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第二章 東方大陸と無能姫
7 イチルの町の発展
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「なによ。一から作るのかと思ったのに、あとは設置だけじゃない」
一週間後、イチルに来たマッキナさんは、水車小屋を見てそういった。
水車の設置だけならその日のうちに終わらせてしまった。
「これ、先生の設計図でしょ。理屈重視だからすごい無駄が多いのよね」
そういって手直しまでしてくれて、一週間後には水力で動く丸鋸が唸る木材加工場が完全始動し始めた。
木材が豊富なこの町には、もともと木工の職人さんはいたのだ。
若い衆含め、木材加工場でガンガン木材加工をしていく。
よほど効率がいいようで、1月分の注文が1週間で終わってしまったといっていた。
土地と水にはまだ余裕があるので、いろいろな加工設備が増やせるだろう。
マッキナさんも毎日のように加工場へと行き、新しい設備を設置している。
徐々に広がっていく加工場は、木材だけでなく造船場まで併設され始め、ふた月も経つと船まで作り始めていた。
「船も一度作ってみたかったんだよねぇ♪」
嬉しそうにそう言うマッキナさん。
町の人たちは関心半分、呆れ半分であった。
母は慣れているのか、苦笑するだけだった。
マッキナさん設計の新型船は、小型、軽量、低労力を目指した船で、容量は少ないが早くて人が少なくても動かせるという特徴があった船だった。
客員輸送に特に需要が高くて、作った先から飛ぶように売れた。
マキナ船といわれる船により、イチルの町はにわかに活気づき、移住者も増え始めていた。
そうして次に出てきた産業は医薬品だった。
それは母がきっかけだった。
もともとは母治癒魔法の名手であり、人を治すのも壊すのも表裏一体と物騒なことを言うなかなかお転婆な人である。
それゆえなのかは知らないが、人体の構造や薬にも非常に詳しい。
山がちなイチルの町周辺で、暇を見つけては細々と薬草の調査をしていたらしいが、マッキナさんが来てはっちゃけた。
水車関係の仕事が落ち着いたマッキナさんに自分の仕事を押し付けて、フィールドワークに励み始めたのだ。
そうしてある程度情報を集めると、治癒院を始めたのだが、これが非常に当たった。
初めてすぐに、ビュサン市長の娘を完治させたのだ。
ビュザン市長の娘はボクより二つ年上だったのだが、原因不明の不治の病で衰弱しており、どうしてもよくならなかったらしい。
藁にもすがる思いで治癒院を始めたという母のところにきたのだが、あっけなく治療してしまった。
薬といって酸っぱい木の実のジュースを大量に飲ませていただけだが、治ったのでいいのだろう。
母曰く、食べるものに含まれるもののバランスが崩れると病気になるらしい。
足りなかったものを足せばすぐに良くなったという事だ。
ビュザン市長の娘、アルマは母を大層尊敬し、そのまま弟子入りしてしまった。
不治の病を治した名医として、母の名前が広がり、母は嬉しそうに治癒院の経営を始める。
そうして領主の仕事を投げ出し、マッキナさんも一時的だと思って引き受けていたのに、母が完全に投げ出したのを見てまた投げ出した。
結局その部分は、イスハクとベルトルドをこき使いながら、ボクがやる羽目になってしまい、人口と収入が激増したのも合わせてとんでもない仕事量になってしまうのであった。
一週間後、イチルに来たマッキナさんは、水車小屋を見てそういった。
水車の設置だけならその日のうちに終わらせてしまった。
「これ、先生の設計図でしょ。理屈重視だからすごい無駄が多いのよね」
そういって手直しまでしてくれて、一週間後には水力で動く丸鋸が唸る木材加工場が完全始動し始めた。
木材が豊富なこの町には、もともと木工の職人さんはいたのだ。
若い衆含め、木材加工場でガンガン木材加工をしていく。
よほど効率がいいようで、1月分の注文が1週間で終わってしまったといっていた。
土地と水にはまだ余裕があるので、いろいろな加工設備が増やせるだろう。
マッキナさんも毎日のように加工場へと行き、新しい設備を設置している。
徐々に広がっていく加工場は、木材だけでなく造船場まで併設され始め、ふた月も経つと船まで作り始めていた。
「船も一度作ってみたかったんだよねぇ♪」
嬉しそうにそう言うマッキナさん。
町の人たちは関心半分、呆れ半分であった。
母は慣れているのか、苦笑するだけだった。
マッキナさん設計の新型船は、小型、軽量、低労力を目指した船で、容量は少ないが早くて人が少なくても動かせるという特徴があった船だった。
客員輸送に特に需要が高くて、作った先から飛ぶように売れた。
マキナ船といわれる船により、イチルの町はにわかに活気づき、移住者も増え始めていた。
そうして次に出てきた産業は医薬品だった。
それは母がきっかけだった。
もともとは母治癒魔法の名手であり、人を治すのも壊すのも表裏一体と物騒なことを言うなかなかお転婆な人である。
それゆえなのかは知らないが、人体の構造や薬にも非常に詳しい。
山がちなイチルの町周辺で、暇を見つけては細々と薬草の調査をしていたらしいが、マッキナさんが来てはっちゃけた。
水車関係の仕事が落ち着いたマッキナさんに自分の仕事を押し付けて、フィールドワークに励み始めたのだ。
そうしてある程度情報を集めると、治癒院を始めたのだが、これが非常に当たった。
初めてすぐに、ビュサン市長の娘を完治させたのだ。
ビュザン市長の娘はボクより二つ年上だったのだが、原因不明の不治の病で衰弱しており、どうしてもよくならなかったらしい。
藁にもすがる思いで治癒院を始めたという母のところにきたのだが、あっけなく治療してしまった。
薬といって酸っぱい木の実のジュースを大量に飲ませていただけだが、治ったのでいいのだろう。
母曰く、食べるものに含まれるもののバランスが崩れると病気になるらしい。
足りなかったものを足せばすぐに良くなったという事だ。
ビュザン市長の娘、アルマは母を大層尊敬し、そのまま弟子入りしてしまった。
不治の病を治した名医として、母の名前が広がり、母は嬉しそうに治癒院の経営を始める。
そうして領主の仕事を投げ出し、マッキナさんも一時的だと思って引き受けていたのに、母が完全に投げ出したのを見てまた投げ出した。
結局その部分は、イスハクとベルトルドをこき使いながら、ボクがやる羽目になってしまい、人口と収入が激増したのも合わせてとんでもない仕事量になってしまうのであった。
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