幽霊だって怖いものはコワイ ~うちの幽霊ちゃんは怖がり~

みやび

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13 巫女ちゃんはおにいさんがこわい

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巫女ちゃんがうちに来るためのカバーストーリーとして、家庭教師ということになった。
いや、なんで家庭教師の家に生徒が来るんやねん、と思うが、上司さんがそういうので、そうなった。
今日から週一回の頻度での家庭教師だ。
大学にいたころは何度かやっているので教えるのは慣れているが……

「予想以上に出来がわりぃ……」
「生徒の前でそういうこと言うのはよくないと思いますー!!!」
「じゃあこの点数見てみろって、何点だ? ああん?」

ひとまず出来を見るために適当な問題をやらせたのだが、見事に散々だった。
ほとんどあってない。こいつはかなり出来が悪い。

「授業聞いてるか?」
「寝てます!」
「学生の本分だろうが!!」
「だって仕事が夜ばっかりなんですもん!! 眠くなりますよ!!!」

お化け系のお仕事だけあってやっぱり夜がメインなのか。でもこの出来はやばい。
来年大学に受験するとか言っていた気がするが、大学とか言うレベルじゃない。

『ねえねえおにいさん、たべていい?』
「終わったならいいぞ」
『わーい♪』
「ねえねえおにいさん」
「おまえはだめだ」
「なんで!? 差別!? おにいさんは幽霊にしか興奮しない変態!?」
「ちげーよ! ここからここまでできるようになるまでお菓子は抜きだ!」

幽霊ちゃんには別にテストをやらせている。昼間とか暇だろうから勉強するように言ってあるのでそのチェックだ。
お菓子で釣ったからかそこそこまじめにやっているようでそろそろ小学生レベルは脱却できそうだった。
こいつは自然発生型幽霊とかいうらしく、知識はあらかじめある程度インストールされているらしいが、それでも小学生レベルだった。そこから毎にちゃんと勉強して少しずつ知識を深めているようだった。
今回のテストも簡単なレベルだったがちゃんと満点を取っているので、ご褒美はちゃんとあげている。
こいつは美味しそうにプッチンプリンを食べ始めた。

「うう、ひどい。ボクだって30点はとったのに」
「100点満点のマーク式なんだから30点ぐらいは何もわかってなくても当たるんだよ。むしろ選択肢絞れてないのバレバレだ。本気で全く分かってねえな!」

基礎から怪しくて理解するなんて方法じゃ間に合いそうもない。ひとまず最低限の部分を丸暗記させよう。
上司さんにも言って、もう少し仕事もどうにかしてやらないといけないかもしれない。
バイト料は出るが、この出来の悪い生徒を扱うのはちょっと難しそうだった。



なお、お菓子は結局できなかったので、こいつが二つとも食べていた。
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