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第六章 無能姫のエフラ王戴冠
6 王になったはいいけど(終)
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エフラ王になってもやることはそう変わらなかった。
領土自体は広くてもほとんど未開の地だし、統治している街の規模も人口も前に比べればかなり小さくなっている。
ひとまずのんびり開拓でも進めるか、と思っていたのだが……
戴冠式の翌々日に急に腹痛で倒れて、2日間うなっていたら卵を産んだ。
最初は劇からカレーの食べ過ぎだと思っていたら全く違ったらしい。
え、ボク卵生なの? というのが自分で一番驚いた。
卵からは子供がすぐに孵った。かわいい女の子だ。
ボクと同じ竜の特徴を持っていて、あたまに角が生えていた。
普通に産まれたらボクのお腹突き破ってそうだし、卵生でよかったと少し思った。
自分が変わり者の自覚があるし、娘を育てられるのかなとちょっと思ったが、幸い自分のお腹を痛めて? いや、生まれるときはとても痛かったから多分痛めただろう、子供はとてもかわいかった。
世界で一番かわいいと自信を持って言える。というか子供抱えて町中の人に言いふらしていたらベルタに怒られた。
ベルトルドもかわいいようで、一日中世話を焼いていた。
開拓事業などもすべて中止になったが、王女誕生に周りは色めき立った。
自分も妊娠なんかに気づいていなかったが当然周り中誰も気づいておらず、いろんな人に怒られた。
お怒りの手紙とともに、いろいろな出産祝いも届いた。
すやすやと眠る我が子はとてもかわいい。
「この子は、みんなに祝福されるかな」
「アデリーだって祝福されてるでしょう」
「そう?」
「これだけお祝いが届くんだから、もう少し信じてもいいと思うよ」
「そうだね」
今までどこか、地に足がついていない気がしたが、なんとなくベルトルドにそういってもらって助けられた気がした。
娘が笑う。ボクも笑う。それだけで、とても幸せだった。
領土自体は広くてもほとんど未開の地だし、統治している街の規模も人口も前に比べればかなり小さくなっている。
ひとまずのんびり開拓でも進めるか、と思っていたのだが……
戴冠式の翌々日に急に腹痛で倒れて、2日間うなっていたら卵を産んだ。
最初は劇からカレーの食べ過ぎだと思っていたら全く違ったらしい。
え、ボク卵生なの? というのが自分で一番驚いた。
卵からは子供がすぐに孵った。かわいい女の子だ。
ボクと同じ竜の特徴を持っていて、あたまに角が生えていた。
普通に産まれたらボクのお腹突き破ってそうだし、卵生でよかったと少し思った。
自分が変わり者の自覚があるし、娘を育てられるのかなとちょっと思ったが、幸い自分のお腹を痛めて? いや、生まれるときはとても痛かったから多分痛めただろう、子供はとてもかわいかった。
世界で一番かわいいと自信を持って言える。というか子供抱えて町中の人に言いふらしていたらベルタに怒られた。
ベルトルドもかわいいようで、一日中世話を焼いていた。
開拓事業などもすべて中止になったが、王女誕生に周りは色めき立った。
自分も妊娠なんかに気づいていなかったが当然周り中誰も気づいておらず、いろんな人に怒られた。
お怒りの手紙とともに、いろいろな出産祝いも届いた。
すやすやと眠る我が子はとてもかわいい。
「この子は、みんなに祝福されるかな」
「アデリーだって祝福されてるでしょう」
「そう?」
「これだけお祝いが届くんだから、もう少し信じてもいいと思うよ」
「そうだね」
今までどこか、地に足がついていない気がしたが、なんとなくベルトルドにそういってもらって助けられた気がした。
娘が笑う。ボクも笑う。それだけで、とても幸せだった。
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