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第五章 無能姫の西方大陸動乱 ロンバルディア戦役
6 ロンバルディア王都戦 休憩時間
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攻城戦というのは基本的に暇である。
お互い警戒しながらにらみ合うが、戦闘もないし待つ時間が非常に長い。
そのため娯楽が非常に大事になってくる。
今までの戦争はすべて速攻だったため、こういった攻城戦は初めてだが、こんなことに備えて、いろいろな娯楽を用意していた。
まずはお見合いパーティーである。
前世の軍隊はほとんど男性だったらしいが、今の軍隊は男女比はほぼ1:1だ。若干女性の方が少ないかな、ぐらいである。
なのでまあ、恋愛がそこかしこに生じて、そういった痴話げんかの仲裁の腕が憲兵に求められたりする。
まあそれはそれでおいておいて、そんな男女混じる場所なのだが、恋愛にも得意不得意がある。
前から結構お見合いパーティはイチル軍内ではやっていたのが、こうやっていろんな地域の軍が集まったので混成でやることにしたのだ。
各軍から選りすぐりの男女によるお見合いパーティは、カップルをそこかしこで作ったという。
ボクとしては、いい軍人を引っこ抜いてもらって人員増強! と思っていたのだが、考えることはどこも一緒で、黒鉄隊の参加者のうち半分ぐらいロンバルディアの北部貴族に引っこ抜かれたりした。
魔力が低い人たちばかりだから油断しすぎた。くそう。
そんな風に引き抜いたり引き抜かれたり、指揮官側は右往左往したが、参加者には非常に好評であった。
成績優秀者が参加できる会にしたので、各軍の統制と士気の維持が非常に楽になる利点もあったりする。
あとはカレーパーティもやった。
フィリー領から香辛料が容易に入るようになったので、カレーを作ったのだ。ボクが。
指揮官直々に配られる茶色の謎物質は、最初は皆に嫌厭されたが、一口食べればとりこになった。
毎週メニューに入る定番になり、さらに各隊で自分たちの味を追い求め始めたのでバリエーションも豊富になり、品評会までやり始めた。
フィリー領は大量の香辛料の輸出でかなり潤っているという。
他にもイチル恒例相撲大会もやった。
慣れでいえば西方大陸出身者の方が有利なはずなのに、ロンバルディアの将軍が無茶苦茶強かった。
あれと戦うことにならなくてよかったとかなりほっとした。
木工大会なんて謎の大会をやって、できがいい人たちは黒鉄隊への勧誘を掛けたりしたり、とにかく遊びまくりだった。
ボクの仕事の100%がレクレーションへの準備と参加で占められていた気がする。
その分エミル王子とヨハンが働いていてくれたから多分大丈夫である。
「お姉さまばっかりずるい~」
「ちゃんと戦略ですからね」
「わかるけど~」
ヨハンが暇を見つけては尻尾に抱き着いてきながら文句を言う。
なんだこの尻尾への情熱は。
ベルトルドが見る目が若干怖いんだぞ。ヨハンはたぶん気づいてやってるけど。
尻尾をうねうねさせるが、あまり意味はなかった。
「王都の方の反応はどうなってますか?」
「1月経ったけど、かなり限界の様だね。そろそろ打って出てくるかな」
もちろん遊んでいたばかりではない。まあボクは遊んでばかりだったけどほかの人はちゃんと仕事をしていた。
付城は日に日に拡充され、城壁へと迫っていっている。高くに登れるやぐらと梯子を組み合わせれば、城壁を乗り越えるのも難しくないのだが、それができる位置まで徐々に付城は範囲を広げている。
城門に対する嫌がらせも毎日している。
火矢を撃ちかけたり、質量弾を撃ち込んだり、こちらに損害が出ないようにしているため相手への被害は軽微だが、気が気でないだろう。
王都側は苦しい中、王都外ではいつも楽しそうに騒いでいるのだから、精神にかなり来ているはずだ。
