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新たな出会い

介青

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「青の国オクロラは今、我が国へ向けて進軍中です。それを貴女に止めて欲しい」
「オクロラ……介青か」

 広大な湖に囲まれた青の国、それがオクロラだという。この国は昔から血気が強く、争いの火種になってきたと言う。だけど俺の知っている介青はインテリ系の人間だ。とてもじゃないがそういうのを起こせる人間では無いと思う。進軍開始も別の人間だろう。

「この世界では人間の本性がむき出しになることがあります」
「それはどういう」

 元の世界と比べ、この世界はなんでも出来てしまう。例えば一国の王になりたいと思えば異世界転生してきた外の住人ならすぐに出来てしまうをその特別性は神聖を維持するためだ。
 他にも、誰かを殺したい、と思えば無実のまま殺すことだって可能だ。それはこの世界の法律が元の世界と違うからだ。

 この世界における何かをする、というのは人間の本性をむき出しにしてしまう。だからこそ元々本性がむき出しだった俺はこの国に飛ばされたし、世界を救う為に必要なのだと。

「何も貴方の仲間を殺す必要はありません。むしろ、いずれ来る驚異へ向けて力を貸し会うべきです」
「いずれ来る驚異?」

 まだ分からないが、五人の勇者が世界を救った後、暗黒へ誘われし大きな敵が現れるだろう。というのが先程の占いの結果だと言う。

「未来が確定してるの、あんまし好きじゃないな……」
 俺たちメカンジャーは五人。レッドメカンジャーである俺、赤塚。ブルーメカンジャーである介青、グリーンメカンジャーの緑沢、ピンクメカンジャーの桃川、イエローメカンジャーの黄蛇の五人。

 それぞれが現在こちらの世界に飛ばされており、自然の国ピトフィニアには俺。湖で囲まれた青の化学が発展した国オクロアには介青。
 灼熱の大地に身を委ねる熱風大陸のジャキアラには緑沢。あらゆる文化が均一に進んだ国、ババロァには桃川。
 そして、動物が支配する国ヴァルダンには黄蛇。それぞれが飛ばされた国に対応する能力を持っている、はずだが。

「どうして俺はジャキアラじゃないんだ?」
「そこは分かりません。本来は逆だったかもしれませんが」

 ジャキアラとピトフィニア。明らかに逆の世界に飛ばされている気はする。だがそれこそに意味があるのではと思ってしまう。まあとりあえずは介青がピトフィニアに来るらしいので、それまでは待機しておこう。

「今日は宿で休みます」
「ええ。ご案内だけしますね」

 ピトフィニア……この国と俺には何かあるのだろうか。
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