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昭和90年代のストリップ劇場は2010年代アニソンかかりまくり
4、kawaii!オジョウズ!Motto!Motto!
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「おはようございまーす。あ、さっきね」
順番が来ると、踊り子さんがシャオちゃんと自分とを交互に指差す。
どうやら見られていたようだ。
ステージからの客席は、客が思っている以上によく見える。
それ以前にあんな狭く、客も多くなかったら見えるだろ。
シャオちゃんが頭に手をやり、身体をくねらせウヘヘと照れ笑いをすると、
「かわいいっ」
クネクネ照れ笑いに踊り子さんが笑う。かわいいと。
kawaiiは今や万国共通だ。
すると、
「(訳)わたしもあのアニメ大好きです。特に三期シリーズが好きで、わたしはいつも敵キャラに注目して見ているのですが、三期は幹部クラスのキャラが」
と、突然シャオちゃんが母国語で語りだした。
しかも結構な文量で。
突然の異国語のシャワーに、踊り子さんは、えっ、あの、アワワと慌てる。
それを見て詩帆が、なんだ、と思う。
自分のキャラ付けのために連れてきただけか、やれやれと。
そして、まあ悪くないがと、踊り子さんに気づかれないよう小さくため息をつき、
「わたしもあのアニメ大好き、特に三期シリーズが好きと言ってます。敵キャラに注目して見てますが特に幹部クラスのキャラが好きで」
と、友人の通訳をかって出る。
それは、いつもの流れだった。
シャオちゃんはたまにこうして日本語が喋れない外国人キャラを演じ、詩帆に通訳をやらせる。
それは二人だけの楽しい遊びだったが、
「(訳)わたしはドイツ版はネットで知ったんですが、」
「わたしはドイツ版はネットで知ったんですが」
「あ、そうなんだ。あたしはドイツ行った時に現地のテレビで流れてるの見て知ったんだけど」
踊り子さんが喋るのをシャオちゃんがコクコク頷きながら聴く。
日本語は喋れないが言ってることはわかるという設定に基いて。
「あれ?ってことは向こうでも放送してるの?それとも日本版のを、ええとDVDとかで」
と、踊り子さんが向こう、とシャオちゃんの国での視聴環境について訊くと、シャオちゃんは突然すうっと息を吸い込み、
「わ、あ」
母国語で最新シリーズのエンディングのサビ部分を歌ってみせた。
突然のパフォーマンスに踊り子さんが驚きの声を上げる。
国によっては放送権の問題で最新の日本アニメが入ってくるのが遅い国もあるが、シャオちゃんの国はかなり早い方だ。
踊り子さんは驚いた声をあげたあと、嬉しそうな顔をし、
「すごいすごいっ!」
と、拍手した。
ゆったりしたメロディで、今週も楽しかったという余韻を残しつつ来週への期待とワクワクを想起させる歌。
実に正しき子供向けテレビアニメのエンディングらしい曲。
それを、シャオちゃんがお国の柔らかな言葉と発音で紡ぐ。
踊り子さんの反応を見てシャオちゃんは得意そうな顔でもう少し歌い、踊り子さんもウンウンと頷く。
周りのおじちゃん客もほお、という顔をする。
柔らかな声と発音で、同じアニソンなのに違う面を見せる。
区切りのいいところまで歌うとシャオちゃんはンフッと恥ずかしそうに、でも得意そうな顔で両肩を少し上げ、ぺこっと頭を下げた。
オソマツサマデシタと。
そんな異国の少女の歌声と姿に、場内が拍手に包まれる。
何の曲かはわからないがいいものを聴かせてくれた女の子に。
それを、詩帆は後ろに控えて聞いていた。
面映いがどこか誇らしい。
すごいね!と踊り子さんが褒め称え、
「今日歌うの!?」
と、訊いてきた。
「キョウ?」
「あれ?知らないで来たの?」
話がわからずシャオちゃんが首をひねると、
「今日三回目ラストのあとカラオケ大会だよっ」
「踊り子さん達が歌ったあとに客も参加できるからっ」
と、おじちゃん客達が教えてくれた。
「ソナンデスカ」
「出たらいいよっ」