こうなれば後は二つだ。
討って出てくるか、降伏か
決戦の時は近いように思えた。
お互い警戒しながらにらみ合うが、戦闘もないし待つ時間が非常に長い。
そのため娯楽が非常に大事になってくる。
今までの戦争はすべて速攻だったため、こういった攻城戦は初めてだが、こんなことに備えて、いろいろな娯楽を用意していた。
まずはお見合いパーティーである。
前世の軍隊はほとんど男性だったらしいが、今の軍隊は男女比はほぼ1:1だ。若干女性の方が少ないかな、ぐらいである。
なのでまあ、恋愛がそこかしこに生じて、そういった痴話げんかの仲裁の腕が憲兵に求められたりする。
まあそれはそれでおいておいて、そんな男女混じる場所なのだが、恋愛にも得意不得意がある。
前から結構お見合いパーティはイチル軍内ではやっていたのが、こうやっていろんな地域の軍が集まったので混成でやることにしたのだ。
各軍から選りすぐりの男女によるお見合いパーティは、カップルをそこかしこで作ったという。
ボクとしては、いい軍人を引っこ抜いてもらって人員増強! と思っていたのだが、考えることはどこも一緒で、黒鉄隊の参加者のうち半分ぐらいロンバルディアの北部貴族に引っこ抜かれたりした。
魔力が低い人たちばかりだから油断しすぎた。くそう。
そんな風に引き抜いたり引き抜かれたり、指揮官側は右往左往したが、参加者には非常に好評であった。
成績優秀者が参加できる会にしたので、各軍の統制と士気の維持が非常に楽になる利点もあったりする。
あとはカレーパーティもやった。
フィリー領から香辛料が容易に入るようになったので、カレーを作ったのだ。ボクが。
指揮官直々に配られる茶色の謎物質は、最初は皆に嫌厭されたが、一口食べればとりこになった。
毎週メニューに入る定番になり、さらに各隊で自分たちの味を追い求め始めたのでバリエーションも豊富になり、品評会までやり始めた。
フィリー領は大量の香辛料の輸出でかなり潤っているという。
他にもイチル恒例相撲大会もやった。
慣れでいえば西方大陸出身者の方が有利なはずなのに、ロンバルディアの将軍が無茶苦茶強かった。
あれと戦うことにならなくてよかったとかなりほっとした。
木工大会なんて謎の大会をやって、できがいい人たちは黒鉄隊への勧誘を掛けたりしたり、とにかく遊びまくりだった。
ボクの仕事の100%がレクレーションへの準備と参加で占められていた気がする。
その分エミル王子とヨハンが働いていてくれたから多分大丈夫である。
「お姉さまばっかりずるい~」
「ちゃんと戦略ですからね」
「わかるけど~」
ヨハンが暇を見つけては尻尾に抱き着いてきながら文句を言う。
なんだこの尻尾への情熱は。
ベルトルドが見る目が若干怖いんだぞ。ヨハンはたぶん気づいてやってるけど。
尻尾をうねうねさせるが、あまり意味はなかった。
「王都の方の反応はどうなってますか?」
「1月経ったけど、かなり限界の様だね。そろそろ打って出てくるかな」
もちろん遊んでいたばかりではない。まあボクは遊んでばかりだったけどほかの人はちゃんと仕事をしていた。
付城は日に日に拡充され、城壁へと迫っていっている。高くに登れるやぐらと梯子を組み合わせれば、城壁を乗り越えるのも難しくないのだが、それができる位置まで徐々に付城は範囲を広げている。
城門に対する嫌がらせも毎日している。
火矢を撃ちかけたり、質量弾を撃ち込んだり、こちらに損害が出ないようにしているため相手への被害は軽微だが、気が気でないだろう。
王都側は苦しい中、王都外ではいつも楽しそうに騒いでいるのだから、精神にかなり来ているはずだ。
こうなれば後は二つだ。
討って出てくるか、降伏か
決戦の時は近いように思えた。
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