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3 告白してきた従兄弟も裏切り者でしかなく
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どうにかこうにか、アーベルジュ領まで逃げ切った。
追手が来ていた様だが、馬を軽装で走らせる私に追いつけなかったようだ。
途中で引き返していったようで、誰かに追いつかれることもなく自宅までたどり着いた。
「お帰り、大変だったね」
「げっ」
そこで待ち構えていたのは、従兄のアンドレア卿だった。
叔父の子供である彼は、王太子の腰ぎんちゃくをしていた。
つまり敵側の人間であり、会いたくない人間だったのに、どうしてここにいて、こんな笑顔でいるのだろう。
父に殺されかねないと思うが。
「相変わらずかわいいが生意気だね」
「お前にかわいいと思われたくないので」
全く空気が読めてないのだろう。これでも見た目がいいからか、女性には非常にモテる奴だ。
だが、叔父上と違い軍事的な才能はまるでなく、また努力もまるでしないし誠意もない彼は一族ではあぶれ者でしかなかった。
せめて王太子の腰ぎんちゃくをして情報を回してくれるかと思っていたが碌な情報を送ってこなかった。
一言で言ったら燃えないゴミである。
「なんだい、せっかく婚約破棄したから祝ってやって、あと嫁にもらってやろうと思ったのに」
「お前の嫁になるなら死んだ方がましですね」
「口では嫌と言いながらも、心はそうじゃないだろう?」
さわやかな笑みでそう言い切るこいつに、殺意しか生まれてこない。
当家がどれだけ追い込まれた状況で、今どれだけやばいのか、わかってないのか。
その原因の一部が、王太子の腰ぎんちゃくであったこいつがちゃんと働かなかったせいだと思うと、とても愛想よくなんてできるわけがなかった。
「せっかくお前の悪口を吹き込んだり、お前を妨害して王太子とお前を別れさせたんだ。もっと感謝してくれていいだろう?」
「! おまえなあああ!!!!」
「げふっ!!」
みぞおちに思わず拳を叩き込んでしまった。
吹き飛び壁にぶつかって倒れる阿呆。
どうやらこいつ、王太子の情報を碌に回さなかったのみならず、別れさせる努力をしていた様だ。
とても許容できる範囲の話ではなかった。
こいつが私に惚れていた、なんてことはないだろう。
単に公国宗家の地位が欲しかっただけなのはまるわかりだ。
叔父上ぐらい能力があれば譲ることを考えたが、この屑では譲りたくても譲れなかったのだ。
しかし、屑でも邪魔ぐらいはできる、というのは学んだ。屑に讒言などできまいと放置したミスである。
この屑の使い道を考えながら、私は父上のところへと向かうのであった。
追手が来ていた様だが、馬を軽装で走らせる私に追いつけなかったようだ。
途中で引き返していったようで、誰かに追いつかれることもなく自宅までたどり着いた。
「お帰り、大変だったね」
「げっ」
そこで待ち構えていたのは、従兄のアンドレア卿だった。
叔父の子供である彼は、王太子の腰ぎんちゃくをしていた。
つまり敵側の人間であり、会いたくない人間だったのに、どうしてここにいて、こんな笑顔でいるのだろう。
父に殺されかねないと思うが。
「相変わらずかわいいが生意気だね」
「お前にかわいいと思われたくないので」
全く空気が読めてないのだろう。これでも見た目がいいからか、女性には非常にモテる奴だ。
だが、叔父上と違い軍事的な才能はまるでなく、また努力もまるでしないし誠意もない彼は一族ではあぶれ者でしかなかった。
せめて王太子の腰ぎんちゃくをして情報を回してくれるかと思っていたが碌な情報を送ってこなかった。
一言で言ったら燃えないゴミである。
「なんだい、せっかく婚約破棄したから祝ってやって、あと嫁にもらってやろうと思ったのに」
「お前の嫁になるなら死んだ方がましですね」
「口では嫌と言いながらも、心はそうじゃないだろう?」
さわやかな笑みでそう言い切るこいつに、殺意しか生まれてこない。
当家がどれだけ追い込まれた状況で、今どれだけやばいのか、わかってないのか。
その原因の一部が、王太子の腰ぎんちゃくであったこいつがちゃんと働かなかったせいだと思うと、とても愛想よくなんてできるわけがなかった。
「せっかくお前の悪口を吹き込んだり、お前を妨害して王太子とお前を別れさせたんだ。もっと感謝してくれていいだろう?」
「! おまえなあああ!!!!」
「げふっ!!」
みぞおちに思わず拳を叩き込んでしまった。
吹き飛び壁にぶつかって倒れる阿呆。
どうやらこいつ、王太子の情報を碌に回さなかったのみならず、別れさせる努力をしていた様だ。
とても許容できる範囲の話ではなかった。
こいつが私に惚れていた、なんてことはないだろう。
単に公国宗家の地位が欲しかっただけなのはまるわかりだ。
叔父上ぐらい能力があれば譲ることを考えたが、この屑では譲りたくても譲れなかったのだ。
しかし、屑でも邪魔ぐらいはできる、というのは学んだ。屑に讒言などできまいと放置したミスである。
この屑の使い道を考えながら、私は父上のところへと向かうのであった。
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