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第三章 黒鉄姫の東方大陸動乱 エフラク戦役
7 成人の儀と授爵
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戦争とそのあとの終戦交渉によりドタバタしているうちに、ボクは15歳になった。
15歳になったら成人の儀を行う予定であったが、これについては少しだけいざこざがあった。
成人の儀の際、成人したことを認める大人として、後見人というのが必要になる。
これは親族はなれないので、村ならば村長がやったりする。
母も領内の人たちの成人の儀の時にはときどき後見人になっていたりする。
そんな後見人だが、ボクの場合、最初はビュザンの市長が後見してやる予定だった。
市長の娘のアルマさんは母の弟子という縁もあるし、隣接する自由都市であるビュザンとのつながりを強くして損はないだろうと思っており、ボク自身市長に言われた時お願いする方向で検討すると回答してしまったのだ。
しかし、一方でフルギア王が自分が後見すると母経由で言っていたらしい。
母はしっかりした娘が自分に相談せずに安請け合いしていると思っていなかったといっていた。
それを聞いた周りは驚いたらしい。
「おひいは突拍子もないことしかしない」
「姫に常識を求めるのが間違っている」
「白餅がそんな愁傷なわけがない」
「アデリーは優先順位のつけ方がおかしい」
等とこき下ろされて、白餅であるボクは膨れ餅になり、母は驚いていた。
いや、言おうとは思っていたんだけど、裏庭で生まれた子猫がかわいくて、そちらの話ばかりしていたせいで話しそびれたのは確かだけど……
ぐうの音も出なかった。
ひとまずビュザン市長にアルマさんを通じて詫びを入れたり、王にお伺いを立てたり、どうにかこうにか調整をして、王の後見で成人の儀を行うことになった。
なので、終戦交渉でボクが王都に来ている間に成人の儀までしてしまうことになったのだ。
そこからがまた大変だった。
王太子妃に後宮に連れ込まれて成人の儀の準備と称して美容的な施術をされる。
もまれ、こねくり回され、いろいろないいにおいのする何かを塗りこまれ、1日がかりでホカホカ白餅にされてしまった。
ぷにぷにつやつやにはなったが、大変過ぎて死にかけた。
儀式も又死ぬほど長かった。
王宮の作法に従い行われたそれは豪華だが丸一日かかるのだ。
王様スゲーと思ったが、元来そういった堅苦しいのが苦手なボクとしては苦痛でしょうがない。
というか苦痛すぎて二回ほど倒れた。起き上がれないほどのダメージを受けたボクは、最後は用意していた白餅だるまを身代わりにしてどうにか儀式をやり過ごした。
そうしてどうにか成人の儀が終わりくたびれ切っていたにもかかわらず、さらに次の日にも儀式を行うスケジュールになっていた。
イチル伯を母からボクに譲るというものだ。
母は王都にとどまるらしい。
フルギア王と仲良くするのは別に構わないし、今まで大変だったのだから楽しく暮らせばいいと思う。
王妃には状況的になれないだろうが、そういった形式を気にする人でもないだろうしボク自身反対するつもりはなかった。
なので伯位を受けるのは嫌ではないのだが、その儀式がまた面倒なのだ。
1日がかりでするものだから面倒この上ないものだ。
といっても前日から体調不良だったボクは、結局白餅だるまを代理にしてこの儀式を乗り切った。
生まれてこの方、寝こむことがなかったのでこの経験は初めてだった。
儀式後、肉を大量に食べたら元気になったし、やっぱり肉が最強だと思った。
その後、半月ほど王都に滞在して、母を置いてボクはイチルの町へと戻った。
半月の間もまた面倒であった。
三人の王子はかわいい妹が出来たとボクのことをいじくりまわすのだ。
そもそも母の地位は公式なものではない。せいぜい名前を付けるなら愛人であり、義理の妹でもないと反論するのだが、妹だと強弁して構いまくるのだ。一人ならまあ楽しいぐらいだろうが、3人もいるから正直対応が大変である。
そして王太子妃もボクを構いまくる。夫婦してどちらがモチモチできるか競うのはやめてほしい。二人で乳繰り合っていて、ボクのことは放置してほしいのに、なぜか放してくれない。
間にボクがいる中で二人の世界を構築することもあって本当にやめてほしかった。見た目は小さいがこちらとて成人したイチル伯なのだが…… きっと目は死んでいたと思う。
そうして自称だと信じたかったが、母にはちゃんと許可を取っていて自称ではなかった婚約者のベルトルドも無茶苦茶構ってくる。
若干王子たちに嫉妬しているようで、今までも抱っこしたりして多かった接触がさらに増えた。
まあ、ボクが白餅としてこねくり回されることで、母が楽しく暮らせるならば文句はない。
