狙われたその瞳

神名代洸

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寝顔はもっと見たかったが、他にも同僚がいる為浸ってるわけにわいかず、リジーを起こした。

「ん?なぁに?どうしたの?シュナイダー。はぁ~。」大あくびをしながら目を開けたリジーは周りに人がたくさんいることにまず驚いた。
「え?え?なになに?どうかした?」
「どうかしたじゃないだろ?不用心だぞ?玄関鍵が空いていた。俺が帰らなかったらどうなっていたか…。」
「え?そ、そんなはずないわ。私ちゃんと鍵をかけたもの。一体どうして?」
リジーは怯え、自身が今どう言う状態かを震えながら見ていた。
この場所は関係者しか知らない場所だ。
と言うことは今回の犯人は…関係者か?

シュナイダーは最も信頼する仲間数人だけを内密に集め、同僚の素行調査を依頼した。初めは何を言ってるんだと言っていた仲間たちもシュナイダーの真剣な表情を見て只事ではないと察知しすぐに行動に出た。

驚く事に内通者はすぐに判明した。
昨年某幹事長の警護をした時に組んだ相手だった。
警護中はぶつかり合うことも多く、すぐに移動願いを出した為大して話をしたこともない相手だった。
ただ警護に関しては問題ないとの評判は耳にしたことはある。だが何故リジーに近づくのかが謎だ。
「さてどうしようか。内通者を捕まえるのは簡単だが、およがせて様子を見る事も考えて見てはどうだろうか?」仲間にそう言われたシュナイダーだが、すぐに却下した。リジーの安全が脅かされると思ったからだ。仲間もそれは重々承知の上で話しているのだ。
リジーは自身が蚊帳の外でどんどん話を進めていく彼らに何と言っていいのかわからなかった。でも怒る気にはならなかった。
「ねぇ、ちょっといいかしら?私のことを思ってと言うなら離れたところから護衛をつけて…。」「それは君自身が危ない。僕は反対だ。」「でもそうしないと終わりが見えないわ。私は早く元の日常を取り戻したいのよ。」「そ、うだな。君の言う通りかもしれない。こんなことは早く終わらせよう。」
シュナイダーは仲間達と打ち合わせを始めた。そしてリジーの警護を数人と上司に話を通し、警察も動かした。


今リジーはある街にいた。
そこは大都会ということもあり、人通りが多い。
そこの橋の所で商品を並べ、展示を始めた。
一応警察にも了承済みではあるが、縄張りを取りたがるものもあるらしく、当然のように絡んできた。
だがこちらも仕事だ。
強面のボディガードが3人すぐにリジーの元にやってくると言い寄ってきた男を摘み出した。
その姿を見ていた街の人々が立ち止まり、こちらの商品を見てくれるようになった。そうなれば商談しやすくなる。
何人かと話をして好感触を持ったリジーは早々に店を畳むと男たちとその場から消えた。
まるで何もなかったかのように何も残ってはいなかった。


元いた場所の店に戻ってきたリジーは同僚の迎えに喜び、そして今の現状を伝えた。そうすると皆が不安な顔をする。けどリジーの周りにたくさんの屈強な男たちの姿を見て頷いたりするものもいた。
彼らならきっとリジーを守ってくれる、と。
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