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新たな出会い

それはどうして?

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 ピトフィニアを立ってどれくらいだろう。馬車にずっと引かれながら色々考えることはあった。だがどうしてもこの国と他の国の和平のイメージが見えない。見えるとしてもそれは今じゃない。そう考えてしまう。……まあこれは今の俺が何も信じられないから、なんだろうが。今何を言われても信用するのは無理だ。全て虚言に聞こえてしまうだろう。ひとりじゃないことに安心すらしている。1人で和平だったら変な方向に言っていただろう。
 そこは感謝する。でも、仮に介青が交渉に応じたとして、この子にはその後のビジョンはあるんだろうか?ふわりとだが、まあやりたいことは伝わっている。問題はそこじゃない。どうやって和平の後戦争を止めるために動くか、だ。

 介青は比較的友好的な性格だから何とかなる。だが黄蛇は自分の力に慢心するあまりその力に絶対的な自信がある。緑沢も正義の為ならば少ないながらも犠牲を平気で出せる人間だ。桃川は自分の見た目に絶対の自信がある。
 問題児ばかりが集まったメカンジャーは今、それぞれが敵対する立場にある。それ自体が少しおかしいのだ。変な言い方になってしまうが、メカンジャーがバラバラになってそれぞれの国の主になれる器があるのだろうか?

 考えるだけ不穏になってくる。この世界でも戦いは終わらないし……

「赤塚さん」
「え?」
「今は不安でしょうがきっとそのうち」
「……そうだね」

 そうだ、心配をあまりかけてはいけない。気晴らしに別のことを考えようと思い立ったところで、今後寄るべきその国のことをもう一度整理してみることにした。
 青の国オクロア。大自然に囲まれたピトフィニアとまた違うのは湖に囲まれた離島のような状態であること。機械の発展が五大国の中で最も進んでいる事のふたつに一因する。また、周りが湖とはいえほぼ水で囲まれている中で機械が発展している都合上、長持ちするのも特徴である。
 あえてその環境で機械を作ろうと言い出した先人はいい意味でも頭がおかしいのである。とはいえこの国でひとつ確かめたいことがある。早いところそれを調査したい。

 こちらに来てからはメカンジャーの連絡用に作られていた機械は意味をなさない。これを改造し、量産し、ピトフィニアの軍隊に配るのも今回の目的だと言う。基本的に五大国それぞれの技術などは持ち寄らない暗黙の了解があるのだが、今回は事情が事情なのでそれを破らざるを得ないということだ。戦争になったらもっと酷いことになるから。
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