そう自分で自分を説得しながら半月の間耐え忍び、やっとイチルの町へと帰還したのだった。
15歳になったら成人の儀を行う予定であったが、これについては少しだけいざこざがあった。
成人の儀の際、成人したことを認める大人として、後見人というのが必要になる。
これは親族はなれないので、村ならば村長がやったりする。
母も領内の人たちの成人の儀の時にはときどき後見人になっていたりする。
そんな後見人だが、ボクの場合、最初はビュザンの市長が後見してやる予定だった。
市長の娘のアルマさんは母の弟子という縁もあるし、隣接する自由都市であるビュザンとのつながりを強くして損はないだろうと思っており、ボク自身市長に言われた時お願いする方向で検討すると回答してしまったのだ。
しかし、一方でフルギア王が自分が後見すると母経由で言っていたらしい。
母はしっかりした娘が自分に相談せずに安請け合いしていると思っていなかったといっていた。
それを聞いた周りは驚いたらしい。
「おひいは突拍子もないことしかしない」
「姫に常識を求めるのが間違っている」
「白餅がそんな愁傷なわけがない」
「アデリーは優先順位のつけ方がおかしい」
等とこき下ろされて、白餅であるボクは膨れ餅になり、母は驚いていた。
いや、言おうとは思っていたんだけど、裏庭で生まれた子猫がかわいくて、そちらの話ばかりしていたせいで話しそびれたのは確かだけど……
ぐうの音も出なかった。
ひとまずビュザン市長にアルマさんを通じて詫びを入れたり、王にお伺いを立てたり、どうにかこうにか調整をして、王の後見で成人の儀を行うことになった。
なので、終戦交渉でボクが王都に来ている間に成人の儀までしてしまうことになったのだ。
そこからがまた大変だった。
王太子妃に後宮に連れ込まれて成人の儀の準備と称して美容的な施術をされる。
もまれ、こねくり回され、いろいろないいにおいのする何かを塗りこまれ、1日がかりでホカホカ白餅にされてしまった。
ぷにぷにつやつやにはなったが、大変過ぎて死にかけた。
儀式も又死ぬほど長かった。
王宮の作法に従い行われたそれは豪華だが丸一日かかるのだ。
王様スゲーと思ったが、元来そういった堅苦しいのが苦手なボクとしては苦痛でしょうがない。
というか苦痛すぎて二回ほど倒れた。起き上がれないほどのダメージを受けたボクは、最後は用意していた白餅だるまを身代わりにしてどうにか儀式をやり過ごした。
そうしてどうにか成人の儀が終わりくたびれ切っていたにもかかわらず、さらに次の日にも儀式を行うスケジュールになっていた。
イチル伯を母からボクに譲るというものだ。
母は王都にとどまるらしい。
フルギア王と仲良くするのは別に構わないし、今まで大変だったのだから楽しく暮らせばいいと思う。
王妃には状況的になれないだろうが、そういった形式を気にする人でもないだろうしボク自身反対するつもりはなかった。
なので伯位を受けるのは嫌ではないのだが、その儀式がまた面倒なのだ。
1日がかりでするものだから面倒この上ないものだ。
といっても前日から体調不良だったボクは、結局白餅だるまを代理にしてこの儀式を乗り切った。
生まれてこの方、寝こむことがなかったのでこの経験は初めてだった。
儀式後、肉を大量に食べたら元気になったし、やっぱり肉が最強だと思った。
その後、半月ほど王都に滞在して、母を置いてボクはイチルの町へと戻った。
半月の間もまた面倒であった。
三人の王子はかわいい妹が出来たとボクのことをいじくりまわすのだ。
そもそも母の地位は公式なものではない。せいぜい名前を付けるなら愛人であり、義理の妹でもないと反論するのだが、妹だと強弁して構いまくるのだ。一人ならまあ楽しいぐらいだろうが、3人もいるから正直対応が大変である。
そして王太子妃もボクを構いまくる。夫婦してどちらがモチモチできるか競うのはやめてほしい。二人で乳繰り合っていて、ボクのことは放置してほしいのに、なぜか放してくれない。
間にボクがいる中で二人の世界を構築することもあって本当にやめてほしかった。見た目は小さいがこちらとて成人したイチル伯なのだが…… きっと目は死んでいたと思う。
そうして自称だと信じたかったが、母にはちゃんと許可を取っていて自称ではなかった婚約者のベルトルドも無茶苦茶構ってくる。
若干王子たちに嫉妬しているようで、今までも抱っこしたりして多かった接触がさらに増えた。
まあ、ボクが白餅としてこねくり回されることで、母が楽しく暮らせるならば文句はない。
そう自分で自分を説得しながら半月の間耐え忍び、やっとイチルの町へと帰還したのだった。
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