡みすぎた未来はやがて自分の中で不自由な事を望む。
「未来が決定しているから協力する意味は無い、か?」
「そうです。それにきっとこのまま行けばあなたは死にますよ?」
「それならそれでいいさ」
俺は自分に特にこだわりはなかった。いや、無いと言うと嘘になる。だが一つだけ間違いないのは自分の事よりも他人の事のが大事ということだ。この未来に関しては二つの世界に影響する。自分に構っていられない、というのが本音だ。ズルズル腐っていくくらいなら世界のひとつくらい救って死んでやる。それが今の自分の目標だ。
「怖くないのか?死ぬんだぞ?」
「死ぬのが怖くてヒーローやってなかったさ」
「……」
問題児の中でもメンバーを気にしていたのは俺と介青だけだ。だからこそお互いのみを案じるし、こうして協力を仰いでいる。
話を終えると俺はその場を出た。介青のことは正直分からないが、とりあえず今は不確定な情報より確定した情報の方が優先的に欲しい。あいつがその気になった時、それをエルプリテに伝えればいいだろう。
バーを出ると支配人さんからの案内で待合室的なところに案内された。ここに居ると。
ドアを開ける。エルプリテは確かにそこにいた。
「無事だったか」
「予定通り、連合軍で進むことになります」
「そうか」
本格的に戦争に向かってしまうんだろうか?この世界は。とはいえ現状世界の大半が敵であることに変わりはない。なんとかして他の国も取り込みたいが。……そういえば、一つ確認しないと行けないことがあったな。
「なあ、この国の技術長的な人いる?」
「ええ、先程紹介頂きました」
「じゃあその人に会えないかな?」
焔崎は怪人がこの世界の技術ではないと明言した。ならばこの世界のどこかに怪人を生み出す仕組みがあるはずだ。色んな国があるから手当たり次第になりそうだけど、それを解明してブラックホール怪人をもう一度作れたならきっと元の世界に戻れる。焔崎を止められる。
「ではお時間いただきますね?」
「頼む。あと、これ」
「これは?」
ここから先は別行動等もしなくては行けないタイミングがあるだろうから俺はこの世界に来てから一度も役にたっていない通信装置を手渡した。これを解析して同じものを量産すればこの世界でも通信とかはできるはずだと踏んだからだ。これを技術庁に解析してもらおう。
「元の世界の通信機。多分この先役に立つからさ。技術長に渡しといてよ」
「通信機……なるほど。では渡しておきます」
「僕には関係ありません」
「五代国家全てが巻き込まれる。そうなればお前だって命が無いかもしれないんだぞ?」
「……」
介青は次第に顔色を変えていく。多分既に知っているんだ。この世界がどうなって行くのかを。色々な技術が発展していくと、結局は未来を見るためにその技術を使うことになるんだろう。その表れがこの結果だろう。ピトフィニアに限らず、色々な世界が多分変わっていく中で未来を予見し、それを元に先のことを組み立てる。だからだろうか。不安定に絡みすぎた未来はやがて自分の中で不自由な事を望む。
「未来が決定しているから協力する意味は無い、か?」
「そうです。それにきっとこのまま行けばあなたは死にますよ?」
「それならそれでいいさ」
俺は自分に特にこだわりはなかった。いや、無いと言うと嘘になる。だが一つだけ間違いないのは自分の事よりも他人の事のが大事ということだ。この未来に関しては二つの世界に影響する。自分に構っていられない、というのが本音だ。ズルズル腐っていくくらいなら世界のひとつくらい救って死んでやる。それが今の自分の目標だ。
「怖くないのか?死ぬんだぞ?」
「死ぬのが怖くてヒーローやってなかったさ」
「……」
問題児の中でもメンバーを気にしていたのは俺と介青だけだ。だからこそお互いのみを案じるし、こうして協力を仰いでいる。
話を終えると俺はその場を出た。介青のことは正直分からないが、とりあえず今は不確定な情報より確定した情報の方が優先的に欲しい。あいつがその気になった時、それをエルプリテに伝えればいいだろう。
バーを出ると支配人さんからの案内で待合室的なところに案内された。ここに居ると。
ドアを開ける。エルプリテは確かにそこにいた。
「無事だったか」
「予定通り、連合軍で進むことになります」
「そうか」
本格的に戦争に向かってしまうんだろうか?この世界は。とはいえ現状世界の大半が敵であることに変わりはない。なんとかして他の国も取り込みたいが。……そういえば、一つ確認しないと行けないことがあったな。
「なあ、この国の技術長的な人いる?」
「ええ、先程紹介頂きました」
「じゃあその人に会えないかな?」
焔崎は怪人がこの世界の技術ではないと明言した。ならばこの世界のどこかに怪人を生み出す仕組みがあるはずだ。色んな国があるから手当たり次第になりそうだけど、それを解明してブラックホール怪人をもう一度作れたならきっと元の世界に戻れる。焔崎を止められる。
「ではお時間いただきますね?」
「頼む。あと、これ」
「これは?」
ここから先は別行動等もしなくては行けないタイミングがあるだろうから俺はこの世界に来てから一度も役にたっていない通信装置を手渡した。これを解析して同じものを量産すればこの世界でも通信とかはできるはずだと踏んだからだ。これを技術庁に解析してもらおう。
「元の世界の通信機。多分この先役に立つからさ。技術長に渡しといてよ」
「通信機……なるほど。では渡しておきます」
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