踊り子さんも勧めてくれる。
ドウシヨウ、という目をシャオちゃんが詩帆に向けてくるが、詩帆はそれにうん、と軽く微笑んで頷く。
出てみたらいいよと。
順番が来ると、踊り子さんがシャオちゃんと自分とを交互に指差す。
どうやら見られていたようだ。
ステージからの客席は、客が思っている以上によく見える。
それ以前にあんな狭く、客も多くなかったら見えるだろ。
シャオちゃんが頭に手をやり、身体をくねらせウヘヘと照れ笑いをすると、
「かわいいっ」
クネクネ照れ笑いに踊り子さんが笑う。かわいいと。
kawaiiは今や万国共通だ。
すると、
「(訳)わたしもあのアニメ大好きです。特に三期シリーズが好きで、わたしはいつも敵キャラに注目して見ているのですが、三期は幹部クラスのキャラが」
と、突然シャオちゃんが母国語で語りだした。
しかも結構な文量で。
突然の異国語のシャワーに、踊り子さんは、えっ、あの、アワワと慌てる。
それを見て詩帆が、なんだ、と思う。
自分のキャラ付けのために連れてきただけか、やれやれと。
そして、まあ悪くないがと、踊り子さんに気づかれないよう小さくため息をつき、
「わたしもあのアニメ大好き、特に三期シリーズが好きと言ってます。敵キャラに注目して見てますが特に幹部クラスのキャラが好きで」
と、友人の通訳をかって出る。
それは、いつもの流れだった。
シャオちゃんはたまにこうして日本語が喋れない外国人キャラを演じ、詩帆に通訳をやらせる。
それは二人だけの楽しい遊びだったが、
「(訳)わたしはドイツ版はネットで知ったんですが、」
「わたしはドイツ版はネットで知ったんですが」
「あ、そうなんだ。あたしはドイツ行った時に現地のテレビで流れてるの見て知ったんだけど」
踊り子さんが喋るのをシャオちゃんがコクコク頷きながら聴く。
日本語は喋れないが言ってることはわかるという設定に基いて。
「あれ?ってことは向こうでも放送してるの?それとも日本版のを、ええとDVDとかで」
と、踊り子さんが向こう、とシャオちゃんの国での視聴環境について訊くと、シャオちゃんは突然すうっと息を吸い込み、
「わ、あ」
母国語で最新シリーズのエンディングのサビ部分を歌ってみせた。
突然のパフォーマンスに踊り子さんが驚きの声を上げる。
国によっては放送権の問題で最新の日本アニメが入ってくるのが遅い国もあるが、シャオちゃんの国はかなり早い方だ。
踊り子さんは驚いた声をあげたあと、嬉しそうな顔をし、
「すごいすごいっ!」
と、拍手した。
ゆったりしたメロディで、今週も楽しかったという余韻を残しつつ来週への期待とワクワクを想起させる歌。
実に正しき子供向けテレビアニメのエンディングらしい曲。
それを、シャオちゃんがお国の柔らかな言葉と発音で紡ぐ。
踊り子さんの反応を見てシャオちゃんは得意そうな顔でもう少し歌い、踊り子さんもウンウンと頷く。
周りのおじちゃん客もほお、という顔をする。
柔らかな声と発音で、同じアニソンなのに違う面を見せる。
区切りのいいところまで歌うとシャオちゃんはンフッと恥ずかしそうに、でも得意そうな顔で両肩を少し上げ、ぺこっと頭を下げた。
オソマツサマデシタと。
そんな異国の少女の歌声と姿に、場内が拍手に包まれる。
何の曲かはわからないがいいものを聴かせてくれた女の子に。
それを、詩帆は後ろに控えて聞いていた。
面映いがどこか誇らしい。
すごいね!と踊り子さんが褒め称え、
「今日歌うの!?」
と、訊いてきた。
「キョウ?」
「あれ?知らないで来たの?」
話がわからずシャオちゃんが首をひねると、
「今日三回目ラストのあとカラオケ大会だよっ」
「踊り子さん達が歌ったあとに客も参加できるからっ」
と、おじちゃん客達が教えてくれた。
「ソナンデスカ」
「出たらいいよっ」
踊り子さんも勧めてくれる。
ドウシヨウ、という目をシャオちゃんが詩帆に向けてくるが、詩帆はそれにうん、と軽く微笑んで頷く。
出てみたらいいよと。
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