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第三章 黒鉄姫の東方大陸動乱 エフラク戦役
3 天水峠の戦い 本戦
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峠の陣を突破したエフラク軍は、壊滅した隊の残存兵1000を峠上の陣に守備兵として残し、残りは全軍下ってきた。
2000を超える数のエフラク軍が峠道を駆け下りてくる。ぱっと数えると2500ぐらいか。最初に見たときには4000程度いたはずだから、傭兵たちは500以上消耗させ、1000を使い物にならなくしたのか。
報酬以上に働いている気がするが、今後もっとこき使う予定である。
何にしろ三分の一は消耗させたとはいえ、こちらと比較すればまだ圧倒的な数である。
エフラク軍は勝ったつもりであろう。傭兵たちはあれだけ魔法を使ったのだからすでに魔力切れであることは読めているだろうし、現に魔力が切れている。
目の前にいるのは100ぐらいしかいない小軍勢。
真っ黒で不気味だが、数は圧倒的であり勝ち目は揺らがない。
そう考えているに違いない。
だが、恐れるに足りなかった。
「撃てっ!!」
合図とともに先頭の集団に大量の巨大な矢が突き刺さる。
敵兵がバタバタと倒れていく。
この矢を撃ったのは機械弓だった。
マッキナさんの発明の一つであり、黒鉄と木を材料として作られる魔力が不要な弓である。
威力は魔法弓よりも強く射程もかなり長いが、欠点もある。
まず連射性が非常に悪い。
撃つ準備に手動で弦を巻き上げるのだが、これが1分以上かかるのだ。
熟練すれば分間10発撃てる魔法弓と比較したら完全に劣悪である。
あとは信頼性もあまり高くない。
巻き上げの機構が複雑で良く壊れるのだ。撃ったはいいが装填ができない、ということが時々あった。
だが、男衆に巻き上げをしてもらい狙いは傭兵の人たちにお願いすること、また、予備を大量に用意したことにより、一方的な射撃を可能にした。
二射目が後続の敵軍に突き刺さり、また幾人もの敵兵が倒れた。
下り坂で射撃を受け、敵兵の足が止まった。
射程は圧倒的にこちらが長いため、高低差を利用しても敵の反撃も届かない。
しかし、威力はあるが連射速度が低いのは読まれたのだろう。
そのまま敵兵は突っ込んできた。
前衛が抜かれれば、飛び道具は無力化される。一気に勝負を決めようとしたのだろう。
敵兵は正面から黒鉄隊にぶち当たり、そして傷一つつけることなくみな倒れ伏した。
軍の武器は魔道具だ。魔道具というのは、実は石や木でできている。これを魔力で補強し、上部にして切れ味を増しているのだ。
これを黒鉄に使づけると、魔力が霧散し元の石や木に戻ってしまう。
丈夫な黒鉄はそれでは抜くことができないのだ。
防具も同様で、黒鉄の槍は敵の防具をやすやすと貫いた。一方的に敵を倒してしまったのだった。
完全に衝突力を失った敵兵は、敵前で立ち往生してしまった。
後ろから魔法で突撃を援護する射撃が放たれ、黒鉄隊に降り注ぐが、まったく効果はない。
そうしている間にも断続的に機械弓から放たれる矢が降り注ぐ。
どうにもならない状況に、兵士たちの心が折れてしまった。
我先に潰走し始める敵兵。粛々と前進し、追撃をする黒鉄隊。
勝負は夜までに完全についていた。
こちらは装備や備品の消耗は激しいとはいえ、人的被害は0に抑えられ、一方で敵はかなりの数が討ち取られた。
4000の軍は壊滅し、再編成しない限り使い物にならなくなったと考えていいだろう。
圧倒的な勝利であった。
2000を超える数のエフラク軍が峠道を駆け下りてくる。ぱっと数えると2500ぐらいか。最初に見たときには4000程度いたはずだから、傭兵たちは500以上消耗させ、1000を使い物にならなくしたのか。
報酬以上に働いている気がするが、今後もっとこき使う予定である。
何にしろ三分の一は消耗させたとはいえ、こちらと比較すればまだ圧倒的な数である。
エフラク軍は勝ったつもりであろう。傭兵たちはあれだけ魔法を使ったのだからすでに魔力切れであることは読めているだろうし、現に魔力が切れている。
目の前にいるのは100ぐらいしかいない小軍勢。
真っ黒で不気味だが、数は圧倒的であり勝ち目は揺らがない。
そう考えているに違いない。
だが、恐れるに足りなかった。
「撃てっ!!」
合図とともに先頭の集団に大量の巨大な矢が突き刺さる。
敵兵がバタバタと倒れていく。
この矢を撃ったのは機械弓だった。
マッキナさんの発明の一つであり、黒鉄と木を材料として作られる魔力が不要な弓である。
威力は魔法弓よりも強く射程もかなり長いが、欠点もある。
まず連射性が非常に悪い。
撃つ準備に手動で弦を巻き上げるのだが、これが1分以上かかるのだ。
熟練すれば分間10発撃てる魔法弓と比較したら完全に劣悪である。
あとは信頼性もあまり高くない。
巻き上げの機構が複雑で良く壊れるのだ。撃ったはいいが装填ができない、ということが時々あった。
だが、男衆に巻き上げをしてもらい狙いは傭兵の人たちにお願いすること、また、予備を大量に用意したことにより、一方的な射撃を可能にした。
二射目が後続の敵軍に突き刺さり、また幾人もの敵兵が倒れた。
下り坂で射撃を受け、敵兵の足が止まった。
射程は圧倒的にこちらが長いため、高低差を利用しても敵の反撃も届かない。
しかし、威力はあるが連射速度が低いのは読まれたのだろう。
そのまま敵兵は突っ込んできた。
前衛が抜かれれば、飛び道具は無力化される。一気に勝負を決めようとしたのだろう。
敵兵は正面から黒鉄隊にぶち当たり、そして傷一つつけることなくみな倒れ伏した。
軍の武器は魔道具だ。魔道具というのは、実は石や木でできている。これを魔力で補強し、上部にして切れ味を増しているのだ。
これを黒鉄に使づけると、魔力が霧散し元の石や木に戻ってしまう。
丈夫な黒鉄はそれでは抜くことができないのだ。
防具も同様で、黒鉄の槍は敵の防具をやすやすと貫いた。一方的に敵を倒してしまったのだった。
完全に衝突力を失った敵兵は、敵前で立ち往生してしまった。
後ろから魔法で突撃を援護する射撃が放たれ、黒鉄隊に降り注ぐが、まったく効果はない。
そうしている間にも断続的に機械弓から放たれる矢が降り注ぐ。
どうにもならない状況に、兵士たちの心が折れてしまった。
我先に潰走し始める敵兵。粛々と前進し、追撃をする黒鉄隊。
勝負は夜までに完全についていた。
こちらは装備や備品の消耗は激しいとはいえ、人的被害は0に抑えられ、一方で敵はかなりの数が討ち取られた。
4000の軍は壊滅し、再編成しない限り使い物にならなくなったと考えていいだろう。
圧倒的な勝利であった。
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