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勇者覚醒
計画は
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事務所に着き、僕達は急いでオフィスに向かうがーー場は、重苦しい空気に包まれていた。緊張感……それに近い何か。そして、よく目をこらすとーー
「美雨さん、これ……」
「血……ですかね……?」
果たして誰の血なのか。何があったのか。全くわからないまま、オフィスのドアを開けるーーそして、奴らは目の前に現れた。
「やあやあ、木山の息子ォ!! 初めましてだなぁ。いやいや……待ってましたよ、ずっとねぇ」
「伊勢谷……さん?」
「晴ちゃん!!」
一体何があったのか。一体何が起きてるのか。目の前の映像だけで処理するのは難しすぎるそれは、晴ちゃんを拘束している彼の口から語られる。
彼のその口振りは、まるで待っていたと言わんばかりのそれだった。この時を待っていた。この時のために今を生きてきた、そのような口ぶりだった。
「ケビン・アルトベルトだ。俺が七瀬の上司だな」
「なんの真似だ……!」
「なんの真似だぁ……? お前だって気づいてるだろう? なんでこうしているのか、なんて」
それは、予想通り、第三世代以降の才能の独占と見てもいいだろう。だがそれは止めなければいけない。
だが、もし戦争自体を目的としてる……なら?
「戦争によりこの国の有能性を証明する。そのためには戦争の引き金がいるんだよ……わかるだろ?」
「そんなの……! わかりたくない!」
「そうかぁ……残念だなぁ?」
その狂気に満ちた顔は僕達の背筋を凍らせる。そして、彼はそろそろか。と口にした。
次の瞬間、窓ガラスが勢いよく割れ、エルザさんと半蔵さんが吹き飛ばされてくる。この2人が負けるというのは……すなわち、今の僕達に彼らは危険すぎるということでもある。だが、戦争だけが理由でここまでするだろうか……?
「第三世代。今から楽しみだよ、顔が拝めるのがな……だが。俺は全知全能の力を手に入れる。なに、簡単だ。オリジナルの才能を超える力。それを作るんだよォ……俺たちの手で。配合するんだよ」
その口から語られたのは、すなわちーー人体実験をしてでも才能を手に入れる。人体実験により才能の強制開花。
その全てが、戦争の引き金となり得る。才能を争い起こる戦争。才能を理由に宣戦布告する。
様々な理由あれど、彼の計画全てが戦争に繋がりかねないものばかりだった。彼は……止めなければいけない。なんとしても……!
「ケビンを止める……なんて無理だよ。伊勢谷」
「なんで……! 殺されるんですよ!? 七瀬さん!!」
「理由なんて……ないよ」
狂気や色々なものが交わり、どす黒い何かを動かしていた。これ以上誰も犠牲にしない……!
「美雨さん、これ……」
「血……ですかね……?」
果たして誰の血なのか。何があったのか。全くわからないまま、オフィスのドアを開けるーーそして、奴らは目の前に現れた。
「やあやあ、木山の息子ォ!! 初めましてだなぁ。いやいや……待ってましたよ、ずっとねぇ」
「伊勢谷……さん?」
「晴ちゃん!!」
一体何があったのか。一体何が起きてるのか。目の前の映像だけで処理するのは難しすぎるそれは、晴ちゃんを拘束している彼の口から語られる。
彼のその口振りは、まるで待っていたと言わんばかりのそれだった。この時を待っていた。この時のために今を生きてきた、そのような口ぶりだった。
「ケビン・アルトベルトだ。俺が七瀬の上司だな」
「なんの真似だ……!」
「なんの真似だぁ……? お前だって気づいてるだろう? なんでこうしているのか、なんて」
それは、予想通り、第三世代以降の才能の独占と見てもいいだろう。だがそれは止めなければいけない。
だが、もし戦争自体を目的としてる……なら?
「戦争によりこの国の有能性を証明する。そのためには戦争の引き金がいるんだよ……わかるだろ?」
「そんなの……! わかりたくない!」
「そうかぁ……残念だなぁ?」
その狂気に満ちた顔は僕達の背筋を凍らせる。そして、彼はそろそろか。と口にした。
次の瞬間、窓ガラスが勢いよく割れ、エルザさんと半蔵さんが吹き飛ばされてくる。この2人が負けるというのは……すなわち、今の僕達に彼らは危険すぎるということでもある。だが、戦争だけが理由でここまでするだろうか……?
「第三世代。今から楽しみだよ、顔が拝めるのがな……だが。俺は全知全能の力を手に入れる。なに、簡単だ。オリジナルの才能を超える力。それを作るんだよォ……俺たちの手で。配合するんだよ」
その口から語られたのは、すなわちーー人体実験をしてでも才能を手に入れる。人体実験により才能の強制開花。
その全てが、戦争の引き金となり得る。才能を争い起こる戦争。才能を理由に宣戦布告する。
様々な理由あれど、彼の計画全てが戦争に繋がりかねないものばかりだった。彼は……止めなければいけない。なんとしても……!
「ケビンを止める……なんて無理だよ。伊勢谷」
「なんで……! 殺されるんですよ!? 七瀬さん!!」
「理由なんて……ないよ」
狂気や色々なものが交わり、どす黒い何かを動かしていた。これ以上誰も犠牲にしない……!
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